一葉のコンチェルト

碧いろは

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薫風編

【薫風編】36:xx16年3月27日

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乃亜がイベントの出演として大学に顔を出してから二日が経過した。
彼女のヴァイオリンに、スタッフや同じステージに立つパフォーマーたちはすっかり魅了されたのか
ひっきりなしに彼女に話しかけ、それぞれの担当する内容の精度を高めていく。

乃亜はリアムらと相談した結果、急遽決まったニックとのセッションと、
ガラコンサートでも披露していた曲を複数のパフォーマーと共に奏でることに決まった。
元々リアムの構想ではソロを依頼しようかと思っていたらしいが
ぜひともステージで披露すべきと決定したらしい。

その結果、ニックや他のパフォーマーとも連携して話すことも増えた。
煉矢やリンディにも通訳してもらいながら、
二人の手が離せないときは、スマフォの翻訳アプリも駆使してなんとかコミュニケーションをとる。
幸いだったのが、関係者が皆乃亜に好意的で、
たどたどしい英語でもちゃんと理解しようという姿勢をみせてくれ、
また、ゆっくりとした英語で話してくれたことも大きい。

周囲からの期待や賞賛はいくら言われても戸惑いのほうが大きいが
それでもその責任を果たしたい思いが強かった。
17時を過ぎて煉矢と共に帰路についたが
気が付けば眠ってしまっていたらしい。

身体を揺らされて乃亜ははっと気が付いた。
車で眠っていたらしい自分を、煉矢が少し心配そうに見つめている。

 「乃亜、着いたぞ」
 「あ……っ、すみません、ありがとうございます」

急速に覚醒して車のシートベルトを外す。
既に下車していた彼が手を差し伸べてくれた。
その手を少しためらいがちに取って車から降りる。

 「疲れているんじゃないか?昨日の今日で、周囲に騒がれているからな」
 「いえ、そういうわけではないと思うんですが……」

実際そこまで疲労を感じているという自覚はないのだ。
日本にいた時のレッスンの方がはるかに疲れる。
こちらは好意的に接してくれるひとたちの中で、
楽しく演奏しているだけのはずだ。

 「喧騒は苦手だろう」
 「……それは、否定できませんが」

ばつが悪く、少し自嘲気味に笑う。
幼い頃の経験のせいか、それとも音に敏感なせいが、
必要以上に騒がしい場所や大きい音はあまり得意ではないのは確かだ。
けれど彼らはただいたずらに騒いでいるというわけではないのだ。

 「皆さんいい人ですし、そんな負荷がかかっているとは思えないです」
 「……なら、いいが」
 「……煉矢さん?」

先を歩く彼はなにか気がかりがあるらしいが、
彼はそれ以上なにも言わず、首を振る。

 「いや、いい。お前がなんともないと言うなら、信じよう」
 「……はい」

そういってくれるのはありがたい。
実際、乃亜としてはなにも無理をしているつもりはないのだ。
それを問われても正直こまるだけなのである。

その後何事もなかったかのように二人で夕食の支度を進めた。
乃亜自身も手伝いたいと名乗り出たのだ。
どうしても何もしないでいる方が落ち着かないからと。
煉矢はその意思を尊重して手伝いを承諾した。
といっても彼女も普段、兄と二人でくらすにあたり、料理は手慣れたものだ。
手際よく手伝いを進めてくれ、また、手が空いたときは片付けしたり
テーブルを拭いたりと、気遣いよく進めてくれた。

食事の支度を進めていく中、煉矢は乃亜の様子をさりげなく覗う。
大学でメンバーに囲まれているときは、不安そうな様子が見て取れていた。
それは本当に些細なもので、親しい者でなければ分からないくらいなものだが
不安や緊張、心配などが時折見られた。
だからこそ、疲労が強いのではないかと思われていたが、
今はそういった様子は見て取れない。
日本にいた時に見せていた、穏やかで落ち着いた様子だ。
自分の考えすぎだろうかとも思うが、先日から感じられる懸念はなかなか消えない。

やがて食事が出来上がり二人で静かな夕食を取る。
乃亜がこしらえたのは、シーフードとトマトで作ったアクアパッツァ。
特別なことはしていないと口では言っているが
丁寧に下処理をしていたからか、よい魚介の旨味がスープに溶けだしとても美味しい。
おそらく自分ではこうはいかない。

それらを食べ終えて食後のコーヒーを淹れて、
二階のリビングに運んでいくと、先にリビングにいた乃亜が
ぼんやりと窓の外を見ていた。
もう暗くなった外にはただ昏い夜があるばかりで、
その瞳の中に同じく暗いものが見えたのは自分の気のせいか。

 「どうした」

つい声をかけると、乃亜はこちらを向き首を振る。

 「いいえ。イベントのことを考えていただけです」

乃亜の様子は先ほど一緒に食事を作って食べていた時と変わりはない。
また正体不明の懸念が身の内で揺らぐ。

 「ニックさんの演奏に、どう重ねようか、すこし迷っていて」
 「今日もうまく重ねていたように思えたが、あれでは納得がいかないのか?」
 「そうですね……、邪魔をしているような気がして」

邪魔?
煉矢にはその表現はよく理解できない。
自分は音楽については完全に素人だ。
それでもそんなような印象は全くない。
勿論、乃亜のように卓越した聴覚と技術を持つ人物からすれば
素人には気づかない微細な違いがあるのかもしれないが。

 「ニックも賞賛していただろう。
  さほど気にすることはないと思うが」
 「そう……なのかもしれませんが……」

納得しきれていない。
乃亜はコーヒーを受け取りつつも、その黒い表面を見つめている。

 「ただ、皆さん期待してくれていますから、
  ちゃんとそれに応えたいので」

責任感から来るものらしいということは言葉から伝わる。
しかし、なにかその表情に強張ったものを感じた。
自分がずっと感じている懸念、その正体が一瞬見えたような気がして
煉矢はもう少し乃亜の言葉を引き出すべく、口を開いた。
だがそれより早く、乃亜が何か気づいたように、顔を上げて窓の外に目を向けた。

 「どなたかいらっしゃいましたか?」

まったく聞こえなかった。
だが直後、鍵の開き、ドアが開いた音がした。
階下から、ただいま、という低い声がした。

 「もしかしてお父様ですか?」
 「……ああ」

タイミングの悪い。
内心父へ苦く言うが、乃亜が先日挨拶をしたいような様子だったため
仕方なく、階下にいるであろう父へと声をかけた。

やがて彼はにこやかな様子で二階に上がってきた。

 「やぁ、ただいま」
 「今日は早かったな」
 「まあね、一件キャンセルが入ったから。
  秘書にもたまには早く帰れと言われてしまったよ」

リビングに歩いていく父の後ろに従う。
リビングでは、乃亜が立ち上がって父を迎えていた。

 「やぁ、可愛いお嬢さん。
  息子から話は聞いているよ」
 「乃亜です。先日からご厄介になっています。
  ご挨拶が遅くなって申し訳ありません」
 「いやいや、とんでもない。
  僕が仕事でどうしても家にはあまりいないから。
  羽黒 啓一郎です。
  我が家でくつろげているかな?」
 「はい、おかげ様で。
  煉矢さんにも、色々よくしていただいています」
 「そうか、ならよかったよ。
  自分の家と思って、気楽に過ごしてくれたら嬉しい」

二人はその後もう少し会話を重ね、ややあって満足したように父は踵を返した。

 「話すことができてよかったよ。
  今回は短い期間だけれど、また大型連休の時には遊びにおいで」
 「私もお話できてよかったです。
  お忙しい中ありがとうございました」
 「うん、ではね」

乃亜は父に頭を下げて見送る。
やれやれ、と内心思いながらその会話を見届けていると
すれ違いざま、父から「後で少し話がある」と言われた。
なにか話すようなことがあっただろうか。
それに視線だけ向け、承諾する前に父は階下へと戻ってしまった。

階段を降りる音が終わったあたりで、
乃亜はほっと息を吐いて席に座り直した。

 「煉矢さんのお父様とお会いしたのは、たぶん二回目だと思うんですが、
  お若いままで驚きました」
 「二回目?以前あったか?」
 「子供の頃に……私もうろ覚えなんですけど」

それは乃亜と静の両親がまだ離婚前の話だ。
だが煉矢自身はほとんど覚えがない。
遊ぶのはもっぱら、自分の家だったはずだから、その時に顔を出したのかもしれない。

 「お邪魔している最中に、お会いできてよかったです。
  ……私、そろそろ部屋に戻りますね」
 「ああ、分かった。ゆっくり休め」
 「はい。ありがとうございます」

乃亜はコーヒーカップを持ったまま、あてがわれている客室へと向かう。
煉矢は特に引き止める言葉もなく、乃亜の背中を見送る。

ドアが閉まった音がして、煉矢はコーヒーをリビングに置いたまま、
父の部屋へと向かった。

父の仕事は弁護士だ。
それも海外を拠点とし、日本または他国の企業間との調整を主に請け負う、
世間一般で言うところの国際弁護士と呼ばれるもの。
自分が高校の時に海外へ赴任することが決まり、少々の問答の後、
自分は日本に残ってその後一人で暮らし始めた。
父の仕事のことは理解しているし、日本を離れる気にもならず、
共に移住するかという父の提案は断った。
今思い返せば、ささやかながら、反発心のようなものもあったのかもしれないが
それがあったからこそ、乃亜や静の支えになれたというのは皮肉な話だ。

父とはそれ以降、連絡は取りあうものの、同じ家で暮らすということはしていない。
大学の交換留学については純粋に自分の興味と将来を見据えてのものであり、
父がここに家を持っていることは、利点としては考えていたが
その理由にはなっていない。

母を幼い頃に亡くし男手ひとつで育ててくれた恩義もあるし、家族としての情はある。
だが自分も成長した今、父に対しての印象は、
父親という存在というよりも、海外で自身のスキルを活かし活躍する点に対しての尊敬の方が強い。

弁護士として多種多様な人間と接し続けていた父が、
乃亜と話した後に声をかけてきたという点が、なにか気がかりだ。

煉矢は父のいるであろう書斎をノックすると
案の定部屋の中から返事があった。
中ではリクライニングに腰かけながら、ワインを傾ける父の姿があった。

 「すまないな」
 「それはいいが、なんだ、突然」
 「乃亜ちゃんのことで、少し気になってね」

やはりそうか。
煉矢は近場の椅子に腰かけた。

 「お前も知っているとおり、僕は仕事柄、
  いろんな状況に身を置かれている人と深く接する。
  だから、まぁ、自然と人の心情を察することが多くてね。
  その経験則から言うと、乃亜ちゃんは少し、疲れというか、緊張が見える」
 「……」

やはり、と内心納得もする。
だがその程度であれば、自分も察してはいた。
父はワインを一口飲んで続ける。

 「だが、それに乃亜ちゃん自身は気づいていないようにも思う」
 「……どういう意味だ?」
 「乃亜ちゃんは中学を卒業したばかりだったかな。
  たった15年という短い人生で、あの子が経験してきたことはあまりにも過酷だ」

思わず眉を寄せた。
父も乃亜の、否、乃亜と静、二人の兄妹に起きたことは把握していた。
なにか二人の為にできることがないか、それを思って相談したのは自分だ。

 「ほんの10歳にも満たないような小さい頃に受けた心の傷は、
  その後何十年にわたっても癒えないことだってある。
  その時のトラウマともいえる経験が、
  あの子の心をいまだ縛っているのかもしれない。
  たとえ、表面上、朗らかに微笑んで、楽しそうにしていたとしてもね」
 「……それは」
 「僕はあの子のことをよく知らないし、専門家でもないからね。
  具体的なことは分からないが、ただ、過去の経験から言えるのは、
  今の乃亜ちゃんはトラウマに起因した、心の抑圧があるのかもしれない、ということだよ」

心の抑圧。
どこか疲れたような見える様子、時折見せる不安、戸惑い。
過度に感じているように見えるプレッシャーや責任感。
それも、トラウマに起因していると言えるのだろうか。

 「……自身のヴァイオリンの腕に、
  不安を感じているように見えるのも、それがあると思うか?」
 「否定はしないね。
  過度な暴力やDV、モラハラなどによって、
  自身の尊厳を著しく損なわれたことがある人は、
  自己評価や自己肯定感がひどく低くなるものさ。
  乃亜ちゃんの場合、特に小さい頃にそれと似たような経験をしている。
  もしかしたら、自分が何故評価されているのかも理解してないのかもしれないよ」
 「……あれだけの称賛を浴び、賞まで得るようなことになっているのにか?」
 「もちろん、そういったことは大切なことだけどね。
  ただあくまでよく知りもしない他人からの評価だ。
  自己評価の低い人は、他者から受けた評価と、自分が考えている自分の評価とに大きな差があると
  ひどく不安がって戸惑いを見せることもあるようだ。
  もし、ヴァイオリンで受けた評価を受け入れられていない様子が見れるなら、
  そういったことも原因としてあるんじゃないかな」

ひどく説得力のある話だった。
乃亜は自己評価が低い、と静からもよく聞いている。
いくら言っても、どこか他人事のように、戸惑って苦笑いを浮かべるばかりだと。
ここに来てからもそうだ。
周囲がどれだけ称賛しても、戸惑いを見せたような笑顔を浮かべるだけ。
唯一、そうでないのは、ヴァイオリンを弾いているその時くらいか。

 「まぁなんにせよ、少しくらい羽を伸ばさせてあげてもいいと思うよ。
  それが難しいなら、お前がちゃんと寄り添ってあげなさい。
  この異国の地で、乃亜ちゃんが心から頼れるのはお前だけなんだから」
 「ああ……分かっている」

言われずとも、彼女の心に寄り添うことは自分にしかできない。
煉矢は強くそれを意識しなおした。
一番、乃亜が頼りにしているのは兄だろうが、
そんな彼に簡単に頼ることはできないのが今の状況だ。
それを作ったのは自分なのだし、もとよりそのつもりだった。

ふとした時に思い出すのは、あの寒い冬の日に、
寒さに凍えた真っ赤な顔で、こちらを見上げてきた幼い姿だ。

   " あかいおにいちゃん……? "

震える声でつぶやき、自分にしがみついてきたあの子は、
心も体もボロボロで、ただ恐怖に染まり、助けを求めて走った。
本当にあの時、あの手を離さなくてよかったと何度も思う。

けれど、あの時負った傷が、実はまだ心の深い部分にくすぶっているのであれば。

その時、ふと耳になにかが聞こえた。
それは父も同じだったのか、顔を上げる。

部屋の扉をごく静かに開けると、隙間から心地よいヴァイオリンの音が聞こえた。
二階のリビングで乃亜が奏でているその曲は、
どこかで聞いたことがあるような、優しく穏やかな旋律だった。

 「部屋の戸は閉めないでおいてくれ。
  ……疲れが癒される、いい音色だね」

父は朗らかに笑い、音色に耳を傾けるように目を閉じた。
煉矢は頷き、部屋を出るが、ドアを閉めずに薄く開いたままにした。

階段の下でその音色を聞く。
下手に階段を上がる音で、演奏を妨げたくはなかった。

ヴァイオリンを奏でているときだけ、乃亜は堂々とした姿を見せる。
心の抑圧、と父は言った。
演奏中にはそういった様子は見て取れない。
ヴァイオリンを奏でることは、彼女の心が解放されているときなのかもしれない。
であれば、この音色、堂々たる姿、周囲の人々を引き込むような演奏こそが、
彼女の本質なのかもしれない。

それを閉じ込めているのは、過去の経験、過去に受けた様々、心の傷、トラウマ。
今すぐどうにかなるものではないだろう。
けれど少なくとも、ここにいるときは、それがぶり返すようなことにはならないようにしたい。
そのためなら、どんなことでもしよう。
煉矢は心の中で、強くそれを決意していた。


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