38 / 84
9 やる気をなくして寝てばかり計画 ①
しおりを挟む
9 やる気をなくして寝てばかり計画
①次の日、学校に行くと、写真部の文也と転校生の流星が机の上の写真を見て喜んでいた。近くに行こうとすると妨害されて近寄れないので、頭の後頭部が痛くなるけど、連続前転をして二人に体当たりした。予定通り、机を倒し、落ちた写真を見た。
「ぇええええ~、この写真、どうしたの?どうするのよ!」
エスポワールプチットの脱いでいる写真と美少女仮面エスポワールが脱いで海を温泉だと思って気持ち良く入っている写真だった。一番最初の写真はなかったが、その後の写真を二人が持っていたのだ。
「これを、雑誌社に投稿して写真部の部費にするんだよ」
「これって、パソコンでも作れるから信じないよ」
「信じなくても、俺たちは本物って分かっているから、出すんだ!」
「これって、盗撮、犯罪よ!」
「ねえ、美少女仮面エスポワールが裁判をすると思う、正体を知られたくないから、顔を隠しているんだよ」
「ダメ! 絶対に破り捨てるんだからね!」
希望は、ビリビリと破いた。
「大丈夫だよ、今度はデジタルでデータが家のパソコンに入っているから、何枚でも作れるさ」
「お願い! やめて、この通り、お願いします、雑誌社とか、他の人に見せないで!」
文也と流星が、こそこそと話し合って笑顔で希望を見た。
「無理なことは言わないからさ、俺たちの言うことを聞いてくれたらいいよ」
「えっ? それって、何をすればいいの?」
「それは、後で言うから」
希望は、いざとなれば、美少女仮面エスポワールに変身して魔法で解決できるので、承諾した。
「いいわ、言うことを聞いてあげるから、約束を守ってよね」
「おお~急に上目線になったね、分かった、自分で言ったんだから約束を忘れるなよ」
希望は、取りあえず危機は去ったので家に帰った。
家への帰り道、いつもの公園の中を通った。いつも草刈りをしているおじいさんがベンチで寝ていた。
「おじいさん、気分でも悪いんですか、今日は草刈りお休みですか?」
「めんどうくさい、草刈りなんて、やってらんねえよ~」
「そうですか、毎日、お疲れ様です、今日は、休んでくださいね」
希望が通る時は、毎日、少しずつ、鎌を持って手ぬぐいで汗を拭きながら公園の雑草を刈ってきれいにしていた。今日は、疲れたのだろうか。
道路に出て進むと工事箇所の交通整理の人が座り込んでいて車が右往左往している。
「あの、交通整理しないと、左右から車が入って動けない状態ですよ」
「交通整理、右見て、左見て、面倒なんだよ、俺、寝てるから」
「ここ、草はありますが、道路ですよ、それより、この状態を何とかしないと・・・」
急いでいるドライバー同士でケンカが起きている。どちらが下がるのかで言い争っていて、しまいには殴り合っていた。警察も来たが、どちらを下げるかで手間取っていた。
希望は、家の影に隠れて十字架を上にかざし、変身した。
「みんなの夢守るため戦いましょう、美少女仮面エスポワール参上!」
希望が変身して現れても、だれも注目してくれなかった。ここに悪はいない、だから、戦士は必要とされていないのだ。それよりも、自分の車を通したい欲望でいっぱいだった。
「美少女仮面エスポワール、ここに悪魔や魔人、悪人はいねえよ、よそに行ってやってくれ!」
「悪人は、あなたがたですわ、自分のことばかり考えて相手への思いやりが足りません、とにかく、全員、車に乗って動かないでくださいませ!」
バトンを持って自らの筋肉に魔法をかけた。そして、車を1台ずつ持ち上げて、その車の進む方向に持ち運んだ。
「パパ、遊園地の乗り物に乗っているみたい、すご~い」
車に乗っていた子ども達は喜んだ。一方、車を左右に運んでいる美少女仮面エスポワールの白いワンピースの下にはいている白いふりふりの白いアンダースコートを覗き込んで見ていた大人も喜んだ。
全部の車を運び終えた美少女仮面エスポワールは、警察にまかせて、最初の公園に戻った。街の人々がやる気をなくして寝てしまっている人が多いのだ。何かデビルや子ども博士、その他が関わっているのかも知れない。
公園に怪人がいた。人間に口から何かを拭きかけて、それまで動いていた人が、近くの場所で寝てしまっている。
「みんなの夢守るため戦いましょう、美少女仮面エスポワール参上!」
美少女仮面エスポワールは、バトンを持って構えた。
①次の日、学校に行くと、写真部の文也と転校生の流星が机の上の写真を見て喜んでいた。近くに行こうとすると妨害されて近寄れないので、頭の後頭部が痛くなるけど、連続前転をして二人に体当たりした。予定通り、机を倒し、落ちた写真を見た。
「ぇええええ~、この写真、どうしたの?どうするのよ!」
エスポワールプチットの脱いでいる写真と美少女仮面エスポワールが脱いで海を温泉だと思って気持ち良く入っている写真だった。一番最初の写真はなかったが、その後の写真を二人が持っていたのだ。
「これを、雑誌社に投稿して写真部の部費にするんだよ」
「これって、パソコンでも作れるから信じないよ」
「信じなくても、俺たちは本物って分かっているから、出すんだ!」
「これって、盗撮、犯罪よ!」
「ねえ、美少女仮面エスポワールが裁判をすると思う、正体を知られたくないから、顔を隠しているんだよ」
「ダメ! 絶対に破り捨てるんだからね!」
希望は、ビリビリと破いた。
「大丈夫だよ、今度はデジタルでデータが家のパソコンに入っているから、何枚でも作れるさ」
「お願い! やめて、この通り、お願いします、雑誌社とか、他の人に見せないで!」
文也と流星が、こそこそと話し合って笑顔で希望を見た。
「無理なことは言わないからさ、俺たちの言うことを聞いてくれたらいいよ」
「えっ? それって、何をすればいいの?」
「それは、後で言うから」
希望は、いざとなれば、美少女仮面エスポワールに変身して魔法で解決できるので、承諾した。
「いいわ、言うことを聞いてあげるから、約束を守ってよね」
「おお~急に上目線になったね、分かった、自分で言ったんだから約束を忘れるなよ」
希望は、取りあえず危機は去ったので家に帰った。
家への帰り道、いつもの公園の中を通った。いつも草刈りをしているおじいさんがベンチで寝ていた。
「おじいさん、気分でも悪いんですか、今日は草刈りお休みですか?」
「めんどうくさい、草刈りなんて、やってらんねえよ~」
「そうですか、毎日、お疲れ様です、今日は、休んでくださいね」
希望が通る時は、毎日、少しずつ、鎌を持って手ぬぐいで汗を拭きながら公園の雑草を刈ってきれいにしていた。今日は、疲れたのだろうか。
道路に出て進むと工事箇所の交通整理の人が座り込んでいて車が右往左往している。
「あの、交通整理しないと、左右から車が入って動けない状態ですよ」
「交通整理、右見て、左見て、面倒なんだよ、俺、寝てるから」
「ここ、草はありますが、道路ですよ、それより、この状態を何とかしないと・・・」
急いでいるドライバー同士でケンカが起きている。どちらが下がるのかで言い争っていて、しまいには殴り合っていた。警察も来たが、どちらを下げるかで手間取っていた。
希望は、家の影に隠れて十字架を上にかざし、変身した。
「みんなの夢守るため戦いましょう、美少女仮面エスポワール参上!」
希望が変身して現れても、だれも注目してくれなかった。ここに悪はいない、だから、戦士は必要とされていないのだ。それよりも、自分の車を通したい欲望でいっぱいだった。
「美少女仮面エスポワール、ここに悪魔や魔人、悪人はいねえよ、よそに行ってやってくれ!」
「悪人は、あなたがたですわ、自分のことばかり考えて相手への思いやりが足りません、とにかく、全員、車に乗って動かないでくださいませ!」
バトンを持って自らの筋肉に魔法をかけた。そして、車を1台ずつ持ち上げて、その車の進む方向に持ち運んだ。
「パパ、遊園地の乗り物に乗っているみたい、すご~い」
車に乗っていた子ども達は喜んだ。一方、車を左右に運んでいる美少女仮面エスポワールの白いワンピースの下にはいている白いふりふりの白いアンダースコートを覗き込んで見ていた大人も喜んだ。
全部の車を運び終えた美少女仮面エスポワールは、警察にまかせて、最初の公園に戻った。街の人々がやる気をなくして寝てしまっている人が多いのだ。何かデビルや子ども博士、その他が関わっているのかも知れない。
公園に怪人がいた。人間に口から何かを拭きかけて、それまで動いていた人が、近くの場所で寝てしまっている。
「みんなの夢守るため戦いましょう、美少女仮面エスポワール参上!」
美少女仮面エスポワールは、バトンを持って構えた。
0
あなたにおすすめの小説
ノースキャンプの見張り台
こいちろう
児童書・童話
時代劇で見かけるような、古めかしい木づくりの橋。それを渡ると、向こう岸にノースキャンプがある。アーミーグリーンの北門と、その傍の監視塔。まるで映画村のセットだ。
進駐軍のキャンプ跡。周りを鉄さびた有刺鉄線に囲まれた、まるで要塞みたいな町だった。進駐軍が去ってからは住宅地になって、たくさんの子どもが暮らしていた。
赤茶色にさび付いた監視塔。その下に広がる広っぱは、子どもたちの最高の遊び場だ。見張っているのか、見守っているのか、鉄塔の、あのてっぺんから、いつも誰かに見られているんじゃないか?ユーイチはいつもそんな風に感じていた。
「いっすん坊」てなんなんだ
こいちろう
児童書・童話
ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。
自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・
たったひとつの願いごと
りおん雑貨店
絵本
銀河のはてで、世界を見守っている少年がおりました。
その少年が幸せにならないと、世界は冬のままでした。
少年たちのことが大好きないきものたちの、たったひとつの願いごと。
それは…
運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)
アホの子と変な召使いと、その怖い親父たち
板倉恭司
児童書・童話
森の中で両親と暮らす天然少女ロミナと、極悪な魔術師に仕える召使いの少年ジュリアン。城塞都市バーレンで、ふたりは偶然に出会い惹かれ合う。しかし、ふたりには重大な秘密があった──
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
勇者と聖女の息子 アレン ランダムスキルを手に入れて愉快に冒険します!
月神世一
児童書・童話
伝説のS級冒険者である父と、聖女と謳われた母。
英雄の血を引く少年アレンは、誰もがその輝かしい未来を期待するサラブレッドだった。
しかし、13歳の彼が神から授かったユニークスキルは――【ランダムボックス】。
期待に胸を膨らませ、初めてスキルを発動した彼の手の中に現れたのは…プラスチック製のアヒルの玩具? くしゃくしゃの新聞紙? そして、切れたボタン電池…!?
「なんだこのスキルは…!?」
周りからは落胆と失笑、自身は絶望の淵に。
一見、ただのガラクタしか出さないハズレスキル。だが、そのガラクタに刻まれた「MADE IN CHINA」の文字に、英雄である父だけが気づき、一人冷や汗を流していた…。
最弱スキルと最強の血筋を持つ少年の、運命が揺らぐ波乱の冒険が、今、始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる