美少女仮面とその愉快な仲間たち(一般作)

ヒロイン小説研究所

文字の大きさ
56 / 84

しおりを挟む
⑤ 美少女仮面エスポワールプチットは、意識が朦朧としていた。今、なぜ人形なの、どこにいるの、あれっ、わたくしは、だれ・・。
「美少女仮面エスポワールプチット、お風呂の時間だよ」
 ガラスケースを開けた人物を見て思い出した。
「おバカ子ども博士?」
 子ども博士は笑顔で優しく美少女仮面エスポワールプチットを手に持ってさすった。
「どうしたの、怖い顔をしてさ」
 美少女仮面エスポワールプチットは、人形の手足を暴れさせて抵抗した。
「わたくしが、なぜ、おバカ子ども博士とお風呂へ、絶対に入りませんわ」
「えっ、忘れちゃったの? いつも二人で入っているのに、ほら、冗談はこのぐらいにして、お風呂へ行くよ、ぼくのかわいいペットちゃん」
「えっ・・」
 意識朦朧の中で、二人でいつもお風呂に入っているはずないのに、子ども博士は本当におバカになったのだろうかと考えていると、風呂場に着いた。
「いやいやいやいやですわ、男の子ども博士とお風呂なんて、考えただけでも、絶対に・・あれっ」
 子ども博士は美少女仮面エスポワールプチットの言葉を無視して鼻歌を歌いながら裸になっていく。
「な、なんで、おバカバカバカ~子ども博士、レディーの前で、あっ、そんなウインナー見せないでほしいですわ、ぃや~私の前でウインナーを振らないでください・・」 
 子ども博士は、美少女仮面エスポワールプチットに優しく話しかける。
「どうしたの、今日は? いつも裸で二人で遊んでいるんじゃないか、ほら、湯船に入るよ」
 子ども博士は、人形になっている美少女仮面エスポワールプチットを持って湯の中に入れようとして止めた。
「おバカな子ども博士と裸でお風呂に入ったことはありませんわ!」
 湯をパシャパシャと美少女仮面エスポワールプチットに楽しそうにかけて話した。
「いつも、美少女仮面エスポワールプチットも裸になってるだろう、じゃあ、裸にしたら信じてもらえるかな」
 美少女仮面エスポワールプチットは、濡れた体で睨みつける。
「美少女仮面エスポワールプチットの聖なるコスチュームは、だれも脱がせませんわ!」
 子ども博士は、美少女仮面エスポワールプチットを目の前に持ってきて話した。
「昨日も二人で楽しく入ったのに、忘れたの? じゃあ、脱がしてあげるよ」 笑顔で美少女仮面エスポワールプチットに話しかけた。美少女仮面エスポワールプチットのコスチュームはどんなに強い力でも聖なるコスチュームは脱がされないようになっているのだ。だから、美少女仮面エスポワールプチットは安心している。
 子ども博士が、美少女仮面エスポワールプチットに大きな声で言った。
「トランスフォーメーション、キャンセレイション!」
 美少女仮面エスポワールプチットは、目を大きく開けて動きが静止した。
「ぁわわわっ、なぜ・・それを・・・ぁ~ぁ~えっ!」
 子ども博士は、美少女仮面エスポワールプチットのマントを引き抜いて目の前でヒラヒラ見せた。
「ほら、いつも二人、裸で入っているから、わかるんだよ、僕のペット、いや、下僕の美少女仮面エスポワールプチット!」
 美少女仮面エスポワールプチットは、脱がされる恥ずかしさをおもい、首を大きく振って子ども博士の握っている手から逃げて泳ぎだした。しかし、小さな人形になってしまった美少女仮面エスポワールプチットはすぐに子ども博士に捕まってしまった。
「逃げる美少女仮面エスポワールプチットを無理やり捕まえて裸にするのも楽しいな、じゃあ、今度は、頭の羽根の付いたベレー帽みたいな、これ!」
 子ども博士が荒っぽく摘まみ上げて引っ張った。子ども博士に美少女仮面エスポワールプチットの帽子を取られた。すると、頭で結ばれていた髪の毛がくるっと回転して、バサッとロングの髪の毛が腰あたりまで垂れている。
「美少女仮面エスポワールプチット、髪の毛が長かったんだ、じゃあ、こんな遊びもできるな!」
 背泳ぎのようなかっこうで美少女仮面エスポワールプチットのロングの髪の毛を掴んで引っ張り、エスの字に逆さまに泳がせた。
「わたくしの髪の毛で遊ぶのは許しません、す、すぐに、きゃぁっ~、ぃやっ、や、やめっ、やめるのです、目が回りますわ、頭が変になるぅぅぅ~~・・」
 子ども博士は、美少女仮面エスポワールプチットの髪の毛を持って円を描くようにくるくる回したのだ。
「さて、次は何を脱がそうかな、僕のペットちゃん、いや下僕の美少女仮面エスポワールプチット!」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ノースキャンプの見張り台

こいちろう
児童書・童話
 時代劇で見かけるような、古めかしい木づくりの橋。それを渡ると、向こう岸にノースキャンプがある。アーミーグリーンの北門と、その傍の監視塔。まるで映画村のセットだ。 進駐軍のキャンプ跡。周りを鉄さびた有刺鉄線に囲まれた、まるで要塞みたいな町だった。進駐軍が去ってからは住宅地になって、たくさんの子どもが暮らしていた。  赤茶色にさび付いた監視塔。その下に広がる広っぱは、子どもたちの最高の遊び場だ。見張っているのか、見守っているのか、鉄塔の、あのてっぺんから、いつも誰かに見られているんじゃないか?ユーイチはいつもそんな風に感じていた。

「いっすん坊」てなんなんだ

こいちろう
児童書・童話
 ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。  自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・           

童話短編集

木野もくば
児童書・童話
一話完結の物語をまとめています。

たったひとつの願いごと

りおん雑貨店
絵本
銀河のはてで、世界を見守っている少年がおりました。 その少年が幸せにならないと、世界は冬のままでした。 少年たちのことが大好きないきものたちの、たったひとつの願いごと。 それは…

運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)

アホの子と変な召使いと、その怖い親父たち

板倉恭司
児童書・童話
 森の中で両親と暮らす天然少女ロミナと、極悪な魔術師に仕える召使いの少年ジュリアン。城塞都市バーレンで、ふたりは偶然に出会い惹かれ合う。しかし、ふたりには重大な秘密があった──

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

勇者と聖女の息子 アレン ランダムスキルを手に入れて愉快に冒険します!

月神世一
児童書・童話
伝説のS級冒険者である父と、聖女と謳われた母。 英雄の血を引く少年アレンは、誰もがその輝かしい未来を期待するサラブレッドだった。 しかし、13歳の彼が神から授かったユニークスキルは――【ランダムボックス】。 期待に胸を膨らませ、初めてスキルを発動した彼の手の中に現れたのは…プラスチック製のアヒルの玩具? くしゃくしゃの新聞紙? そして、切れたボタン電池…!? 「なんだこのスキルは…!?」 周りからは落胆と失笑、自身は絶望の淵に。 一見、ただのガラクタしか出さないハズレスキル。だが、そのガラクタに刻まれた「MADE IN CHINA」の文字に、英雄である父だけが気づき、一人冷や汗を流していた…。 最弱スキルと最強の血筋を持つ少年の、運命が揺らぐ波乱の冒険が、今、始まる!

処理中です...