10 / 211
第10話 魔導師への願い ★カミル SIDE
しおりを挟む
コンコンと、とある部屋の扉を叩く。中から出て来たのは短髪赤毛で長身の男で、この執務室の主だ。僕のいきなりの訪問に驚いた様子を見せた。
「カミル殿下、どの様な御用件でしょうか?お急ぎですか」
「いや、そこまで急いではいないのだが……防音は大丈夫だよね?」
魔道師団団長であるデュークの執務室は、国の重要機密事項もあるので強固な物理攻撃と魔法攻撃に耐えうる結界、そして防音結界が最初からの張ってあるのだ。
「えぇ、防音も問題ありません。それで、何かありましたか」
「いや、僕の婚約者であるリオの事で頼みがあるんだ」
デュークは眉を寄せ、聞きたくないと顔に書いてあるのは直ぐに気づいたが、気づかないふりをしてどんどん話を進める。
「我が婚約者は魔力量が少なくてね。それでも国や僕のために努力しようとしてくれているんだ。大気中の魔力を集める練習をしたいらしいから、時間がある時に手伝ってあげてもらいたいんだ」
「殿下……大気魔力を扱うには、並大抵の努力では……ご存知でしょう?」
「あぁ、勿論理解している。だが、本人もやる気だし、現時点では魔力量を少しでも増やさないと……後々、貴族達に何を言われるか分からないしね。それに彼女のスキルは見えてる物が2つ、隠れスキルが少なく見積もって3つあるようなんだ」
デュークが驚愕の表情でズイッと一歩前に出た。
「隠れスキルが3つもですか!?もしかしたら加護をお持ちで?」
「デューク、近い!……そうだ。彼女の世界の母国語で、我々には分からないようにしてあったのだが、どうやら精霊と女神の加護を持ってるようなんだ」
「なるほど……しかし、それらのスキルが使えるようになる前に、スタンピードは起こるのではないでしょうか?私や殿下ですら、大気魔力を扱えるまでに数年掛かりましたよね?」
僕もデュークも魔力量は多い方だったからそこまで最初から真剣にやらなかったのもあるけど、難しい事には変わりないか。中級辺りで躓いて、真剣に練習するようになったと記憶しているし。
「それは分からない。間に合うかも知れないし、間に合わなかったとしても、魔法をある程度使えるなら彼女は役に立ってくれるよ。全属性持ちだからね」
「!!!!!」
目を大きく見開いて、デュークが固まる。夕食まであまり時間が無いから早く話を進めたいのだが。
「デューク、頼まれてくれるかい?」
「そうですね……明日から3日間、1日3時間なら。その様子を見させて貰ってから、再度考えてもよろしいでしょうか?」
「それで構わない。リオは魔法理論と初級魔法の本を熱心に読んでいたから、その程度の知識はあると思って構わない」
「分かりました。では、明日の昼食後に殿下の執務室にお迎えに上がります」
「あぁ、頼んだよ。それとリオの実力は隠したいから、練習内容や進捗具合なども含めて全て、内密にね」
「御意」
何となく納得していない表情であったが、リオの性格や根性を知らないから仕方ない。それにデュークは信頼出来る人間の1人だ。
リオの味方を少しずつ増やすためにも、デュークの協力は必要不可欠だからね。明日になれば、リオの能力もある程度分かるだろう。明日のデュークの反応が楽しみだな。
「カミル殿下、どの様な御用件でしょうか?お急ぎですか」
「いや、そこまで急いではいないのだが……防音は大丈夫だよね?」
魔道師団団長であるデュークの執務室は、国の重要機密事項もあるので強固な物理攻撃と魔法攻撃に耐えうる結界、そして防音結界が最初からの張ってあるのだ。
「えぇ、防音も問題ありません。それで、何かありましたか」
「いや、僕の婚約者であるリオの事で頼みがあるんだ」
デュークは眉を寄せ、聞きたくないと顔に書いてあるのは直ぐに気づいたが、気づかないふりをしてどんどん話を進める。
「我が婚約者は魔力量が少なくてね。それでも国や僕のために努力しようとしてくれているんだ。大気中の魔力を集める練習をしたいらしいから、時間がある時に手伝ってあげてもらいたいんだ」
「殿下……大気魔力を扱うには、並大抵の努力では……ご存知でしょう?」
「あぁ、勿論理解している。だが、本人もやる気だし、現時点では魔力量を少しでも増やさないと……後々、貴族達に何を言われるか分からないしね。それに彼女のスキルは見えてる物が2つ、隠れスキルが少なく見積もって3つあるようなんだ」
デュークが驚愕の表情でズイッと一歩前に出た。
「隠れスキルが3つもですか!?もしかしたら加護をお持ちで?」
「デューク、近い!……そうだ。彼女の世界の母国語で、我々には分からないようにしてあったのだが、どうやら精霊と女神の加護を持ってるようなんだ」
「なるほど……しかし、それらのスキルが使えるようになる前に、スタンピードは起こるのではないでしょうか?私や殿下ですら、大気魔力を扱えるまでに数年掛かりましたよね?」
僕もデュークも魔力量は多い方だったからそこまで最初から真剣にやらなかったのもあるけど、難しい事には変わりないか。中級辺りで躓いて、真剣に練習するようになったと記憶しているし。
「それは分からない。間に合うかも知れないし、間に合わなかったとしても、魔法をある程度使えるなら彼女は役に立ってくれるよ。全属性持ちだからね」
「!!!!!」
目を大きく見開いて、デュークが固まる。夕食まであまり時間が無いから早く話を進めたいのだが。
「デューク、頼まれてくれるかい?」
「そうですね……明日から3日間、1日3時間なら。その様子を見させて貰ってから、再度考えてもよろしいでしょうか?」
「それで構わない。リオは魔法理論と初級魔法の本を熱心に読んでいたから、その程度の知識はあると思って構わない」
「分かりました。では、明日の昼食後に殿下の執務室にお迎えに上がります」
「あぁ、頼んだよ。それとリオの実力は隠したいから、練習内容や進捗具合なども含めて全て、内密にね」
「御意」
何となく納得していない表情であったが、リオの性格や根性を知らないから仕方ない。それにデュークは信頼出来る人間の1人だ。
リオの味方を少しずつ増やすためにも、デュークの協力は必要不可欠だからね。明日になれば、リオの能力もある程度分かるだろう。明日のデュークの反応が楽しみだな。
70
あなたにおすすめの小説
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~
灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」
魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。
彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。
遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。
歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか?
己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。
そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。
そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。
例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。
過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る!
異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕!
――なろう・カクヨムでも連載中――
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
憧れの召喚士になれました!! ~でも、なんか違うような~
志位斗 茂家波
ファンタジー
小さい時から、様々な召喚獣を扱う召喚士というものに、憧れてはいた。
そして、遂になれるかどうかという試験で召喚獣を手に入れたは良い物の‥‥‥なんじゃこりゃ!?
個人的にはドラゴンとか、そう言ったカッコイイ系を望んでいたのにどうしてこうなった!?
これは、憧れの召喚士になれたのは良いのだが、呼び出した者たちが色々とやらかし、思わぬことへ巻き添えにされまくる、哀れな者の物語でもある…‥‥
小説家になろうでも掲載しております。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?
嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】
ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。
見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。
大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!
神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。
「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」
【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!
こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」
主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。
しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。
「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」
さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。
そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)
かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる