【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜

月城 蓮桜音

文字の大きさ
17 / 211

第17話 魔力の差 ★デューク SIDE

しおりを挟む
 まさかの展開だな……カミル殿下がリオ殿の腰を抱いて練習場に現れたのだ。昨日までの2人の距離感が友人だとすれば、今日は浮かれた恋人だろう。

 昨晩報告を受けた『純白の魔力』が関係してるのか?それともあれか?手を取り合って魔力循環したから距離が近づいたとか?全く触れ合って来なかった反動から爆発したのだろうか?もしかしたら殿下がムッツリだっただけとか……

 心の中で失礼な事を呟きつつも、どうしていいか分からず、とりあえず見て見ぬフリをする事にした。

「カミル殿下、リオ殿、お待ちしておりました」

「デューク様、こんにちは。今日もよろしくお願いします」

「デューク、よろしく頼むよ」

 殿下がリオ殿の腰に手を回してる事以外、何も変わらない対応に、何故だかドギマギする。触れた方が良い内容なのか?そもそも触れて良い内容なのか?分からん……上級魔法の練習が先だよな?うむ、このままスルーしよう。私は何も見なかった!

 気持ちの整理が出来たところで、姿を見えなくする水の上級魔法を殿下が張り終えた。

「では、今日は中級のおさらいをしてから上級を使って見ようか?」

「あぁ、その事なんだが……デューク、僕とリオが同時に中級魔法を放つから、威力を見てくれないか?」

「ん?何か気になるのか?」

「あぁ、王族の魔力は貴族より威力が高いだろう?王族の僕に『魔力譲渡』が出来るリオの魔力の威力が気になるんだ」

「ふむ、確かに気になるな。知っておいた方が良さそうだし、正確に知るためにも威力測定器を使うか?」

「いや、証拠が残るのは不都合だ。デュークなら大体分かるだろう?多少の誤差は問題ない。威力が近いかを知りたいだけだからな」

「ふむ、貴族と王族の威力の差は見れば分かるからな。リオ殿の威力がどちら寄りかで判断するか」

 殿下とリオ殿が的に向かって手を伸ばす。

「先ずは水、そして火、最後が風で。私が「水」と言ったら3秒後に放ってください」

 2人ともコクンと頷く。

「水」

 リオ殿の伸ばした手の先に薄い青色の魔力が集まり、きっちり3秒後に放たれた。殿下も「中級、水」と唱える。殿下は魔法の名称を覚えるのが面倒だと、幼い頃から等級と属性を唱える事でイメージを作っているのだ。

 ほぼ同時に放たれた水魔法は比べるまでも無かった。たった1発で確認できるレベルだ。

「デューク……」

「殿下……見比べると一目瞭然だな……」

 唖然と的を見つめながら会話する。スピードも威力もリオ殿の方が段違いで強いのだ。

「中級を使えるか、使えないかで見ていたから気がつかなかったのだろうが……」

「ポンポンと連続で放ってたしね。驚く事が多過ぎて、そちらに気を取られたのもあるかな。それにしても、ここまで差があるとは思わなかったよ」

 苦笑いする殿下に同意して頷く。デュルギス王国の王族の魔力は他国と比べるまでもなく強い。だからこそ、隣国の姫がデュルギス王国の王子達にこぞって求婚しに来ていた。強い魔力の血を取り入れたいのだろう。

 まぁ、魔物の大量発生がデュルギス王国で起こると予言されてからはそれも落ち着いているが。

 圧倒的な差を見せつけられた私と殿下の会話を困った顔で見ているリオ殿は、いつもの事だと自己完結したようだ。

 殿下の方をチラチラと見て落ち着きがない。上級魔法を使いたくてうずうずしているのだろう。それに気付いた殿下が促す。

「リオ、上級を全属性放てるか確認してみてごらん」

 殿下の言葉にパァっと笑顔になると、スッと目を細め、的を見つめる。相変わらず集中するまでが早い。手を伸ばしたタイミングで上級水魔法を放っていた。

「無詠唱である事には慣れたつもりだったが……大気魔力を集めるのにも時間掛かって無いよな?貴族どころか、魔導師達ですら、大気魔力を使っているとは直ぐに気づくまい……」

「ねぇ、デューク。アレ、上級魔法だよね?中級より早くないかい?」

「上級は元々、中級よりも威力が高いからだな。スピードも威力も申し分ない。魔法の発動も、更に早くなるだろうな」

「だね……3日目でコレだもんね。全て1発でクリアするとはねぇ……ほら、全属性試し終わって集中力MAXだから物凄い勢いで連射し始めたよ……」

 上級を打ち始めてから10分程度だろうか。残りの時間我々が出来る事は、殿下が水の上級魔法で姿を見せなくするぐらいで。周りの音すら既に聞こえていないだろう。
 
放つのは上級の攻撃魔法のみ。回復魔法もたまに発動させているが、部屋でも出来ると考えているのだろうな......

 ⭐︎⭐︎⭐︎

 あれから上級魔法を打ち込んで2時間経過。リオ殿は疲れを一切見せない。いや、疲れて無いのか。何度も休憩しないかと声を掛けたが反応が無い。魔法を発動するスピードも、初級魔法を放っているかのようだ……

「デューク、そろそろ終わらせようか」

「ここまで集中されると話し掛けるタイミングが難しいんだよな……」

「んー、確かにそうだね。先に今後の予定を立てようか。上級魔法までクリアしたが、超級や特級までやらせるのは控えようと思う。一旦は座学で応用を学ぶのも良いだろうし」

「私も少し魔法から離れた方が良いと思う。超級は回復魔法ぐらいなら目立たないが、攻撃魔法は使えたとしてもあの威力じゃ、練習場を破壊しそうだしな」

「あぁ、超級ですらポンポンと連射していそうだよね」

 2人して苦笑いし、チラリとリオ殿を伺う。

「明日からは応接室で?」

「いや、僕の執務室で。リオは学園に行かないから、下手にウロウロしてると目立つだろう?昼食を執務室で一緒にとると見せかけようかと」

「それが無難だろうな。リオ殿は穏やかに話すから、仕事の邪魔にはならないだろうし、今後は殿下の執務室が良さそうだ」

 翌日の予定も決めてから、リオ殿に声を掛かるも全く気がつかない。カミル殿下はわざとリオ殿の耳元で、「リオ、愛してるよ」と囁かれた。

 ピタッ!と魔法を撃つ手が止まって、耳まで真っ赤になったリオ殿が顔を両手で押さえたタイミングで、殿下がリオ殿の腰に手を回し、何か耳元で囁きながら帰って行く。

 とっても羨ましい!が、しかし、リオ殿の魔法にも興味がある。他人のイチャイチャを見ていても虚しいだけだからな。私は明日の座学の為の資料でも集めようと思う。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~

灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」 魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。 彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。 遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。 歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか? 己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。 そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。 そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。 例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。 過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る! 異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕! ――なろう・カクヨムでも連載中――

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

憧れの召喚士になれました!! ~でも、なんか違うような~

志位斗 茂家波
ファンタジー
小さい時から、様々な召喚獣を扱う召喚士というものに、憧れてはいた。 そして、遂になれるかどうかという試験で召喚獣を手に入れたは良い物の‥‥‥なんじゃこりゃ!? 個人的にはドラゴンとか、そう言ったカッコイイ系を望んでいたのにどうしてこうなった!? これは、憧れの召喚士になれたのは良いのだが、呼び出した者たちが色々とやらかし、思わぬことへ巻き添えにされまくる、哀れな者の物語でもある…‥‥ 小説家になろうでも掲載しております。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!

こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」  主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。  しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。 「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」  さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。  そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)  かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!

処理中です...