【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜

月城 蓮桜音

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第74話 婆やのお誘い ★リオ SIDE

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 『立太子の儀』まで5日を切り、城内は騒がしい日々が続いている。私は居ても邪魔になるので、カミルの執務を手伝うぐらいしかする事が無かった。

 賓客が城から去るまでは、私の王太子妃教育もお休みなので、朝からやる事が全く無いのだ。

「リオ、今日もありがとうね。お陰で準備に時間を使えるから助かるよ」

「本当に!この程度の忙しさで済んでいるのは奇跡です!リオ様、ありがとうございます!」

 キースまで大袈裟に感謝の言葉を述べてくれる。そんなに忙しいんだろうか。午前の早い時間に執務を終え、私はまた暇になる。練習場も賓客が居る間は使えなくしてあるので、本当にやる事が無い……

「リオ、婆やが君に会いたいって伝言があったよ」

「え?でも、今の時期に飛んで移動するのは不味く無い?」

 賓客達に出掛けてるのがバレて、奔放な婚約者だと思われるのは不味いのでは?と思ってしまう。
 
「リオなら隠密魔法も同時にかけれるでしょう?」

「まぁ、そうなんだけど……」

「ふふっ。大丈夫だよ、リオ。ついでにデュークも連れて行くかい?デュークの執務室に顔を出してくれる?」

 サラサラと紙にメモ書きをして渡される。

「これで分かるから、行っておいで?リオもたまには息抜きが必要でしょう?最近、暇過ぎるのに魔法も使えないからストレスが溜まってるんじゃない?」

「あー、うん……それは有難いんだけど、私だけ何もしてないんだから、遊びに行くのも……ねぇ?」

「リオ様は真面目ですねぇ。婆やが呼んでるのですよ?年功序列であれば、婆やと師匠が言う事は絶対です。さぁ、堂々といってらっしゃいませ?」

 クリスが戯けて言う。確かにその通りではあるのだろうけど……カミルを見上げると、コクンと頷いたので、渡された紙を持ってデュークの元へ向かう事に。

 ⭐︎⭐︎⭐︎

 護衛としてついて来たリューが、コンコンとデュークの執務室の扉をノックする。凄い勢いで扉が開いた。リューが少し慌てている。

「リオ殿!お待ちしておりました!キースからリオ殿が執務室へ訪れると、伝言魔道具に連絡があったのです」

 あぁ、なるほどと辺りを見回すと、爺やも居た。

「ごきげんよう、爺や、デューク。あ、デュークにこれを渡す様に言われたんだったわ」

 カミルが書いたメモ書きをデュークに渡す。デュークはメモを読み、にっこりと笑顔になった。

「えぇ、私でよろしければ、勿論お供致します。婆やの様子も見たかったですし、一緒に参りましょう」

「爺やはまだお仕事があるのかしら?」

「ワシはやるべきが残っておるからのぉ。今日は、デュークとリューを連れて行くと良い。婆さんが嬢ちゃんに会いたくてソワソワしとったからのぉ。よろしく頼んだぞ」

「えぇ、分かったわ。爺や、お仕事頑張ってね」

 爺やはニコニコ笑顔で手を振ってくれる。私も笑顔でデュークの執務室を後にした。

「リューは隠密魔法も飛行魔法も使えるな?」

「はい。大丈夫です」

「それでは、練習場の手前まで行ってから魔法をかけて出発しましょう」

「了解です」

 3人で魔法をかけ、婆やの家に向かう。

「リオ様……まさかリオ様も飛行魔法をここまで完璧に使えるとは……隠密魔法は練習場で使っておられたので知ってましたが」

「リュー、リオ殿は師匠のお墨付きだ。そこらの魔導師より……私より強いと思うぞ?」

「なんと……私やサイラスが護衛する意味はあるのでしょうか?」

「カミル殿下の婚約者様だからな。護衛は形だけでも必要だろう?それに、一度殿下を庇って寝込む程の怪我を負われたからな。だからこそ、精鋭と言われるお前達を護衛に選ばれたのだろう」

「なるほど……私も更に精進致します。主より弱いのはどうかと思いますので……」

「いや、リオ殿が異常なだけで、リューも充分強いと思うが?」

「私は何処に行っても異常なのね……」

 ポソッと呟くと、デュークとリューが慌ててフォローしようとワタワタしていた。

「い、いえ!強い事は良い事ですし!」

「そうですよ!私も強い主に仕えられて幸せです!」

「ふふっ、ありがとう。大丈夫よ。私はこちらの基準が未だによく分からないから、いつもカミル達を困らせてしまうのよね。やっぱり普通じゃ無いんだなーって思っただけよ」

「あぁ、それは仕方ないとは思いますが……」

「そうね、仕方ない事だと思うわ。だからね、周りを気にせずに、私の知識や経験を基に、私に出来る事……私にしか出来ない事を探してみようと思うの」

「それは素晴らしい考えかと思います!」

「だからね、その時は2人の事も振り回してしまうかも知れないけど、力になってくれるかしら?」

「「勿論です!!」」

「ふふっ、ありがとう。その時はよろしくね」

 隠密魔法をかけているから、2人の表情までハッキリとは分からないが、嬉しそうな気配を感じた。私に出来る事でカミル達の助けになれば、それが私の存在意義だと思える。

「さぁ、そろそろ着きますぞ!んん?あそこに居るのは婆やでは?」

「あら、本当ね。お出迎えしてくれるのかしら?嬉しいわね」

 婆やの前に降りる寸前に隠密魔法を解き、スタッと降り立った。婆やは嬉しそうに私を抱き締めてくれる。

「よく来てくれたわねぇ、リオちゃん。デュークちゃんもいらっしゃい。そちらは……影の子かしらぁ?」

「この度、陛下の命でリオ様の護衛としてお仕えさせていただく事になりました、リューと申します。どうぞお見知りおきください」

「えぇ、分かったわ。リオちゃんをよろしくねぇ。さぁ、リオちゃん!お茶の前にお散歩しましょう?ここから四阿ぐらいまでは無理無く歩けるのよ。四阿でお茶にしましょうねぇ」

「はい、婆や。デューク、エスコートをお願いして良いかしら?」

「あぁ、勿論です。さぁ、婆や。私に婆やをエスコートさせてください」

「デュークちゃんは相変わらず、でっかいからねぇ……エスコートされるより、デュークちゃんにぶら下がる方が早そうだけれど?」

 皆んなで笑いながら四阿に向かう。デュークは体を軽く傾け、婆やが捕まりやすい高さにしてあげていた。

「婆や……本当に、歩ける様になったんですね」

 デュークが少し声を震わせていた。自分の目で見るまでは信じられなかったのだろう。

「えぇ。そうなのよ、デュークちゃん。心配かけたわねぇ……」

「いえ!私は婆やのお元気そうな姿を見れればそれで良いのです。リオ殿は私にとっても恩人です。必ずやお役に立てる様……」

「デューク、逆に色々頼み難くなるからやめてよね?これまで通り、これからも何かしら無茶振りするから、私に振り回されてくれたら良いわ」

 ふふっと笑うと、デュークも婆やも目をパチクリしている。そしてドッと大きな声で笑い出した。

「あはははは!そうですな!どんどんこき使ってくだされ。リオ殿の突拍子も無いアイディアに、私は惚れ込んでいるのですからね」

「ふふふ、婆もリオちゃんの行動が楽しくて仕方ないわよぉ。これからも、婆達をどんどん巻き込んで構わないから、好きに色々やると良いわぁ」

 しんみりとしていた空気が一気に明るくなった。婆やもデュークも笑ってる方が良いものね。

「さぁ、四阿に着いたわね。今日はデュークちゃんも居るから沢山お菓子を用意したわよぉ。そちらの護衛のお嬢ちゃんも一緒に召し上がってね?」

「ありがとうございます。リオ様の後ろで頂きます」

「あらあら、律儀な子ねぇ。遠慮せずに沢山食べてね。リオちゃんは婆の隣に来てくれる?デュークちゃんは好きな所に座ってちょうだい」

 勝手知ったる婆やのお家なのだろう。デュークは迷う事なく私とは逆の婆やの隣に座ったのだった。
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