【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜

月城 蓮桜音

文字の大きさ
142 / 211

第142話 教会の地下で ★ソラ SIDE

しおりを挟む
 教会の地下は物凄い殺気の様な、よどんだ空気がまとわりついているようで気持ち悪いー。リラックスしたくても緊張をいられる感じだ。

「う~っ!これは一刻も早くここから退散したいところですが……」

 デュークが苦しそうに呻き声を上げたねー。恐らく元々魔力の感知能力が高いがゆえにオイラ達と同じ様に敏感なのだろうねー。

「デューク、防御膜を自分に沿わせて張ってみて?少しはマシになると思うわ。カミルは大丈夫?」

「うん、僕は平気だよ。一時期、スキル獲得の為に父上の『王の威圧』を散々浴びたからね。この殺気の様なものと威圧はとても似てるんだよ」

 カミルが苦笑いしながら答えている。これが殺気に似たものだと直ぐに分かるのは、さすが王子だねー。

「え?同じスキルなのに相殺そうさいされないの?あれ?スキル獲得?」

「そこに気がつくとは、さすがリオだね。一応、力の差が有り過ぎる場合も干渉は出来るんだけどね。まぁ、今回はまだ僕がスキルを得る前と言うか、スキルを得る為の洗礼を受けた時だから、普通に辛かったよ」

 なるほど、王族のスキルは発動したスキルを受ける事でコピー出来るタイプなんだねー。このタイプは痛かったり辛かったりする『試練タイプ』だからオイラはやりたく無いなぁ。ニンゲンの王子じゃ無くて良かったよー。

「王族だからと、全員が最初から『威圧スキル』を持ってる訳では無いのね」

「そうだね。王族で王に選ばれた人間は、必ず会得えとくしなければならないスキルなんだ。王になる条件の一つだね」

 リオはうんうんと頷きながらカミルの話しを聞いている。カミルも自分に興味を持って貰えて嬉しそうだ。

「リオも平気な様だのぉ?」

「そうね、私は何とも無いわ。元日本人だからかしら?ストレスや理不尽に強いからかも知れないわね。私の場合は、ただ単に鈍感なだけなのかも知れないけど。爺やも平気そうね?」

 皆忘れているみたいだけど、リオも『威圧スキル』を発動してたよね?解析してる時間が無いから仕方ないのだろうけど。先ずは目の前の脅威をどうにかしないとだねー。

「ワシも平気じゃのぉ。ギルは色々あって『王の威圧』を無理矢理覚醒させられてしまってな。その所為で人を殺せるレベルの殺気に近い『王の威圧』を抑えられなくてのぉ。そんな若い頃のギルと行動を共にしてきたから、カミルと一緒で慣れとる」

「「なるほど」」

 リオも同じく納得したらしい。ふふっと笑ってオイラを撫でてくれる。心配なのはデュークとシルビーだね。精霊は本来、殺気とは無縁な所で生きている。この殺気に似た状況の中に居るのは正直辛いんだよねー。勿論、王子であるオイラもだ。

「ソラとシルビーは特に辛いんじゃ無いの?私が防御膜を張っておくわね。辛かったら避難して良いんだから無理しないでね?」

 浮いているオイラとシルビーに防御膜が張られた。さすがと言うしか無いね。さっきの重苦しさがかなり軽減されたと感じる。ほんの少し気持ち悪いぐらいだ。

「わぁ~!リオ、ありがとう~!ボク、ちょっと辛かったんだけど、とっても楽になったよ~」

 かなり無理して我慢していたんだろうね、シルビーも同じ様に感じた様で歓喜の声を上げていた。

「えぇ?防御膜でそんなに変わりますか?私は辛いままなのですが……」

「私がやってみるから、デュークは防御膜を一旦、解除してくれるかしら?」

「はい」

 デュークが防御膜を解除した瞬間にリオが防御膜を素早く張ったのが見えた。

「うわっ!ええ――!?」

 デュークが固まっちゃったねー。恐らく、リオの『聖女』のスキルである『浄化』が作用した結界を作れているのだろう。リオが『ソラやシルビーが少しでも楽になると良いな』という『想い』をのせて防御膜を張ったからスキルが発動したのだろうねー。

「多分、『聖女』の浄化スキルが効いてるよ~」

「な、なるほど。私の魔法がおかしいのかと思ってしまいましたよ」

「デューク、魔法がおかしいのは勘違いでは無さそうじゃぞ。皆、気を抜くで無いぞ!」

 ぶわっ!と強い風が舞って、直ぐに落ち着いた。皆は不思議そうにキョロキョロと周りを見渡すが目には何も見えない。ジーさんとリオは魔力を感知した様だ。

「デューク!下がって伏せて!」

 デュークは転がる様にその場から下がって伏せた。デュークが居た場所には『狭間』の様な空間が現れたのだった。

「教会の地下では魔法は厳しいわね。でも、上に移動しては大事おおごとになるからそれは避けたいわ。んー、仕方ないわね。カミル、2人が戦える大きさの結界を張るから剣で戦いましょう。爺やとデュークはサポートね。ソラとシルビーは周りの空気の変化に気を付けてね。辛くなったら下がっていてね」

「「「「了解!」」」」

 狭間はすぐ目の前にある。普通のニンゲンなら恐怖で動けなくなるだろうねー。それを剣で倒すと断言し、皆への指示も早い。その行動によって、誰一人として不安になっていないねー。

 まぁ、あの『練習装置』の飛んで来るスピードと、これから魔物が湧くスピードなら、『練習装置』が早いだろうしねー。ついこの前に改良された『練習装置・改』は真後ろ以外からの攻撃もして来るもんねー。

「ふふっ、やっと実戦出来るね。王族ともなると、実戦なんてほぼ出来無いからね。練習した成果を知る、良い機会だ」

 カミルが楽しそうに剣を抜いた。日々の努力で更に自信がついたんだろうねー。王国の者達は、努力を惜しまないから好きだよ。手本となる『大聖女』と『王太子』のお陰だろうけどねー。

「ソラ、どれくらい出て来るか分かる?」

「今のところは20万匹ぐらいだと思うよ~」

「出て来るスピードによるけど、『狭間』を突けば2時間って所かしら?」

「リオ、魔物の湧くスピードは師匠に任せよう?僕達は目の前の魔物を斃す事に専念しよう」

「そうね、それが安全ね。爺や、頼めるかしら?」

「任せなさい」

 頼られて嬉しいジーさんは胸をドン!と叩いて請け負っている。女神に愛されるリオは、偏屈なジーさんにも溺愛されるんだから凄いよねー。

「全く出て来ないわね?爺や、少し突いてくれる?」

「そうじゃのぉ。数匹出て来ればと思っておったが、これでは進まんからの。どれ、少し突こうかのぉ」

 ジーさんが『氷矢アイスアロー』を『狭間』へ打ち込んだ。一気にバババッと勢いよく魔物が向かって来た。全てがリオに向かっているか?

「リオ!」

 カミルが心配そうに声を掛けるが、リオはサクサクと魔物を倒して行く。『練習装置』で例えるならば、初級から中級程度の難易度だからね。リオには余裕過ぎる。

「カミル、全く問題無いわ。私が『練習装置・改』の『最』をクリアしてるって知ってるでしょう?」

「うん、頭では分かってるんだけど、やっぱり心配なんだよ……」

「ふふっ、ありがとうカミル。ちゃんと気を付けて戦うわ。危ない時は助けてね」

「…………分かったよ」

 納得し切れないけど、リオのお願いだから仕方なくって感じで頷くカミルはニンゲンらしくて良いねー。やっぱり好きな人を自分が守りたいって気持ちは、ニンゲンも精霊も変わらないよねー。

「ソラ、残りはどれくらいか分かる?」

 そう言えば随分倒したみたいだねー。もうそこまで多くはない様だが、大きな気配が近づいて来てるか?リオは魔物退治に集中してるから、シルビーに念話もしとこうかなー。

「そうだね~、後2万匹って所かな~」

『シルビー、大きな気配に気付いている?』

『はっきりした位置までは分からないよ~』

『気付いてるなら良いよー。カミルにも伝えて、リオは集中してるから内緒で。デューク達にはオイラが念を飛ばすからー』

『了解』

『デューク、大きな気配に気付いてる?気付いて無ければバレない様に探しておいてー』

『ソラ殿、了解です』

『ジーさん、気配感知してるね?』

『勿論じゃ。リオも分かってるぞ?だから残数を聞いたのじゃろう。準備は出来ておるから安心せい』

『分かった。デュークには念話で伝えたよ』

『おぉ、手間が省けたわい。ありがとうな』

『あちらが動いたらオイラも容赦なく動くよ。リオは話し合いたいと言っているから、動かなければ何もしないからそのつもりで』

『そうかい、了解した。何か動けば指示してくれい』

 ジーさんに視線を向けて頷いた。ジーさんの表情は明るく、この状況を楽しんでいる様だ。

 さて、今回の目標は『話し合い』だよー。ニンゲンとも精霊とも言い切れない『コテツの子』がどう動くか。魔物をいくらはなっても、リオが相手では勝てる訳が無いと分かっているはずなのにねー?優しいリオの為にも、アイツの目的をしっかりと探らなきゃだねー。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~

灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」 魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。 彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。 遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。 歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか? 己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。 そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。 そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。 例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。 過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る! 異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕! ――なろう・カクヨムでも連載中――

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

憧れの召喚士になれました!! ~でも、なんか違うような~

志位斗 茂家波
ファンタジー
小さい時から、様々な召喚獣を扱う召喚士というものに、憧れてはいた。 そして、遂になれるかどうかという試験で召喚獣を手に入れたは良い物の‥‥‥なんじゃこりゃ!? 個人的にはドラゴンとか、そう言ったカッコイイ系を望んでいたのにどうしてこうなった!? これは、憧れの召喚士になれたのは良いのだが、呼び出した者たちが色々とやらかし、思わぬことへ巻き添えにされまくる、哀れな者の物語でもある…‥‥ 小説家になろうでも掲載しております。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!

こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」  主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。  しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。 「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」  さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。  そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)  かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!

処理中です...