【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜

月城 蓮桜音

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第169話 猫好きの反応 ★カミル SIDE

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 やっと侍女が決まり、その子に全てをゆだねる事になった。陛下の執務室で、今回選ばれた侍女のメルを交えて話しをする事になった。その他の集まったメンバーはいつも通り。陛下と宰相、リオと僕、ソラとシルビー、リオの護衛2人、見えていない影の長と師匠だ。

「さて、話し合いを進めよう。リオは王妃の治療が優先で頼むよ。呪術師達を集めるには少し時間が掛かるからな。招集する為に書状を送ったところだから、来週にはどれぐらい集まるか分かるぞ」

「かしこまりました。私は明日から彼女と共に、王妃様の治療に専念しますね」

「ねぇ、リオ。また隠密魔法で部屋まで向かうんだよね?侍女が扉を開けている時しか入れないと言うのは不便じゃ無い?」

 僕と陛下はあらかじめ内容や行動をどうするのか話し合っていたんだけど、陛下ですら月に1度しか入れないのだから、頻繁ひんぱんに訪れるのは侍女について行くとは言え難しいだろう。メルがしょっちゅう扉を開け閉めしてる光景は、かなり怪しく見えるだろうからね。

「その事なのですが、私に考えがあるのです。陛下に許可を頂きたいのですが……」

「内容によるが、リオの願いなら前向きに叶えたいと思っているからな。リオの考えを言ってごらん?」

 また何か楽しい事を思いついたのだろうね。まぁ、楽しんでるのは僕を含めた周りの人間だけど、陛下も僕も少しワクワクしているのが雰囲気で分かるよね。話しに集中していて、僕達の事を全く気にしていないリオはコクンと頷くと、軽く深呼吸してから話しだした。

「王妃様が猫を飼う許可を頂きたいのです」

「「猫?」」

 皆が一斉に首をかしげたね。母上が猫を飼う事が、今回の解決策かいけつさくになると言う事なのだろうか?

「えっと、ソラを侍女が抱いて入室するのかい?」

「いいえ。この様にして、最初のうちは私が抱いて行って貰おうかと」

 リオは黒猫に擬態して見せた。瞳はリオの色である黄金色こがねいろのままで、しなやかな体の動きは本物の猫の様だった。王城の庭をこの姿で歩いていたとしても、誰もリオだと気が付かないだろうね。猫にしか見えないのだから当たり前か。

「猫の姿であれば、陛下の許可が下りたなら、表に立っている騎士が猫になった私を中に入れてくれるのではありませんか?」

「な、なんと!リオは擬態魔法まで使えたのか?!か、カミルは知っていたのか?」

「な、な、なんて、か、可愛いんだ!リオ、おいでー!僕にも抱っこさせて?」

 可愛い!リオと分かっているから100倍可愛い猫ちゃんだね。ジリジリと詰め寄る僕に、リオがちょっと引いて2、3歩下がったね……驚かせちゃったかな?

「話しがズレてるよ~。カミル、リオを堪能たんのうするのはあとにして~。王様、リオは帝国に潜入した時に、精霊の王様に手ほどきを受けていて、擬態魔法は使えるんだよ~。因みにカミルも知ってたよ~」

「ソラ殿、丁寧な解説をありがとう。そうか、猫の自由な性格を利用しようというのか」

「猫好きならではの発想でありますな。扉の前の騎士も、猫好きであればアッサリと猫になったリオ様を通してくれるかもしれませんし、王妃様と扉越しに猫談話でもしていただいて、王妃様が猫好きアピールをすれば変わるかも知れませんしな」

 宰相まで頷いた事で、リオが猫の姿で母上の治療に向かう事が決定した。宰相も猫が好きなのかな?リオは撫でさせてあげないからね。猫の姿でも、触らせたく無いって思うんだよね。中身は人間のリオなのだから当たり前か。

「リオ、その姿はどれぐらい保っていられるんだい?」

「私の魔力量であれば、解くまで保っていられます。因みに攻撃も出来なくありませんが、火を使う魔法は毛が燃えてしまうらしいのでやりたくはありませんね」

「なるほどなぁ。防御魔法や飛行魔法もその姿で使えるのだろう?」

「あ、はい。その程度なら」

 と、皆には見えてないのだが、律儀に防御膜を張り、ふわっと浮かんで見せた。そしてそのままソラの元へ行き、本物の猫の様に鼻同士をツンとくっつけて挨拶してみせた。なんて可愛いんだ!

「リオ様、リオ様はその程度と仰いますが……私も飛行魔法は使えますが、調子が悪い日は防御膜を張れるか分からない時もあるのですよ?普通の人間なら……あぁ、周りにいらっしゃる方々が普通では…………ゴホン、普通に出来るからでしょうか」

「クックッ、そうだろうなぁ。リューの言う通り、爺さんとデュークに魔法を教えられたのであれば、それは出来て当たり前なのだろうからな。まぁ、リオはそれで良い。好きな事を自由にやってくれて構わないからな」

 その通りだ。リオには出来る限り自由に、好きな事をやらせてあげたい。それは出会ってからずっと変わっていない僕のリオに対するポリシーだ。

「ええ。調整は僕達の仕事ですからね。リオの為にも、準備は抜かりなく致します」

「あぁ、任せたからなカミル。落ち着いたら孤児院にも行くのだろう?」

「ただでさえ、リオはやる事が多いのですが、本人がやりたいと譲らないので……」

「当然よ!カミルが行けない所は私が行っておくべきだと思うしね。何となくだけど、その孤児院には行っておくべきだと……感じる?って言えば良いのかしら?」

 んん?意味深だね……言い方からして、予言とか未来予知では無さそうだけど。行くのは確定だとしても、悪い事では無いと良いんだけどね。

「ふむ、そこまで言うなら行くべきだろう。リオも行って安心するなり、落ち着いた方が良さそうだしな」

 リオは何度もコクコクと頷き、ソラにスリスリして全身で喜んでいると分かる。猫の姿なのに表情豊かなリオが可愛くて仕方ないね。この話し合いが終わったら、リオを膝に抱いて撫でつつのんびりしたいなぁ。あまりしつこくすると動物も嫌がるのだから、程々ほどほどにしなきゃと、思っては居るんだけどね。
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