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第201話 ワシへの無茶振り ★爺や SIDE
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客間に通されてから、1時間ぐらい経ったかのぉ?この部屋は、魔法を使おうと魔力を放つと、部屋が魔力を吸収する仕組みになっておるらしい。扉側で魔力を放ったり、部屋のど真ん中で魔力を放ったりと、色んな実験をしていたから、あっという間に時間は過ぎていった。
「師匠、やはりその壁と、扉の上に埋め込まれている箱が魔力を吸収している様です」
「ふむ。扉の上の箱は、魔力の吸収スピードが鈍くなっておるから、そろそろ満タンかのぉ?」
「まぁ、小1時間は魔力を吸わせていましたからね。流石にこの箱の大きさでは満タンにもなるのでは?」
「うむ。と言うか、魔力を吸収する?だから何じゃ?って思ったのじゃが。ワシの魔力も、デュークの魔力も、大して減っておらんじゃろう?」
「それは……ええ、そうですけども。師匠がリオ殿から贈られた杖の方が、魔力を吸収する量は100倍以上多いでしょうから……その劣化版?ですかね……」
言わんとする事は分かるが、リオの作ったこの杖と比べてしまったら、どんな魔道具も劣化版にしか思えんじゃろうからのぉ。
「あの、賢者様……恐らく、この国の者であれば、魔力が枯渇するのでは無いでしょうか?だから脱出出来ないと言うか……ただ、魔導師を同じ部屋に3人も入れた時点で、この部屋の意味は無くなりますよね。それに気付いてすらいない。魔法に対しての知識が無いのはバレバレですし、リオ様に勝てる訳が無いのですし……」
まぁ、魔導師が3人も来るとは思っていなかったじゃろうからな。この国は自国を基準として考えておるから、魔導師は大した数がいるはず無いと決めつけておったのじゃろう。そしてリオに勝てる者がこの国にいるとは思えんしのぉ。
「そうじゃのぉ、リュー。暇じゃから検証したり実験したりしておったが、早く帰って『飛行機』を完成させたいのぉ……リオに制御回路を教える約束もしたし、婆さんとお散歩デートする約束もしておる。リオとカミルの結婚式も控えておるし、こんな事しとる暇は無いのじゃがなぁ?」
周辺を探る為に出て行った影以外の残った影と、ワシら3人は、大きく頷きながら溜め息を吐いた。ちょうどそのタイミングで、扉がコンコンとノックされた。
「お爺さん、ライトだ」
「おぉ、待っておったぞライト。その扉は外からなら開くらしいから、ライトが扉を開けてくれるかのぉ?」
「分かった」
ガチャっと言う音と共に扉が開き、ライトが中にゆっくりと入って来た。ライトも精霊じゃから、影達の事も見えておる様で、皆の顔を1人1人確認してからワシの前に歩いて来て立ち止まった。
「お爺さん、リオとカミルからの伝言を預かって来た」
スッと差し出された手のひらサイズに折られた紙は、『爺やへ』というリオの可愛らしい文字と、『師匠へ』というカミルの性格が現れる様な几帳面で綺麗な文字が並んでいた。
「ライト、ありがとう。返事を書く予定じゃから、リューやデュークと話でもして待っていてくれるかの?」
「分かった。急がなくても構わない。リオは無理をしないと約束してくれた。カミルはお爺さんの言う事に従うと言っていたから、お爺さんは作戦を練るのだろう?」
ほぉ、ちゃんと考えて行動しておる様じゃのぉ。ライトとしては、リオが安全であれば、急がなくても解決出来るから問題無いと言う事じゃろう。何かあればライトは転移でリオの元へ行ける強みもある。今回はライトにも活躍して貰わなければならん様じゃのぉ。
「凄いのぉ、ライト。そこまで我々の行動を先読みしたんじゃな?そうじゃ、その通りじゃ。2人からの伝言もシンプル過ぎて……要は全てをワシに任せるから何とかせいと言って来おったわい。リオは行方不明?カミルは地下の石牢にいる様じゃのぉ」
「リオはあちらの方角にある、赤い屋根の建物で捕まっている、弱い精霊達の元へ向かった。カミルはカミルのお爺さんと2人でのんびりしている。外に見張りも居ないから、いつでも動けると思うぞ」
赤い屋根……確か城の上を旋回した時に離宮の少し奥に見えた建物じゃな?弱い精霊と言うからには、他にもそれらより強い個体がおると……弱い精霊の元にリオが向かったのであれば、ワシらは強い個体の方をどうにかせねばなるまい?そしてカミルのお爺さん……ん?カミルの?お爺さんじゃと?
「んん?カミルのお爺さんじゃと?」
「カミルが祖父だと紹介してくれたぞ?吾輩やカミルより背が大きくて、気配察知が上手いお爺さんだ。力も魔法もかなり強いと思う。光魔法も使えていたぞ」
「え?もしかして、引き止める間もなく旅立たれた元伯爵様?」
リューはウィルの事を知っておる様じゃな。リューも貴族の出身じゃから、王妃の父親だと覚えておったのじゃろう。
「恐らくそうじゃろうな。あぁ、オリビアが助かったと報告する術が無かったから、まだ旅しておったのか。まぁ、あの爺さんが居るならカミルは大丈夫じゃろう。一応、手紙と一緒に影を2人連れてカミルの元へ帰ってくれるかのぉ?」
「分かった」
「師匠、どうなさる予定でしょうか?殿下とは別行動なさるおつもりで?」
「合流する予定ではおるぞ。ライトよ、強い精霊は何処にいるか分かるかのぉ?」
ライトは「あぁ」と小さく呟いてから、窓の外に目を向けた。
「赤い屋根の建物の逆側……あっちの、水辺の方だ」
「案外、距離があるのぉ」
「お爺さん達なら、魔力を絞った状態で屋根の上を移動出来るのでは無いのか?隠密魔法と飛行魔法だから難しいのか?」
「この人数が移動するとなると、流石にバレるじゃろうなぁ。デュークとリューは、隠密魔法を掛けた状態で最低限の下半身強化で走って向かえるな?」
「「はっ!」」
こやつらは普段から鍛えておるからのぉ。自信を持って即答出来る護衛は重宝するからありがたいのぉ。まぁ、デュークは護衛では無く、ただの魔術師の筈なのじゃがのぉ?ホッホッホ。
「影達は……カミルの元へ向かう2人以外は、基本的には固まって動かず、出来るだけ周りの音を拾って行動して貰おうかのぉ。脚力に自信がある者は屋根の上から。隠密に自信のある者は、出来るだけ敵の状況を調べて欲しい」
「「「「はっ!」」」」
ライトが来た時に少し扉を開いたままにしておいたから、皆早速散らばって行った。残ったワシはカミルへの伝言を書き、ライトに渡した。
「ライト、よろしく頼むぞ。その影達2人は、カミルが幼い頃から見守ってくれている者達だ。安心して連れて行くが良い」
「分かった。お爺さんはどうするのだ?」
「ワシはデューク達の後を追って、強い精霊の所へ行くが、何か気になるのかのぉ?」
「いや、その強い精霊達……今は人を信用して居ないんじゃ無いか?あまり刺激しない様にしてやって欲しい」
思いもよらなかった言葉を聞いて少し驚くも、ライトには感謝の言葉を伝えた。
「あぁ、敵と味方の区別がつかなくなっているかも知れないと言っているのじゃな?そうか、そうじゃな。ワシであったとしても、人間に捕まえられて無理矢理働かされたら、きっと信用出来ないな。ありがとう、ライト。善処するから安心せい」
ライトは頷くと、影2人に目線を向け「行こう」と声を掛けてカミルの元へ向かって行った。ライトの成長は目を見張るものがあるのぉ。精霊の立場も理解出来るからこそ、その精霊達とワシらが傷付かずに済む様に声を掛けてくれたのじゃろう。リオは意図せずとも、素晴らしい仲間を着々と増やしておるようじゃのぉ。リオの家族としては、とても心強いと思うのじゃった。
「師匠、やはりその壁と、扉の上に埋め込まれている箱が魔力を吸収している様です」
「ふむ。扉の上の箱は、魔力の吸収スピードが鈍くなっておるから、そろそろ満タンかのぉ?」
「まぁ、小1時間は魔力を吸わせていましたからね。流石にこの箱の大きさでは満タンにもなるのでは?」
「うむ。と言うか、魔力を吸収する?だから何じゃ?って思ったのじゃが。ワシの魔力も、デュークの魔力も、大して減っておらんじゃろう?」
「それは……ええ、そうですけども。師匠がリオ殿から贈られた杖の方が、魔力を吸収する量は100倍以上多いでしょうから……その劣化版?ですかね……」
言わんとする事は分かるが、リオの作ったこの杖と比べてしまったら、どんな魔道具も劣化版にしか思えんじゃろうからのぉ。
「あの、賢者様……恐らく、この国の者であれば、魔力が枯渇するのでは無いでしょうか?だから脱出出来ないと言うか……ただ、魔導師を同じ部屋に3人も入れた時点で、この部屋の意味は無くなりますよね。それに気付いてすらいない。魔法に対しての知識が無いのはバレバレですし、リオ様に勝てる訳が無いのですし……」
まぁ、魔導師が3人も来るとは思っていなかったじゃろうからな。この国は自国を基準として考えておるから、魔導師は大した数がいるはず無いと決めつけておったのじゃろう。そしてリオに勝てる者がこの国にいるとは思えんしのぉ。
「そうじゃのぉ、リュー。暇じゃから検証したり実験したりしておったが、早く帰って『飛行機』を完成させたいのぉ……リオに制御回路を教える約束もしたし、婆さんとお散歩デートする約束もしておる。リオとカミルの結婚式も控えておるし、こんな事しとる暇は無いのじゃがなぁ?」
周辺を探る為に出て行った影以外の残った影と、ワシら3人は、大きく頷きながら溜め息を吐いた。ちょうどそのタイミングで、扉がコンコンとノックされた。
「お爺さん、ライトだ」
「おぉ、待っておったぞライト。その扉は外からなら開くらしいから、ライトが扉を開けてくれるかのぉ?」
「分かった」
ガチャっと言う音と共に扉が開き、ライトが中にゆっくりと入って来た。ライトも精霊じゃから、影達の事も見えておる様で、皆の顔を1人1人確認してからワシの前に歩いて来て立ち止まった。
「お爺さん、リオとカミルからの伝言を預かって来た」
スッと差し出された手のひらサイズに折られた紙は、『爺やへ』というリオの可愛らしい文字と、『師匠へ』というカミルの性格が現れる様な几帳面で綺麗な文字が並んでいた。
「ライト、ありがとう。返事を書く予定じゃから、リューやデュークと話でもして待っていてくれるかの?」
「分かった。急がなくても構わない。リオは無理をしないと約束してくれた。カミルはお爺さんの言う事に従うと言っていたから、お爺さんは作戦を練るのだろう?」
ほぉ、ちゃんと考えて行動しておる様じゃのぉ。ライトとしては、リオが安全であれば、急がなくても解決出来るから問題無いと言う事じゃろう。何かあればライトは転移でリオの元へ行ける強みもある。今回はライトにも活躍して貰わなければならん様じゃのぉ。
「凄いのぉ、ライト。そこまで我々の行動を先読みしたんじゃな?そうじゃ、その通りじゃ。2人からの伝言もシンプル過ぎて……要は全てをワシに任せるから何とかせいと言って来おったわい。リオは行方不明?カミルは地下の石牢にいる様じゃのぉ」
「リオはあちらの方角にある、赤い屋根の建物で捕まっている、弱い精霊達の元へ向かった。カミルはカミルのお爺さんと2人でのんびりしている。外に見張りも居ないから、いつでも動けると思うぞ」
赤い屋根……確か城の上を旋回した時に離宮の少し奥に見えた建物じゃな?弱い精霊と言うからには、他にもそれらより強い個体がおると……弱い精霊の元にリオが向かったのであれば、ワシらは強い個体の方をどうにかせねばなるまい?そしてカミルのお爺さん……ん?カミルの?お爺さんじゃと?
「んん?カミルのお爺さんじゃと?」
「カミルが祖父だと紹介してくれたぞ?吾輩やカミルより背が大きくて、気配察知が上手いお爺さんだ。力も魔法もかなり強いと思う。光魔法も使えていたぞ」
「え?もしかして、引き止める間もなく旅立たれた元伯爵様?」
リューはウィルの事を知っておる様じゃな。リューも貴族の出身じゃから、王妃の父親だと覚えておったのじゃろう。
「恐らくそうじゃろうな。あぁ、オリビアが助かったと報告する術が無かったから、まだ旅しておったのか。まぁ、あの爺さんが居るならカミルは大丈夫じゃろう。一応、手紙と一緒に影を2人連れてカミルの元へ帰ってくれるかのぉ?」
「分かった」
「師匠、どうなさる予定でしょうか?殿下とは別行動なさるおつもりで?」
「合流する予定ではおるぞ。ライトよ、強い精霊は何処にいるか分かるかのぉ?」
ライトは「あぁ」と小さく呟いてから、窓の外に目を向けた。
「赤い屋根の建物の逆側……あっちの、水辺の方だ」
「案外、距離があるのぉ」
「お爺さん達なら、魔力を絞った状態で屋根の上を移動出来るのでは無いのか?隠密魔法と飛行魔法だから難しいのか?」
「この人数が移動するとなると、流石にバレるじゃろうなぁ。デュークとリューは、隠密魔法を掛けた状態で最低限の下半身強化で走って向かえるな?」
「「はっ!」」
こやつらは普段から鍛えておるからのぉ。自信を持って即答出来る護衛は重宝するからありがたいのぉ。まぁ、デュークは護衛では無く、ただの魔術師の筈なのじゃがのぉ?ホッホッホ。
「影達は……カミルの元へ向かう2人以外は、基本的には固まって動かず、出来るだけ周りの音を拾って行動して貰おうかのぉ。脚力に自信がある者は屋根の上から。隠密に自信のある者は、出来るだけ敵の状況を調べて欲しい」
「「「「はっ!」」」」
ライトが来た時に少し扉を開いたままにしておいたから、皆早速散らばって行った。残ったワシはカミルへの伝言を書き、ライトに渡した。
「ライト、よろしく頼むぞ。その影達2人は、カミルが幼い頃から見守ってくれている者達だ。安心して連れて行くが良い」
「分かった。お爺さんはどうするのだ?」
「ワシはデューク達の後を追って、強い精霊の所へ行くが、何か気になるのかのぉ?」
「いや、その強い精霊達……今は人を信用して居ないんじゃ無いか?あまり刺激しない様にしてやって欲しい」
思いもよらなかった言葉を聞いて少し驚くも、ライトには感謝の言葉を伝えた。
「あぁ、敵と味方の区別がつかなくなっているかも知れないと言っているのじゃな?そうか、そうじゃな。ワシであったとしても、人間に捕まえられて無理矢理働かされたら、きっと信用出来ないな。ありがとう、ライト。善処するから安心せい」
ライトは頷くと、影2人に目線を向け「行こう」と声を掛けてカミルの元へ向かって行った。ライトの成長は目を見張るものがあるのぉ。精霊の立場も理解出来るからこそ、その精霊達とワシらが傷付かずに済む様に声を掛けてくれたのじゃろう。リオは意図せずとも、素晴らしい仲間を着々と増やしておるようじゃのぉ。リオの家族としては、とても心強いと思うのじゃった。
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