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Special episode② クライブ
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最終話です。
一瞬、公開順間違えました💦
大丈夫だったかな…?(゚ロ゚;))((;゚ロ゚)ドキドキ
──────────────────────
望みを叶えるために、クライブは文字通り死に物狂いで戦った。
功成り名を遂げる、それを実行して父に認めさせなければと必死で。
夜討ち、朝駆けなどの奇襲作戦を積極的に指揮し、時にはクライブ自ら敵陣に飛び込んで数々の武功を立てた。
部下たちがそれぞれ己の望むものに強欲であったのも僥倖であった。
出世したい者、報奨金目当ての者、名を馳せたい者、愛郷心が強い者と、皆目的を持って自ら剣を握っていた。
クライブの場合は言うまでもなく、ミルチアとの将来のためである。
とにかく命の危機も顧みず、危機一髪の状況でも逆に好機と捉え、馬を走らせ剣を振るった。
正面からぶつかっていたのでは埒が明かないと、奇略を巡らせる。
陽動、奇襲、時には偽旗にて敵陣を翻弄した。
そのおかげで一時劣勢であった我が国は優勢になり、そろそろ勝敗を決する頃になると、クライブは英雄と持て囃されるようになっていた。
クライブが武勲を立て、その知らせが王都に届くたびに父は上機嫌で通信魔道具にて連絡を寄越した。
『でかしたぞクライブ。さすがは私の息子、オーウェン侯爵家の者だ。お前は私の誇りだ』
通信魔道具から聞こえる、嬉々とした父の声。
(何が誇りだ。厄介者だが使える道具くらいの感覚しか持っていなかったくせに)
確かに母には僅かに情はあったのだろう。
だがクライブに対しては後継のスペア、嫡男を守るための体のいい人身御供としか捉えていないのは、明々白々だ。
白けた気持ちで聞いていると、次に父のとんでもない発言が耳に届いた。
『功績を挙げたお前に相応しい将来を考えてやろう。特に良縁などな』
『……は?……必要ありません』
『何を言っておる。これから国の中枢で生きていくには、強固な後ろ盾が必要なのだぞ。特にお前のような生まれの者にはな』
(その生まれは誰のせいだ)
と喉元まで出かかったが、ここは本陣の通信指令室。
部外者の耳が多数ある中でそれを言っても面倒だなとクライブは思い、
『とにかく、勝手なことはなさらないでください』
とだけ告げてさっさと通信を切った。
これで父が納得するはずがない。
次は父の政争の道具として使われるのは間違いないだろう。
しかしクライブには出征前に交わした誓約書がある。
それも魔法契約により交わされた誓約書だ。
あの時、父はクライブの望みなど取るに足らないものとみなし、安易に誓約に応じた。
それが功を奏し、クライブは誓約に守られることになる。
魔法により結ばれた誓約を破るとどうなるか、それを知らない父ではないだろう。
かくして紛争は終結し、前線に到着した残務処理隊に後を託してクライブ以下連隊は王都に凱旋した。
帰還報告のために向かった王宮で、得意満面の父に出迎えられる。
そしてその隣には見知らぬ令嬢が立っていた。
聞けば王弟殿下のご令嬢というではないか。
およその理由を察したクライブが一応尋ねると、やはり縁談相手だという。
しかもほぼ確定のように父と王弟殿下の令嬢に言われ、クライブは辟易とした。
なぜこうも自分勝手な人間ばかりなのか。
国王への凱旋報告の後、婚約について話し合いを設けられたので、クライブはその場でハッキリと婚約打診の辞退を申し出た。
父は激怒し、令嬢はヒステリックに泣き出す。
王弟からは高圧的に脅しをかけられたが、クライブは意に介さず告げる。
『ならば王国に剣をお返ししましょう。王国騎士として、この国の民としての責務は果たしたと存じます。……これから私はたった一人のために剣と命、そして心を捧げることにします』
そうしてクライブは出征前に交わした書面、誓約書を父に提示した。
『私の希望はただ一つ。オーウェン侯爵家からの除籍です。そして今後一切、オーウェン家に関わるつもりはありません。これまでほとんど没交渉だったのですから、何も変わりはない。父上も困ることなどないでしょう?』
そう冷たく言い放つクライブを、父は驚愕し震えながら見つめている。
対するクライブには何の感情も湧かない。
ただこれでようやく枷が外れ自由になったと思った。
怒号、叫喊、糾弾が室内に響き渡るも、クライブは捨て置き部屋を出た。
それよりも何よりも、ミルチアに会いたかった。
会って、彼女を抱きしめて、告解をして許しを乞いたかった。
そして、許しを得たのならもう二度と離れない。
愛して、大切にして、ありとあらゆるものから彼女を守る。
そう心に決めて戦場を駆け巡ったのだ。
ようやく、ようやく何のしがらみもない本当の自分としてミルチアに会える。
クライブは逸る気持ちを抑えきれず、早々にミルチアの住むアパートへと向かう。
だがそこにミルチアの姿はなかった。
彼女が借りていた部屋には、すでに別の人間が住んでいた。
一瞬、途方に暮れるも、転居の理由を書いた私信が私書箱に届いているかもしれないと考え、クライブは次に私書箱を設けている場所へと足を運んだ。
そこで見つけた物は、一通の封書。
だがそれには転居の理由も彼女の気持ちも何も書かれていない。
ただ淡々と羅列された術式と、祖父が残したものを託すとそう綴られているだけであった。
『っ……!』
だがそれだけで充分だった。
それだけで、ミルチアが全て知っていたことを理解する。
姿を偽り、名を偽り、立場も偽る……ファーストネームを偽名にしなかったのは、捜査対象者に向ける唯一の敬意だったが、そんなことはどうでもいい。
国からの指示で彼女に近づいたこと、そして目的は今手にしている術式であったとミルチアは知っていたのだ。
クライブはその場に頽れた。
弁明も謝罪もミルチアは必要としていない。
彼女が消えたことが如実にそれを表している。
クライブは後悔した。
生きて帰ってきたら打ち明けようなどと悠長なことを考えていたことを深く悔やんだ。
自分がすべきだったのは、ミルチアへの恋情を自覚し彼女との将来を強く望んだ時点で、全てを打ち明けて詫びることだったのだ。
ミルチアが自分に向けてくれた愛情は本物だと確信している。
彼女のような誠実な人が、一時の感情で肌を許し純潔を捧げるなどあり得ないだろう。
身も心も許し、委ねてくれたミルチアの信頼を、自分は裏切っていたのだ。
(彼女の絶望はどれほどのものだったのだろう)
信頼を寄せていた男は偽りだらけの人間だった。
それを知ったときのミルチアの心境を思うと、えぐられるように胸が痛い。
驚き、怒りを感じただろう。悲しみや虚しさを感じたかもしれない。
(もしかして、出征前には既に知っていたのだろうか……?)
それでも生き延びろと彼女は言ってくれた。
そしてひと夜の幸福な時間をクライブに与えてくれた。
それが戦地でどれほどの支えとなったか。
クライブは封書に視線を落とした。
(彼女は、どんな思いでこれを……)
ミルチアらしい、癖のない綺麗な筆致を見つめる。
彼女が全てを知りながらもこれを託してくれたのだということなら、決してそれを無下にしてはならない。
(このまま国には渡さない。俺が今最大限に持ち得る力で一から調べあげ、真実を明らかにする)
もし……もし本当にこれが死者をよみがえらせる禁忌の術式だったのなら尚さら、国や父に悪用させるわけにはいかないのだ。
そして嫌疑が誤解であれば、ミルチアの祖父の名誉を回復させたい。
それがとりあえず早急にクライブにできる、ミルチアへの償いであると考えた。
本当なら直ぐにでも彼女の居場所を探し出して会いに行きたいところだが、今の自分にその資格はない。
せめてこの託された術式を正しく処理してからではないと、彼女に合わせる顔がない。
クライブはその思いに突き動かされ、国の息がかかっていない民間の研究機関に術式の解析を依頼した。
解析費用はそれなりに高額だが、払えない額ではない。
クライブはあくまでも一個人としてそれを依頼した。
紛争での功名も役立った。
国を勝利に導いた“英雄”としての名声は、あらゆる面で融通を効かせてもらうのに効果的であった。
利用できるものはなんでも利用する。
その気概が招いた結果か、ミルチアの祖父が構築しようとしていた術式は禁忌魔法ではないと判明した。
それどころか、事故や病などで突然帰らぬ人となった者や、家族に看取られることなく非業の死を遂げた者、そして紛争で亡くなった者たちの最期の思いを家族や関係者が知ることができる素晴らしい魔法だった。
使いようによっては犯罪捜査の犯人特定も可能になるだろう。
クライブはミルチアの祖父が叶えたかったであろうことを実践することにした。
研究機関の手を借り術式を完成させ、紛争で武功を立て支持を得た騎士団員たちと協力し、戦死者の最期の言葉を遺族に届ける。
哀悼の意と、平和の礎となってくれたことへの深い感謝を込めて。
やがて受け取った遺族からは逆に感謝の言葉が届けられるようになった。
届けた側と届けられた側、その哀悼と感謝の連鎖は美談となって紛争後の国内に広がりつつある。
そしてそれは事業となり、今後も研究機関が請け負ってくれることとなった。
魔法にはミルチアの祖父の名がつけられ、賞賛されると共に彼の汚名は雪げられた。
逆にあらぬ嫌疑を掛け、執拗に捜索し続け遺族の尊厳を踏みにじったと、国や捜査責任者である宰相への批判の声が日に日に高まる。
それに乗じて、王太子を擁立する父の政敵が台頭し、国王と宰相に責を問いただした。
加えて娘との縁談を断ったクライブに王弟が圧力を掛けたことも露見し、救国の英雄を支持する騎士や兵士たちにより糾弾も始まった。
国王と王弟と宰相。
国の要であるこの三つの座が近々空席になり、新たにその座にふさわしい者が就くことだろう。
自分が携わるのはここまでだとクライブは思った。
あとはそれぞれ、その分野に詳しい者に任せればいい。
取っ掛かりは作った。それが波に乗る手助けもした。そしてある程度は見届けもした。
自分が本当にすべきことはミルチアを探し出し、祖父の名誉が回復されたことを伝えること。
そして、誠心誠意、必死になって彼女に許しを乞うことだ。
クライブはそう思い、ミルチアを探した。
諜報員時代の伝手を頼って転出届の記録を調べ、その日付の長距離移動馬車の出入記録を調べた。
そしてある程度の場所を特定し、あとはミルチアの体に刻み付けた己の魔力を辿る。
そうして特定した街。
セントクレアに、最愛のミルチアの姿を見つけたのだった。
林檎を詰めたカゴを手に坂道を登っていくミルチアの名を呼ばずにはいられなかった。
会いたくて会いたくて、毎日夢に見るほど会いたくて。
狂おしいほど愛しい存在を前に、様子見などできなかったのだ。
そうやってミルチアと再会してから、クライブはずっとずっと許しを乞い続けた。そして……。
そして、今の幸福な暮らしがある。
ミルチアから許しを得て直ぐに入籍をした。
子を産み育ててくれていた彼女や可愛い息子と一秒でも早く正式な家族になりたかったから。
その際にオーウェンの戸籍を完全に捨てた。
家族との穏やかで幸せな暮らしに、これまでの日々で疲弊したクライブの心は癒され、満たされる。
翌年には第二子である娘にも恵まれた。
そうして瞬く間に時は過ぎていった。
長男のフィンリーは利発な子で、学業も優秀で文官としても充分にやっていけそうなのに、公爵家の騎士となったクライブの影響か将来は騎士になりたいという。
今はハイラント魔法学校で寮生活を送りながら魔術騎士になるべく日々研鑽している。
ハイラント在住の人気作家、コリーン・フレア女史とも交流が続いているという。
長女のミリーは母親であるミルチアに似て、愛らしく器量良しである。
おしゃまで勝気な一面もあるが、思いやりのある優しい気質の娘だ。
料理は苦手なミリーだが、将来は経営学を学び、大好きなツバメ亭を引き継いで経営者として店を守っていきたいそうだ。
そのために腕の良い料理人と結婚したいと言っているが、それについては不干渉を決め込みたいクライブである。
そんな家族の要は、今も昔も変わらずミルチアだ。
セントクレアの海のように大きく穏やかで、セントクレアの太陽のように眩しく温かい包容力をもって、いつも家族を優しく見守ってくれている。
「俺という人間はつくづく不運だと思って生きていたが……。キミに出会ったことですべて相殺され、幸運に転じたな」
クライブがしみじみとつぶやいた言葉を、ミルチアの耳は拾っていた。
「なぁに?急にどうしたの?」
そう尋ねてきたミルチアを、クライブは目を細めて見つめる。
「いや、……キミに出会えてよかったと、幸福を噛み締めているんだ」
「それは私も同じ気持ちよ。あなたに出会えて、本当によかった」
「ミルチア……」
クライブは最愛の妻を抱き寄せた。
彼女から甘い香りがする。
クライブは少しだけ身を離してミルチアの顔を覗き込んだ。
「そろそろお茶の時間かな?」
キッチンからは妻と同じ甘い香りが漂ってくる。
「ふふ。そうよ、キャロットケーキが焼きあがったの。今日はシナモンを利かせていて、仕上げにホワイトチョコをかけようと思っているの」
「それは美味そうだ。手伝うよ」
「ええお願い。その前にちゃんと手を洗ってね」
クライブは騎士礼を執り、ミルチアに答える。
「了解であります」
「ふふ」
二人で笑みを交わしながら、ミルチアとクライブはキッチンへと入っていった。
ライト家の居間には、
クライブにより取り戻された祖父の遺品と、祖母の花嫁姿のフォトフレームが並ぶように飾られている。
お終い
。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥
補足です。
クライブ父は政敵に負け失職。それにより勢力は衰え、オーウェン侯爵家は衰退の一途を辿ることになります。
国王は世論に負け生前退位を余儀なくされ、退位後は地方の離宮にて余生を過ごしたとか。
王弟とご令嬢もまた然り。
悔い改める者には、きっと何かしら人生において救いがあったと思います。
だけど己の過ちを反省しなかった者の末路はどうなったか……皆様のご想像にお任せいたしましょう。
これにて完結です。
お読みいただきありがとうございました。
角川の記念イベントでご一緒した氷雨そら先生や諸先生方と談笑しているときに立ち上がったシクベ企画。
この企画がなければ、ミルチアの物語は「そのうち書こう」と思いつつ設定だけでお蔵入りになっていたかもしれません。
企画を立ち上げて下さった氷雨先生に感謝、大好きなシクベを読ませて下さる沢山の作家さんたちに感謝。
そしてそして、読んで下さる読者サマ皆様に感謝です。
本当に(*´∀人)ありがとうございました。
そしてお気に入り登録、感想、エール、イイネもありがとうございます!
それではまた。何かの作品で皆様にお会いできましたら幸いです。
改めまして、最後までお読みいただきありがとうございました。
感想欄、解放しました。
(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)ペコリ♡...*゜キムラましゅろう
一瞬、公開順間違えました💦
大丈夫だったかな…?(゚ロ゚;))((;゚ロ゚)ドキドキ
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望みを叶えるために、クライブは文字通り死に物狂いで戦った。
功成り名を遂げる、それを実行して父に認めさせなければと必死で。
夜討ち、朝駆けなどの奇襲作戦を積極的に指揮し、時にはクライブ自ら敵陣に飛び込んで数々の武功を立てた。
部下たちがそれぞれ己の望むものに強欲であったのも僥倖であった。
出世したい者、報奨金目当ての者、名を馳せたい者、愛郷心が強い者と、皆目的を持って自ら剣を握っていた。
クライブの場合は言うまでもなく、ミルチアとの将来のためである。
とにかく命の危機も顧みず、危機一髪の状況でも逆に好機と捉え、馬を走らせ剣を振るった。
正面からぶつかっていたのでは埒が明かないと、奇略を巡らせる。
陽動、奇襲、時には偽旗にて敵陣を翻弄した。
そのおかげで一時劣勢であった我が国は優勢になり、そろそろ勝敗を決する頃になると、クライブは英雄と持て囃されるようになっていた。
クライブが武勲を立て、その知らせが王都に届くたびに父は上機嫌で通信魔道具にて連絡を寄越した。
『でかしたぞクライブ。さすがは私の息子、オーウェン侯爵家の者だ。お前は私の誇りだ』
通信魔道具から聞こえる、嬉々とした父の声。
(何が誇りだ。厄介者だが使える道具くらいの感覚しか持っていなかったくせに)
確かに母には僅かに情はあったのだろう。
だがクライブに対しては後継のスペア、嫡男を守るための体のいい人身御供としか捉えていないのは、明々白々だ。
白けた気持ちで聞いていると、次に父のとんでもない発言が耳に届いた。
『功績を挙げたお前に相応しい将来を考えてやろう。特に良縁などな』
『……は?……必要ありません』
『何を言っておる。これから国の中枢で生きていくには、強固な後ろ盾が必要なのだぞ。特にお前のような生まれの者にはな』
(その生まれは誰のせいだ)
と喉元まで出かかったが、ここは本陣の通信指令室。
部外者の耳が多数ある中でそれを言っても面倒だなとクライブは思い、
『とにかく、勝手なことはなさらないでください』
とだけ告げてさっさと通信を切った。
これで父が納得するはずがない。
次は父の政争の道具として使われるのは間違いないだろう。
しかしクライブには出征前に交わした誓約書がある。
それも魔法契約により交わされた誓約書だ。
あの時、父はクライブの望みなど取るに足らないものとみなし、安易に誓約に応じた。
それが功を奏し、クライブは誓約に守られることになる。
魔法により結ばれた誓約を破るとどうなるか、それを知らない父ではないだろう。
かくして紛争は終結し、前線に到着した残務処理隊に後を託してクライブ以下連隊は王都に凱旋した。
帰還報告のために向かった王宮で、得意満面の父に出迎えられる。
そしてその隣には見知らぬ令嬢が立っていた。
聞けば王弟殿下のご令嬢というではないか。
およその理由を察したクライブが一応尋ねると、やはり縁談相手だという。
しかもほぼ確定のように父と王弟殿下の令嬢に言われ、クライブは辟易とした。
なぜこうも自分勝手な人間ばかりなのか。
国王への凱旋報告の後、婚約について話し合いを設けられたので、クライブはその場でハッキリと婚約打診の辞退を申し出た。
父は激怒し、令嬢はヒステリックに泣き出す。
王弟からは高圧的に脅しをかけられたが、クライブは意に介さず告げる。
『ならば王国に剣をお返ししましょう。王国騎士として、この国の民としての責務は果たしたと存じます。……これから私はたった一人のために剣と命、そして心を捧げることにします』
そうしてクライブは出征前に交わした書面、誓約書を父に提示した。
『私の希望はただ一つ。オーウェン侯爵家からの除籍です。そして今後一切、オーウェン家に関わるつもりはありません。これまでほとんど没交渉だったのですから、何も変わりはない。父上も困ることなどないでしょう?』
そう冷たく言い放つクライブを、父は驚愕し震えながら見つめている。
対するクライブには何の感情も湧かない。
ただこれでようやく枷が外れ自由になったと思った。
怒号、叫喊、糾弾が室内に響き渡るも、クライブは捨て置き部屋を出た。
それよりも何よりも、ミルチアに会いたかった。
会って、彼女を抱きしめて、告解をして許しを乞いたかった。
そして、許しを得たのならもう二度と離れない。
愛して、大切にして、ありとあらゆるものから彼女を守る。
そう心に決めて戦場を駆け巡ったのだ。
ようやく、ようやく何のしがらみもない本当の自分としてミルチアに会える。
クライブは逸る気持ちを抑えきれず、早々にミルチアの住むアパートへと向かう。
だがそこにミルチアの姿はなかった。
彼女が借りていた部屋には、すでに別の人間が住んでいた。
一瞬、途方に暮れるも、転居の理由を書いた私信が私書箱に届いているかもしれないと考え、クライブは次に私書箱を設けている場所へと足を運んだ。
そこで見つけた物は、一通の封書。
だがそれには転居の理由も彼女の気持ちも何も書かれていない。
ただ淡々と羅列された術式と、祖父が残したものを託すとそう綴られているだけであった。
『っ……!』
だがそれだけで充分だった。
それだけで、ミルチアが全て知っていたことを理解する。
姿を偽り、名を偽り、立場も偽る……ファーストネームを偽名にしなかったのは、捜査対象者に向ける唯一の敬意だったが、そんなことはどうでもいい。
国からの指示で彼女に近づいたこと、そして目的は今手にしている術式であったとミルチアは知っていたのだ。
クライブはその場に頽れた。
弁明も謝罪もミルチアは必要としていない。
彼女が消えたことが如実にそれを表している。
クライブは後悔した。
生きて帰ってきたら打ち明けようなどと悠長なことを考えていたことを深く悔やんだ。
自分がすべきだったのは、ミルチアへの恋情を自覚し彼女との将来を強く望んだ時点で、全てを打ち明けて詫びることだったのだ。
ミルチアが自分に向けてくれた愛情は本物だと確信している。
彼女のような誠実な人が、一時の感情で肌を許し純潔を捧げるなどあり得ないだろう。
身も心も許し、委ねてくれたミルチアの信頼を、自分は裏切っていたのだ。
(彼女の絶望はどれほどのものだったのだろう)
信頼を寄せていた男は偽りだらけの人間だった。
それを知ったときのミルチアの心境を思うと、えぐられるように胸が痛い。
驚き、怒りを感じただろう。悲しみや虚しさを感じたかもしれない。
(もしかして、出征前には既に知っていたのだろうか……?)
それでも生き延びろと彼女は言ってくれた。
そしてひと夜の幸福な時間をクライブに与えてくれた。
それが戦地でどれほどの支えとなったか。
クライブは封書に視線を落とした。
(彼女は、どんな思いでこれを……)
ミルチアらしい、癖のない綺麗な筆致を見つめる。
彼女が全てを知りながらもこれを託してくれたのだということなら、決してそれを無下にしてはならない。
(このまま国には渡さない。俺が今最大限に持ち得る力で一から調べあげ、真実を明らかにする)
もし……もし本当にこれが死者をよみがえらせる禁忌の術式だったのなら尚さら、国や父に悪用させるわけにはいかないのだ。
そして嫌疑が誤解であれば、ミルチアの祖父の名誉を回復させたい。
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本当なら直ぐにでも彼女の居場所を探し出して会いに行きたいところだが、今の自分にその資格はない。
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哀悼の意と、平和の礎となってくれたことへの深い感謝を込めて。
やがて受け取った遺族からは逆に感謝の言葉が届けられるようになった。
届けた側と届けられた側、その哀悼と感謝の連鎖は美談となって紛争後の国内に広がりつつある。
そしてそれは事業となり、今後も研究機関が請け負ってくれることとなった。
魔法にはミルチアの祖父の名がつけられ、賞賛されると共に彼の汚名は雪げられた。
逆にあらぬ嫌疑を掛け、執拗に捜索し続け遺族の尊厳を踏みにじったと、国や捜査責任者である宰相への批判の声が日に日に高まる。
それに乗じて、王太子を擁立する父の政敵が台頭し、国王と宰相に責を問いただした。
加えて娘との縁談を断ったクライブに王弟が圧力を掛けたことも露見し、救国の英雄を支持する騎士や兵士たちにより糾弾も始まった。
国王と王弟と宰相。
国の要であるこの三つの座が近々空席になり、新たにその座にふさわしい者が就くことだろう。
自分が携わるのはここまでだとクライブは思った。
あとはそれぞれ、その分野に詳しい者に任せればいい。
取っ掛かりは作った。それが波に乗る手助けもした。そしてある程度は見届けもした。
自分が本当にすべきことはミルチアを探し出し、祖父の名誉が回復されたことを伝えること。
そして、誠心誠意、必死になって彼女に許しを乞うことだ。
クライブはそう思い、ミルチアを探した。
諜報員時代の伝手を頼って転出届の記録を調べ、その日付の長距離移動馬車の出入記録を調べた。
そしてある程度の場所を特定し、あとはミルチアの体に刻み付けた己の魔力を辿る。
そうして特定した街。
セントクレアに、最愛のミルチアの姿を見つけたのだった。
林檎を詰めたカゴを手に坂道を登っていくミルチアの名を呼ばずにはいられなかった。
会いたくて会いたくて、毎日夢に見るほど会いたくて。
狂おしいほど愛しい存在を前に、様子見などできなかったのだ。
そうやってミルチアと再会してから、クライブはずっとずっと許しを乞い続けた。そして……。
そして、今の幸福な暮らしがある。
ミルチアから許しを得て直ぐに入籍をした。
子を産み育ててくれていた彼女や可愛い息子と一秒でも早く正式な家族になりたかったから。
その際にオーウェンの戸籍を完全に捨てた。
家族との穏やかで幸せな暮らしに、これまでの日々で疲弊したクライブの心は癒され、満たされる。
翌年には第二子である娘にも恵まれた。
そうして瞬く間に時は過ぎていった。
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今はハイラント魔法学校で寮生活を送りながら魔術騎士になるべく日々研鑽している。
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長女のミリーは母親であるミルチアに似て、愛らしく器量良しである。
おしゃまで勝気な一面もあるが、思いやりのある優しい気質の娘だ。
料理は苦手なミリーだが、将来は経営学を学び、大好きなツバメ亭を引き継いで経営者として店を守っていきたいそうだ。
そのために腕の良い料理人と結婚したいと言っているが、それについては不干渉を決め込みたいクライブである。
そんな家族の要は、今も昔も変わらずミルチアだ。
セントクレアの海のように大きく穏やかで、セントクレアの太陽のように眩しく温かい包容力をもって、いつも家族を優しく見守ってくれている。
「俺という人間はつくづく不運だと思って生きていたが……。キミに出会ったことですべて相殺され、幸運に転じたな」
クライブがしみじみとつぶやいた言葉を、ミルチアの耳は拾っていた。
「なぁに?急にどうしたの?」
そう尋ねてきたミルチアを、クライブは目を細めて見つめる。
「いや、……キミに出会えてよかったと、幸福を噛み締めているんだ」
「それは私も同じ気持ちよ。あなたに出会えて、本当によかった」
「ミルチア……」
クライブは最愛の妻を抱き寄せた。
彼女から甘い香りがする。
クライブは少しだけ身を離してミルチアの顔を覗き込んだ。
「そろそろお茶の時間かな?」
キッチンからは妻と同じ甘い香りが漂ってくる。
「ふふ。そうよ、キャロットケーキが焼きあがったの。今日はシナモンを利かせていて、仕上げにホワイトチョコをかけようと思っているの」
「それは美味そうだ。手伝うよ」
「ええお願い。その前にちゃんと手を洗ってね」
クライブは騎士礼を執り、ミルチアに答える。
「了解であります」
「ふふ」
二人で笑みを交わしながら、ミルチアとクライブはキッチンへと入っていった。
ライト家の居間には、
クライブにより取り戻された祖父の遺品と、祖母の花嫁姿のフォトフレームが並ぶように飾られている。
お終い
。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥
補足です。
クライブ父は政敵に負け失職。それにより勢力は衰え、オーウェン侯爵家は衰退の一途を辿ることになります。
国王は世論に負け生前退位を余儀なくされ、退位後は地方の離宮にて余生を過ごしたとか。
王弟とご令嬢もまた然り。
悔い改める者には、きっと何かしら人生において救いがあったと思います。
だけど己の過ちを反省しなかった者の末路はどうなったか……皆様のご想像にお任せいたしましょう。
これにて完結です。
お読みいただきありがとうございました。
角川の記念イベントでご一緒した氷雨そら先生や諸先生方と談笑しているときに立ち上がったシクベ企画。
この企画がなければ、ミルチアの物語は「そのうち書こう」と思いつつ設定だけでお蔵入りになっていたかもしれません。
企画を立ち上げて下さった氷雨先生に感謝、大好きなシクベを読ませて下さる沢山の作家さんたちに感謝。
そしてそして、読んで下さる読者サマ皆様に感謝です。
本当に(*´∀人)ありがとうございました。
そしてお気に入り登録、感想、エール、イイネもありがとうございます!
それではまた。何かの作品で皆様にお会いできましたら幸いです。
改めまして、最後までお読みいただきありがとうございました。
感想欄、解放しました。
(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)ペコリ♡...*゜キムラましゅろう
964
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※他のサイトにも重複投稿しています。
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完結おめでとうございます🎉
コリーン・フレア氏の正体……それはやはりピー███ーですよね?
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……あれれ(* ॑ ॑* )??やはり伏せ字になる?🤔
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じゃあこれからはキムラピー▇▇▇ーと名乗ろうか
(*ФωФ)フフフ…
こちらでも最後までお読みくださりありがとうございました🙏✨💕
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思わずな○うさんにダッシュ💨続き読みに行きましたよ〜
何回読んでも素敵なお話ありがとうございます。
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ましゅさまの凄さを再認識させるお話しありがとうございます😊
(///×///)イヤーン💕ありがとうございます✨
プロの担当編集者さん達に鍛えていただいております✨
その成果が少しずつでも出てきているなら、本当に嬉しいです( ᵒ̴̶̷̥́ ⌑ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )💖
こちらこそ、いつもお付き合いありがとうございます🙏✨
そして最後までお読みくださりありがとうございました🙏✨💕
完結おめでとうございます🎉
何度見てもミルチアちゃんのキャロットケーキが食べたい…じゃ無かった
お祖父様の術式が素敵過ぎてそこに込められた願いにうるうるします
よし…ちょっと今からクライブの屑父と屑国王を釘バットで…(ΦωΦ)フフフ・・
′// //′
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ブンッ //
/ ∧ふ∧ //
// / ( ´) //
( ̄ ̄二⊂ 彡⊃ ‘ 、' > カキーン!
 ̄ ̄ y 人 从
ミ(〓_)__),,
はースッキリしたε-(´・`) フー
ナイスバッティング!(*•̀ㅂ•́)و✨
キャロットケーキはましゅろうも書きながら食べたい(*´﹃`*)となってました☆
なろ○でもこちらでも、最後までお読みくださりありがとうございました🙏✨💕