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「あー、やっとこれたー」
森の中に建つ、小さな小屋。
いつか隠居生活をするときのためにー、
なんて作ってあった小屋。
オブライエン領地内にある、隣国との境界線をまたぐ森。
通称、魔の森。
の、ど真ん中。
結構危険な魔物がうようよいるけど、
超強力な魔物除けを周囲に巡らせてあるから、
結構安全。
脱出用に小屋の中には移動魔法陣も設置済み。
あれから。
領都にいると、シェレンベルク王子の求婚がひどいために逃亡中です。
何度お断りしてもしつこくって・・・
王家に関しては
お父様が独立をちらつかせて力業で黙らせた、とのこと。
あまりにも婚約の申込がありすぎて、断っても断ってもわいてくるらしい。
ちょっと行方不明にでもなってくるか?
っていうお父様。
色々、領内でやってたお仕事引き継いでもらって、
休暇代わりにやってきた。
小柄な飛竜を選んで、ここまで飛んできたけど、
慣れてないから疲れた・・・。
「さて、元のところまで一人でおかえりー」
首筋をなでて、声をかけ、
数歩離れると、領都の方角へと飛び去って行った。
小屋に入ると、中から紅茶のいい香りが・・・
「お姉さま、お疲れ様でした~。
お茶入ってるのでどうぞ」
「あれ?アイリス。なんでここに?」
「伯爵様から話を聞いたので、先に来て掃除とか色々してました。
私、魔物を狩りながら来たので、
食料は豊富ですよ」
座ると紅茶を出され、
目の前にはお茶菓子まで。
「今までいろいろと大変でしたから、ここで少し羽をのばしましょう」
「・・・そうね、お互い、そうしましょ」
二人でお茶を楽しむ。
「アイリス、王都では色々助けてくれてありがとう」
「まぁ、お姉さまは私の命の恩人でもあるんです。
ある意味ではお父様の、もですね」
「あの時はどうしようかと思ったわ」
アイリスと知り合ったのは流行病の時。
黒死病にかかったアイリスを男爵が連れてきたのはよかったんだけど、
周りが平民だらけのところで大きな声でお貴族様発言されてしまい、まぁ大変。
周囲から殺気がすごかった。
そのままにしてたら周りの人間から撲殺されててもおかしくなかった・・・。
男爵の顔をはたいて叱り飛ばして、アイリスは周りの平民と同じように治療された。
その時はアイリスのことに必死で、男爵、自分の身が危険だったことに後で気づいたらしい。
流行が落ち着いてからわざわざ謝りに来てくれた。
その後、私は王都へ行くことになったけど、
一年後、アイリスは私の護衛兼侍女的役割として、王都へやってきた。
アイリス、元々最低限の訓練はしていたけど、
私の両親にかけあって猛特訓したそうな。
おかげで、武力はお父様と渡り合える数少ない一人に、
マナーや作法に関しては私と同じレベルにまでなったとのこと。
鑑定のおかげでアイリス、弱いながらも魅了の力を持っていることに気づいたので、
ちょっと試しに、と、護衛や侍女としてではなく、
生徒として学園に入学して、バカ王子を誘惑してもらった。
結果は、ご存じの通り。
見事、私との婚約を破棄でき、私としては万々歳。
「あの後、バカ王子何かしてこなかった?大丈夫だったの?」
「それどころじゃなかったようで、なにもなかったですよ~
自分の手でどうにかできるものなら返り討ちにしますし、
もし無理ならお姉さまに泣きつきますから。
大丈夫ですよ」
「一時はどうなってしまうかと思ったけど、
どうにかなるものね」
「言い方を変えればどうにかした、という言い方もありますけどね」
「確かに」
二人でクスクスと笑い合う。
婚約破棄、成功しました。
完
森の中に建つ、小さな小屋。
いつか隠居生活をするときのためにー、
なんて作ってあった小屋。
オブライエン領地内にある、隣国との境界線をまたぐ森。
通称、魔の森。
の、ど真ん中。
結構危険な魔物がうようよいるけど、
超強力な魔物除けを周囲に巡らせてあるから、
結構安全。
脱出用に小屋の中には移動魔法陣も設置済み。
あれから。
領都にいると、シェレンベルク王子の求婚がひどいために逃亡中です。
何度お断りしてもしつこくって・・・
王家に関しては
お父様が独立をちらつかせて力業で黙らせた、とのこと。
あまりにも婚約の申込がありすぎて、断っても断ってもわいてくるらしい。
ちょっと行方不明にでもなってくるか?
っていうお父様。
色々、領内でやってたお仕事引き継いでもらって、
休暇代わりにやってきた。
小柄な飛竜を選んで、ここまで飛んできたけど、
慣れてないから疲れた・・・。
「さて、元のところまで一人でおかえりー」
首筋をなでて、声をかけ、
数歩離れると、領都の方角へと飛び去って行った。
小屋に入ると、中から紅茶のいい香りが・・・
「お姉さま、お疲れ様でした~。
お茶入ってるのでどうぞ」
「あれ?アイリス。なんでここに?」
「伯爵様から話を聞いたので、先に来て掃除とか色々してました。
私、魔物を狩りながら来たので、
食料は豊富ですよ」
座ると紅茶を出され、
目の前にはお茶菓子まで。
「今までいろいろと大変でしたから、ここで少し羽をのばしましょう」
「・・・そうね、お互い、そうしましょ」
二人でお茶を楽しむ。
「アイリス、王都では色々助けてくれてありがとう」
「まぁ、お姉さまは私の命の恩人でもあるんです。
ある意味ではお父様の、もですね」
「あの時はどうしようかと思ったわ」
アイリスと知り合ったのは流行病の時。
黒死病にかかったアイリスを男爵が連れてきたのはよかったんだけど、
周りが平民だらけのところで大きな声でお貴族様発言されてしまい、まぁ大変。
周囲から殺気がすごかった。
そのままにしてたら周りの人間から撲殺されててもおかしくなかった・・・。
男爵の顔をはたいて叱り飛ばして、アイリスは周りの平民と同じように治療された。
その時はアイリスのことに必死で、男爵、自分の身が危険だったことに後で気づいたらしい。
流行が落ち着いてからわざわざ謝りに来てくれた。
その後、私は王都へ行くことになったけど、
一年後、アイリスは私の護衛兼侍女的役割として、王都へやってきた。
アイリス、元々最低限の訓練はしていたけど、
私の両親にかけあって猛特訓したそうな。
おかげで、武力はお父様と渡り合える数少ない一人に、
マナーや作法に関しては私と同じレベルにまでなったとのこと。
鑑定のおかげでアイリス、弱いながらも魅了の力を持っていることに気づいたので、
ちょっと試しに、と、護衛や侍女としてではなく、
生徒として学園に入学して、バカ王子を誘惑してもらった。
結果は、ご存じの通り。
見事、私との婚約を破棄でき、私としては万々歳。
「あの後、バカ王子何かしてこなかった?大丈夫だったの?」
「それどころじゃなかったようで、なにもなかったですよ~
自分の手でどうにかできるものなら返り討ちにしますし、
もし無理ならお姉さまに泣きつきますから。
大丈夫ですよ」
「一時はどうなってしまうかと思ったけど、
どうにかなるものね」
「言い方を変えればどうにかした、という言い方もありますけどね」
「確かに」
二人でクスクスと笑い合う。
婚約破棄、成功しました。
完
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