96 / 252
緊急避難
しおりを挟む
「ちょっと、二人とも、喧嘩より、もう少し、建設的な議論はできないの」
唯一の女性であり、林の彼女である美佳子が俺たちの会話を止める。
「分かってるよ、で、他の宇宙船は見えたか」
彼女は窓から真空の宇宙の観察をしていたはずだった。
「全然、外は真っ暗で、なんかこの船ずっと止まってるみたい」
宇宙空間には対象物が身近にないので、惰性で航行し続けていても進んでいるようには見えない。運が良ければ、他の宇宙船とすれ違うはずだし、いずれ太陽系内の惑星の重力に捕まり、その惑星の新たな月になれるかもしれない。
「たく、航路予定表を管理局にきちんと提出してれば、今頃、俺たちが予定通りに地球に到着してないって救助隊が出てたかもしれないな・・・」
「だって、しょうがないだろ、航路予定表なんて面倒なもの提出してたら、安全な面白みのない何もない真っ暗な宙域をただ飛んで旅行が終わりだぜ」
そう、俺たちは自由気ままに宇宙を航行したくてお役所に必要な手続きをしなかったのだ。
「ね、墜落して山で遭難した飛行機の乗客が、死んだ他の乗客の死体を食って生き延びたって話って知ってる」
「なんだよ、こんなときに・・・」
「遺体を食っても生きるために必要だったと認められると緊急避難として罪にならないんだって」
「おいおい、俺たちは、まだ誰も遺体じゃないぜ」
その会話の二週間後、ようやく他の宇宙船に発見されて救助されたが、船に残っていたのは美佳子だけだった。生き残っていた彼女は、男たちは食料が切れて精神的におかしくなり、互いに殺し合い。遺体が腐ると船内の環境が悪くなると判断して船外に捨てたと証言した。
唯一の女性であり、林の彼女である美佳子が俺たちの会話を止める。
「分かってるよ、で、他の宇宙船は見えたか」
彼女は窓から真空の宇宙の観察をしていたはずだった。
「全然、外は真っ暗で、なんかこの船ずっと止まってるみたい」
宇宙空間には対象物が身近にないので、惰性で航行し続けていても進んでいるようには見えない。運が良ければ、他の宇宙船とすれ違うはずだし、いずれ太陽系内の惑星の重力に捕まり、その惑星の新たな月になれるかもしれない。
「たく、航路予定表を管理局にきちんと提出してれば、今頃、俺たちが予定通りに地球に到着してないって救助隊が出てたかもしれないな・・・」
「だって、しょうがないだろ、航路予定表なんて面倒なもの提出してたら、安全な面白みのない何もない真っ暗な宙域をただ飛んで旅行が終わりだぜ」
そう、俺たちは自由気ままに宇宙を航行したくてお役所に必要な手続きをしなかったのだ。
「ね、墜落して山で遭難した飛行機の乗客が、死んだ他の乗客の死体を食って生き延びたって話って知ってる」
「なんだよ、こんなときに・・・」
「遺体を食っても生きるために必要だったと認められると緊急避難として罪にならないんだって」
「おいおい、俺たちは、まだ誰も遺体じゃないぜ」
その会話の二週間後、ようやく他の宇宙船に発見されて救助されたが、船に残っていたのは美佳子だけだった。生き残っていた彼女は、男たちは食料が切れて精神的におかしくなり、互いに殺し合い。遺体が腐ると船内の環境が悪くなると判断して船外に捨てたと証言した。
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2026/1/3:『おかのうえからみるけしき』の章を追加。2026/1/10の朝8時頃より公開開始予定。
2026/1/2:『そうしき』の章を追加。2026/1/9の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/1:『いえい』の章を追加。2026/1/8の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/31:『たこあげ』の章を追加。2026/1/7の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/30:『ねんがじょう』の章を追加。2026/1/6の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/29:『ふるいゆうじん』の章を追加。2026/1/5の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/28:『ふゆやすみ』の章を追加。2026/1/4の朝4時頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
百物語 厄災
嵐山ノキ
ホラー
怪談の百物語です。一話一話は長くありませんのでお好きなときにお読みください。渾身の仕掛けも盛り込んでおり、最後まで読むと驚くべき何かが提示されます。
小説家になろう、エブリスタにも投稿しています。
(ほぼ)1分で読める怖い話
涼宮さん
ホラー
ほぼ1分で読める怖い話!
【ホラー・ミステリーでTOP10入りありがとうございます!】
1分で読めないのもあるけどね
主人公はそれぞれ別という設定です
フィクションの話やノンフィクションの話も…。
サクサク読めて楽しい!(矛盾してる)
⚠︎この物語で出てくる場所は実在する場所とは全く関係御座いません
⚠︎他の人の作品と酷似している場合はお知らせください
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
本当にあった不思議なストーリー
AA.A
ホラー
筆者の実体験をまとめた、本当にあった不思議な話しです。筆者は幼い頃から様々な科学では説明のつかない経験をしてきました。当時はこのような事をお話ししても気持ちが悪い、変な子、と信じてもらえなかった事が多かったので、全て自分の中に封印してきた事柄です。この場をおかりして皆様にシェア出来る事を嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる