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宇宙食
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宇宙開発の初期は、宇宙船の限られたスペースを有効活用するため、食料は地上で加工してチューブ等に詰めて、宇宙船に詰め込んでいた。だが、効率を優先したペースト状の食事は味気ないものであり、宇宙開発が進むにつれて、チューブ状の食料は作られなくなった。食事は、味だけでなく、香りや食感も大切であり、また、宇宙船の中という閉鎖空間において、料理を作る行為はストレス軽減にもつながるため、民間人が広く宇宙に進出すると宇宙船の内部にキッチンスペースが設けられるようになった。
だが、奮発して宇宙船を借りて太陽系内を新婚旅行中の俺は、彼女の料理下手ゆえ、ペースト状でもいいからまともに食えるものを欲していた。宇宙開発が進み、個人で気軽に宇宙旅行が楽しめる時代だからと言って、料理下手の人間が一瞬で料理の達人になれる方法はない。つまり、この閉鎖された宇宙船内で、俺は、この新婚旅行が終わるまで、新妻の激マズ料理に耐え続けるしかなかった。が、俺は我慢できずについ彼女の手料理に文句を言ってしまい大ケンカとなり、しかも、宇宙では、いくら悲鳴を上げても、簡単に悲鳴が届くわけがなく、どこにも逃げ場はなくて、激怒した妻に包丁で刺された。人類が気軽に宇宙旅行を楽しめるようになっても、些細な喧嘩からの殺人はなくならなかったのだ。
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