59 / 299
59話 あの日(第三者視点)②
しおりを挟む
時間は遡る。隕石落下よりもっと前に。これはとある一家の物語。(主人公は出てきません)
----------(とある一家の少年視点)----------
出発の金曜日。
僕らはまだ暗いうちに出発した。
昨日のうちに荷物は父さんのトラックへと積み込んだ。トラックは僕が想像していたよりもずっと巨大だった。横の壁が上へ上がり、荷物を積み込む。重い物を引っ張る装置も付いていた。
父さんが苫小牧に配達する荷物はそんなに大きくなく、荷台部分の後ろの方にちょこんと置かれていた。勿論しっかり固定はされていた。積み込んだうちの荷物も固定をしていた。
まるで引っ越しのようにうちの物を父さんはどんどんと積んでいった。ソファーや台所のテーブルと椅子。タンスとかテレビとか洗濯機も。冷蔵庫は腐らない物を中に詰めてから荷台に積んでいた。
北海道の叔父さんちに遊びに行くのではなく、本当は引っ越しなのかな?友達にお別れを言ってない。
途中でコンビニに寄った。父さんとお母さんは何か沢山買っていた。コンビニでこんなに買うなんて珍しい。僕やお姉ちゃん達もお菓子を沢山買ってもらった。お婆ちゃんはワゴンで待っていた。大福とかりんとうはお婆ちゃん用に、あ、お婆ちゃんは入れ歯だった。柔らかいお菓子の方がいいかな?ベビーカステラも買っておこう。
そこから直ぐに名古屋港に着いた。フェリー乗り場の案内の駐車場に停まった。トラックと一般車は駐車場が違うのでお母さん達とはかなり離れてしまった。時計を見るとまだ深夜の2時半で周りは真っ暗だ。父さんはスマホで誰かと喋ってた。
「じゃあ、そっちはそっちで時間になったら乗ってくれ。ああ、5時出港だから4時には乗り込み始めるはずだ。中で会おう」
お母さんかな?話し終わった父さんは、さっき買ったコンビニの袋を渡してきた。
「トイレ行っとけ。まだ時間はあるからその後は後ろで寝とけ」
そう言って運転席の後ろを指差した。
トラックの運転席の後ろには簡易ベッドがある。長距離の仕事の時にそこで寝るんだって。何か秘密基地っぽくて好き。ちょっとした物入れもある。コンビニで買ったお菓子やペットボトルをそこにしまった。
「しまった物は覚えておけよ、向こうに着いたらトラックは返すんだからな。うっかり入れっぱなしにすんなよ?」
運転席から父さんが見ていた。なんか笑っていた。
--------------------------
僕が寝ている間に、フェリーへの乗り込みが始まったみたいだ。ガタンガタンと何かを踏んだ振動で目が覚めた。
「父さん……、もうフェリー乗った?」
「ああ、今乗ったとこだ。港に1番に着いたからな、乗り込むのが1番って事は、フェリーの1番奥になっちまった。出るのに時間かかりそうだな」
フェリーの1番奥まで入りトラックは止まった。指示を出す人にチケットを見せた後に、客席に上がるドアを潜った。階段を上がる。4階に受付があってそこでもう一度チケットを見せるんだって。
僕と父さんのチケットはロイヤル用だった。ロイヤルのチケットは三枚あったので、もう一枚はワゴン車の誰かが使うはず。
4階につくと人がごった返していた。受付の周りも人でいっぱいだ。5時出港の早朝便なのにビックリだ。
「はぐれるなよ」
振り返った父さんの腕を掴もうとした時、近くにいた人にぶつかった。
「すみません」
とりあえず謝ったけど、何か機嫌が悪そうな顔をしていた。
「洸太、こっち来い。ああ、すんません」
父さんが僕を強引に引っ張ってくれた。
「フェリー、凄い混んでるね」
「そうだな。チケット取った時もすぐに埋まったからな」
「夏休みでもゴールデンウィークでもないのに、みんな北海道に行くのかな」
「どうだろうな。この船は名古屋を出た後、仙台に停まる。仙台で降りる人も結構いるだろう」
「フェリーって自由席あるの?」
「自由席と言うか、寝台取ってないやつは、空いてる椅子かソファーで寝るんだろうな」
ロイヤルの部屋は6階だって。父さんと中央の階段を上がりながら周りを見た。人、人、人。椅子もソファー埋まってる。立ったままの人も多い。
「お母さん達、もう乗ったかな?」
「うぅむ、まだだろう。トラックや貨物系を先に乗せるからな。部屋で待ってればすぐに来る」
「……うん」
ロイヤルルームという部屋へ入った。凄いなぁ。船とは思えない。まるでホテルじゃないか?
ベッドルームとリビングが別々だよ?ベッドは大きいのがふたつ並んでいた。きっとお姉ちゃん達が占領する。絶対そうだ。横に小さめのベッドのあった。そうか、3人用だからか。
僕はこの部屋はいいや。お姉ちゃん達と3人で一緒とかは嫌だ。このベッドはお婆ちゃんかお母さんでいいよ。僕は父さんと大部屋で寝る。
「父さん、船の中を探検してきていい?」
「いいが、迷子になるなよ?」
「わかったー」
僕は色々言われる前に飛び出した。このロイヤルな部屋は6階だ。4階5階は普通の部屋かな?壁の案内図を見ながらどこに行こうか考える。レストランもショップもカフェも4階なんだ。
6階はロイヤルとか広めの部屋が多い。そのせいか4階の受付の周りほど人で混み合ってはいなかった。廊下を歩いてる人がチラホラ。
トイレは各階にもあるんだ。あ、お風呂発見。大浴場は5階かぁ。あと、お風呂の近くにカラオケとゲームコーナーがある!ちょっと見てこよう。
ん?6階には自販機コーナーかぁ。夜中にお腹が空いた人が買いに行くのかな。
探検は5階にした。4階ほどは混んでいないし、ゲームコーナーを見たい。帰りに6階の自販機を覗こう。アイスあるかなぁ。
----------(とある一家の少年視点)----------
出発の金曜日。
僕らはまだ暗いうちに出発した。
昨日のうちに荷物は父さんのトラックへと積み込んだ。トラックは僕が想像していたよりもずっと巨大だった。横の壁が上へ上がり、荷物を積み込む。重い物を引っ張る装置も付いていた。
父さんが苫小牧に配達する荷物はそんなに大きくなく、荷台部分の後ろの方にちょこんと置かれていた。勿論しっかり固定はされていた。積み込んだうちの荷物も固定をしていた。
まるで引っ越しのようにうちの物を父さんはどんどんと積んでいった。ソファーや台所のテーブルと椅子。タンスとかテレビとか洗濯機も。冷蔵庫は腐らない物を中に詰めてから荷台に積んでいた。
北海道の叔父さんちに遊びに行くのではなく、本当は引っ越しなのかな?友達にお別れを言ってない。
途中でコンビニに寄った。父さんとお母さんは何か沢山買っていた。コンビニでこんなに買うなんて珍しい。僕やお姉ちゃん達もお菓子を沢山買ってもらった。お婆ちゃんはワゴンで待っていた。大福とかりんとうはお婆ちゃん用に、あ、お婆ちゃんは入れ歯だった。柔らかいお菓子の方がいいかな?ベビーカステラも買っておこう。
そこから直ぐに名古屋港に着いた。フェリー乗り場の案内の駐車場に停まった。トラックと一般車は駐車場が違うのでお母さん達とはかなり離れてしまった。時計を見るとまだ深夜の2時半で周りは真っ暗だ。父さんはスマホで誰かと喋ってた。
「じゃあ、そっちはそっちで時間になったら乗ってくれ。ああ、5時出港だから4時には乗り込み始めるはずだ。中で会おう」
お母さんかな?話し終わった父さんは、さっき買ったコンビニの袋を渡してきた。
「トイレ行っとけ。まだ時間はあるからその後は後ろで寝とけ」
そう言って運転席の後ろを指差した。
トラックの運転席の後ろには簡易ベッドがある。長距離の仕事の時にそこで寝るんだって。何か秘密基地っぽくて好き。ちょっとした物入れもある。コンビニで買ったお菓子やペットボトルをそこにしまった。
「しまった物は覚えておけよ、向こうに着いたらトラックは返すんだからな。うっかり入れっぱなしにすんなよ?」
運転席から父さんが見ていた。なんか笑っていた。
--------------------------
僕が寝ている間に、フェリーへの乗り込みが始まったみたいだ。ガタンガタンと何かを踏んだ振動で目が覚めた。
「父さん……、もうフェリー乗った?」
「ああ、今乗ったとこだ。港に1番に着いたからな、乗り込むのが1番って事は、フェリーの1番奥になっちまった。出るのに時間かかりそうだな」
フェリーの1番奥まで入りトラックは止まった。指示を出す人にチケットを見せた後に、客席に上がるドアを潜った。階段を上がる。4階に受付があってそこでもう一度チケットを見せるんだって。
僕と父さんのチケットはロイヤル用だった。ロイヤルのチケットは三枚あったので、もう一枚はワゴン車の誰かが使うはず。
4階につくと人がごった返していた。受付の周りも人でいっぱいだ。5時出港の早朝便なのにビックリだ。
「はぐれるなよ」
振り返った父さんの腕を掴もうとした時、近くにいた人にぶつかった。
「すみません」
とりあえず謝ったけど、何か機嫌が悪そうな顔をしていた。
「洸太、こっち来い。ああ、すんません」
父さんが僕を強引に引っ張ってくれた。
「フェリー、凄い混んでるね」
「そうだな。チケット取った時もすぐに埋まったからな」
「夏休みでもゴールデンウィークでもないのに、みんな北海道に行くのかな」
「どうだろうな。この船は名古屋を出た後、仙台に停まる。仙台で降りる人も結構いるだろう」
「フェリーって自由席あるの?」
「自由席と言うか、寝台取ってないやつは、空いてる椅子かソファーで寝るんだろうな」
ロイヤルの部屋は6階だって。父さんと中央の階段を上がりながら周りを見た。人、人、人。椅子もソファー埋まってる。立ったままの人も多い。
「お母さん達、もう乗ったかな?」
「うぅむ、まだだろう。トラックや貨物系を先に乗せるからな。部屋で待ってればすぐに来る」
「……うん」
ロイヤルルームという部屋へ入った。凄いなぁ。船とは思えない。まるでホテルじゃないか?
ベッドルームとリビングが別々だよ?ベッドは大きいのがふたつ並んでいた。きっとお姉ちゃん達が占領する。絶対そうだ。横に小さめのベッドのあった。そうか、3人用だからか。
僕はこの部屋はいいや。お姉ちゃん達と3人で一緒とかは嫌だ。このベッドはお婆ちゃんかお母さんでいいよ。僕は父さんと大部屋で寝る。
「父さん、船の中を探検してきていい?」
「いいが、迷子になるなよ?」
「わかったー」
僕は色々言われる前に飛び出した。このロイヤルな部屋は6階だ。4階5階は普通の部屋かな?壁の案内図を見ながらどこに行こうか考える。レストランもショップもカフェも4階なんだ。
6階はロイヤルとか広めの部屋が多い。そのせいか4階の受付の周りほど人で混み合ってはいなかった。廊下を歩いてる人がチラホラ。
トイレは各階にもあるんだ。あ、お風呂発見。大浴場は5階かぁ。あと、お風呂の近くにカラオケとゲームコーナーがある!ちょっと見てこよう。
ん?6階には自販機コーナーかぁ。夜中にお腹が空いた人が買いに行くのかな。
探検は5階にした。4階ほどは混んでいないし、ゲームコーナーを見たい。帰りに6階の自販機を覗こう。アイスあるかなぁ。
381
あなたにおすすめの小説
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚…
スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて…
気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。
愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。
生きていればいつかは幼馴染達とまた会える!
愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」
幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。
愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。
はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
ガチャから始まる錬金ライフ
盾乃あに
ファンタジー
河地夜人は日雇い労働者だったが、スキルボールを手に入れた翌日にクビになってしまう。
手に入れたスキルボールは『ガチャ』そこから『鑑定』『錬金術』と手に入れて、今までダンジョンの宝箱しか出なかったポーションなどを冒険者御用達の『プライド』に売り、億万長者になっていく。
他にもS級冒険者と出会い、自らもS級に上り詰める。
どんどん仲間も増え、自らはダンジョンには行かず錬金術で飯を食う。
自身の本当のジョブが召喚士だったので、召喚した相棒のテンとまったり、時には冒険し成長していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる