俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香

文字の大きさ
76 / 299

76話  他も検証

しおりを挟む
 翌日も朝食後に『拠点本部』に全員が集合した。

 皆の顔がワクワクを隠せないという感じで輝いていた。反対にタウさんは少し疲れた顔をしていた。血盟主ともなると色々大変なんだな。

 俺はタウさんに言われてアイテムボックスからミスリルシャツとミスリルズボンを取り出した。勿論人数分だ。
 と言ってもタウさん、カンさん、ミレさん、俺、マルクは既に持っているので女性5人と翔太の分だ。


「カオるん、これは強化済みですか?」

「ああ、と言ってもプラス6までだ。OEはしてない」


 ミスリルシャツとズボンとは、異世界の女神クエストで入手出来た。しかもクエストは何度でも可能だったので暇が出来ると材料集めをしてミスリルセットに交換していたのだ。

 そして『強化』とは、ゲームにあった『装備強化』があちらの世界でも可能だったのだ。
 装備を強化する事で防御力がアップする。(武器なら攻撃力がアップする)

 例えば、殴られて吹っ飛びアザが出来たのが、装備強化をする事で殴られても吹っ飛ばない。もっと強化するとアザも出来ない。

 『強化』に必要な強化スクロールはダンジョンで入手出来た。

 ただ装備強化は6回まで、6段階アップが限度であった。それ以上強化をすると装備が破壊された。
 だが稀に7回目の強化が成功する場合もあった。

 ゲームではそれをOE(オーバーエンチャント)と呼び、ゲーム内の資金が潤沢でスクロールや装備を山ほど持っているプレイヤーがOEを繰り返し、プラス10を目指すのだ。

 タウさん、カンさん、ミレさんが持っている装備は勿論『プラス10』だ。
 俺のWIZ装備は資金不足でそこまで至ってはいなかった。弱いし金は貯まらんしで、しかも途中でやめたからな……。


 ムゥナの女神クエストで入手したミスリル上下セットも、ダンジョンで手に入れた強化スクで地道に『強化』をしていった。
 勿論最初のプラス6ミスリルセットはマルクに。それから店の皆へと出来るたびに渡していった。かなり地道な作業だったな。

 全員に行き渡った後はアイテムボックスに保管していた。たまに洗濯で縮んでしまうやつもいたから予備は必要だよな。



 今ここに出したのはプラス6まで強化したミスリルセットだ。タウさんが説明をして皆へ渡していく。
 それを見ていたマルクが俺の背中に張り付いてぐずり出した。


「…………父さん、僕、ない。ミスリルの、着てたはずなのに、ぐすっ、無くなってた ぐすっ」


 俺は慌ててマルクに向かい詳しく聞く。


「どうした? どこかで失くしたのか? 最初のホテルか?」

「ううん、こっちに来た時 もう 無かったと思う ぐす……ごめんなさい、父さんに作ってもらったのに……失くしてごめんなさい」

「ああ、恐らく転移のタイミングで消えたのでしょう」


 タウさんが思い出したように上向いていた。


「僕らは転移の時にゲームキャラが身につけていた装備はアイテムボックスに入っていましたよね? けれどマルク君は転移の時はまだアイテムボックスが無かった。なので消失した可能性がありますね。マルク君、一応アイテムボックスを確認してください? もしかすると入っている可能性もありますよ?」


 マルクは空中で手をゴソゴソさせていたが消沈した顔のままだった。


「……無い。無かった…………です」

「大丈夫だ!マルク! まだまだあるからな? ほら、これを着ろ?」


 俺はアイテムボックスからミスリルセットを出してマルクに手渡した。



 皆は服の上にミスリルシャツを装着していたのでそれを見たタウさんが慌てて訂正をしていた。


「ミスリルセットは服の下に装着してください。インナー、ミスリルシャツ、服、の順番が良いと思います」

「なるほど。何かしっくりこないと思った」

「上に着たら鎧だよw」

「ちょっと別室で着替えて来ます」

「待ってください」


 タウさんが慌てて皆を引き留めた。


「この後装備の装着も試してもらいますので、出来れば体操服とジャージを着用してもらえますか?」


 タウさんはそう言ってジャージ上下や長袖のTシャツをテーブルの上にどさりと置いた。
 皆はその中から自分のサイズに合ったものを選び部屋を出て着替えに行った。

 マルクは理解出来ずにキョトンとしていたが直ぐに翔太と真琴が両脇から、これがいいとかこっちが大きいとか言いつつ選んでくれていた。
 良い友達が出来たなぁと、父として嬉しく思った。(けどほんの少しだけ、俺が選びたかったぞ……)


 着替えた皆が戻って来た。紺色に白ラインのジャージ上下が似合ってる。勿論マルクの事だ。

 俺はタウさんに言われて、皮セットの装備も取り出した。
 レザーアーマー、レザーブーツ、レザーキャップの3点だ。レザーシールドを出した時にミレさんから突っ込まれた。

「盾はいらんだろ? 何と戦うんだよw」

「そうですね。とりあえず着れるかどうかの確認だけなので」


 そ、そうか。
 どっちにしろ、ステータスに防御力とかが出るわけではないし、ましてやステータスが無い者が殆どだからな。

 ゲームの装備は着る者にサイズがピッタリになる不思議アイテムなのだ。たぶんタウさんはそれを確認するのだろう。ゲーム仕様がステータスの無い皆にも反映するのかどうか。
 

 ジャージの上着を脱いでミスリルシャツを着けた者達から称賛の声が上がった。


「何これぇ、凄いピッタリ」
「こんなフィットするものなの?」


 その上からジャージの上着を着てもらい、更にアーマーを着けてもらう。
 女性陣の士気が下がった。


「何これ……、ちょっとダサい?」
「んー……、森…………とかに似合う、かも? ハンティングとか?」
「弓とか持ったら似合いそう!」

 ミレさんの妹の芽依さんだけは盛り上がっていた。


 タウさんやミレさんは苦笑いだった。


「着れるのが判っただけで良しとしましょうか。この先何かあった時には着てもらうと思います」

「おとん、着ると何かあるの?」

「恐らくですが防御力が上がります」


 タウさんの言葉を聞いた翔太がマルクと手を合わせて喜んでいた。いやマルクや?何故一緒に喜ぶ。君は知ってるだろう?向こうで着てたじゃないか。


「父さん、僕これ着るぜ! 毎日着たい、ずっと着たい」

「お父さん僕もこれ着るぅ、あっちではいつも着てたし!」

「クラマス!お願いします、これ着ていいでしょ?」


 翔太はタウさんの事をクラマスと呼ぶ。どうやらクランマスターの略のようだ。ゲームでタウさんが盟主をやってる血盟に入ってるからな。俺もあっちに移りたい……。

 タウさんは子供達には念のため着せようと言ったが、真琴は渋い顔になった。どうやらオシャレでないのが嫌なようだ。ミレさんからもっとオシャレな装備は無いか聞かれた。「無い」と答えた。

 真琴はとりあえずミスリルセットだけ身につけてくれるようだ。
しおりを挟む
感想 212

あなたにおすすめの小説

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。

アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚… スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。 いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて… 気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。 愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。 生きていればいつかは幼馴染達とまた会える! 愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」 幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。 愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。 はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

現世にダンジョンができたので冒険者になった。

盾乃あに
ファンタジー
忠野健人は帰り道に狼を倒してしまう。『レベルアップ』なにそれ?そして周りはモンスターだらけでなんとか倒して行く。

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった

海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。 ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。 そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。 主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。 ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。 それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。 ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

ガチャから始まる錬金ライフ

盾乃あに
ファンタジー
河地夜人は日雇い労働者だったが、スキルボールを手に入れた翌日にクビになってしまう。 手に入れたスキルボールは『ガチャ』そこから『鑑定』『錬金術』と手に入れて、今までダンジョンの宝箱しか出なかったポーションなどを冒険者御用達の『プライド』に売り、億万長者になっていく。 他にもS級冒険者と出会い、自らもS級に上り詰める。 どんどん仲間も増え、自らはダンジョンには行かず錬金術で飯を食う。 自身の本当のジョブが召喚士だったので、召喚した相棒のテンとまったり、時には冒険し成長していく。

処理中です...