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129話 富士山③
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あれ?皆に笑顔が戻ったのはいいけど、何でか俺が守られる側の意見が殆どなんだが?
「今後、確実に噴煙が空を覆い尽くすでしょう」
「せっかく最近火山灰がなくなってきたのに……」
「今回、世界で大規模な火山噴火が起こった事で、氷河期が来るかもしれません。噴煙で太陽の光は完全に地上に届かなくなるでしょう」
「もしかするとネットどころかゲームも出来なくなると見た方がいい」
LAF社員のキングジムが懸念を口にした。
「地下シェルターなのに?」
「うむ、地下だろうが、どこだろうが結局電波塔が電波を中継しているからな」
「地下内だけで使う事も無理なの?」
「一時期だけ、サーバーを有線で繋ぎ地下空間のみの使用とかは出来ませんか?」
「そんな事出来るのか?」
「カンさんのMCNのスキルで何とかならないかな」
「それは試してみます」
「とにかく猶予がない。灰が空を覆い尽くす前に動けるだけ動きましょう」
今回の情報も包み隠さず洞窟内に共有した。
洞窟内の住民の手を使い、まずはネットのあらゆる所に『火山噴火』の件を書き込んだ。
それから出来る限りの避難民を受け入れる事になったので、多少の狭さを我慢してもらう。ゆったりと使用していた部屋も区切りを作り、相部屋とした。親戚や知り合い同士で同室になってもらった。
俺は日本人である事を誇りに思う。
事が起こった時の一体感、騒いだり喚いたりせずにお互いの為にトツトツと動く、日本は良い国だよな。勿論例外は居るだろうが、それでも洞窟の避難民に混乱は見られなかった。
俺たちは隠す事なく能力を使い、避難の手助けをする。運ぶのは俺のテレポートになってしまうので、俺のブックマーク先の避難が優先になってしまうのは仕方がない。
今まで救助や救援をしてきた個人宅に居る人に連絡をとり、避難所に来る事に同意した家族のみ、急ぎ迎えに行った。
攫ってくる訳には行かないし、拒否する者たちを説得する時間が勿体ない。その辺は洞窟の仲間達がネットを使い抜粋してくれて、即避難希望者の計画を組み、相手側にも準備の指示をしてくれた。
そうこうしている間に空は真っ暗になった。今まで繋がっていたネットが繋がらなくなった。
頼みの綱は、LAFのゲームだ。それも海外からのアクセスは切れた。国内も遠方はほぼダメだった。
ゲーム内で一緒に行動していたはずのプレイヤーが固まったと思うと消えるという現象が頻発した。恐らく国内でも遠方のプレイヤーだ。
隕石落下でも繋がっていたLAFだが、流石に今回はダメかと思ったが、それでも何かの弾みで復活しているプレイヤーを見かけると、完全に切れたわけではないようだ。
洞窟の入口まで来て外を見る。
真っ暗な空から白い雪……のような灰が降る。前回の火山灰を避けた洞窟の階段前は再び灰が降り積もっていた。
マルクと翔太はエントの様子を見にカンさんちへは毎日テレポートで移動している。マルクはウィズの魔法のテレポートで、翔太は一日一回、その時だけテレポートリングをカンさんに借りているそうだ。
俺とキヨカも一緒に行く。キヨカはテレポートリングだ。
カンさんちのプレハブ倉庫内で飼っていたエントツーだが、最近は他のエントも倉庫に遊びに来ているのを見かける。
エントは地下の地面内を移動出来るので、地上に火山灰が積もっても問題はない、が、火山灰は好きではないようだ。
現在、エント達は地面内で冬眠しているらしい。たまに目覚めてはカンさんちの倉庫に交代で出てくる。
マルクのライト魔法目当てだそうだ。
「あれ? エントツー、ちょっとデカくなったか?」
「うん!そうなんだ、でもまだ実は作れないんだって。でもね、ふふ、最初の実は僕にくれるんだってー。楽しみー」
マルクが嬉しそうにしている。翔太はちょっと羨ましそうだ。
「実を貰ったらキヨカにアップルパイにしてもらって翔太とふたりで食べなさい」
ああ、俺、今、父親らしい事言った?(どやぁ)
「エントの実でもアップルパイになるの?」
「エントパイじゃないかしら」
「そうだよな? アップルじゃないもんな」
父親の威厳がぁ……。
グスン、いいんだ。俺は俺の出来る事をしよう。カンさんちに来ると必ずやるのが、生活魔法で灰を吹き飛ばす事だ。ウィズの魔法だと家ごと吹き飛んでしまうからな。
灰は想像以上に重い、なのでドンドンと積もっていくと家が潰れるらしい。
屋根に積もった灰を生活魔法で吹き飛ばしているのだ。ついでに杉田のじっちゃん(憲鷹の祖父)の家も吹き飛ばしておく。
村の全部の家を毎日回るのは不可能なので、毎日はこの2軒だけだ。ギルド(洞窟内ハロワ)に依頼があった時はその依頼を受けている。他に手が空いた時に灰掃除に行くようにもしているが中々手があかない。
「あ、カオさん、内田さんちの灰除去の依頼が出てたので受けました」
「おう、そうか。内田さん……うちださん、ブックマークあったかな」
「お父さん、兵藤さんの隣のうちだよ。ブックマークは兵藤さんだよ」
おう、あったあった、兵藤さんな。マルク、キヨカ、翔太を連れて飛び、依頼の『火山灰除去』を行った。
それからタウさんの予想通り、茨城の、関東の、日本の、もしかしたら地球の気温はどんどんと降下していった。関東とか日本とか海外の話はサンちゃん経由で聞いた自衛隊情報だ。
自衛隊も今はまた動けなくなったらしい。火山灰があるうちは空の移動が不可能だからだ。
ただ前回と違うのは、自衛隊員の中にアイテムボックス持ちが発生した事で、航空機や船舶、車輌などを収納出来た事は大きい。
それに数々の物資も収納していたらしい。
ただステータスにスキルが表示されないからか、ゲーム上でのウィザードはいるがリアルで魔法が使える者は居ない。
なので、噴火前に九州方面や西日本方面へ行った隊員は戻るに戻れなくなっているらしい。
サンちゃん曰く、「まぁ、あっちにもあるんだろうよ、シェルターがさ」らしい。
とにかく今はまた自衛隊は潜った状態らしい。俺たちも助けに行けないからあれだけどさ、一般国民の皆さん、頑張って生き残ってほしい。
「今後、確実に噴煙が空を覆い尽くすでしょう」
「せっかく最近火山灰がなくなってきたのに……」
「今回、世界で大規模な火山噴火が起こった事で、氷河期が来るかもしれません。噴煙で太陽の光は完全に地上に届かなくなるでしょう」
「もしかするとネットどころかゲームも出来なくなると見た方がいい」
LAF社員のキングジムが懸念を口にした。
「地下シェルターなのに?」
「うむ、地下だろうが、どこだろうが結局電波塔が電波を中継しているからな」
「地下内だけで使う事も無理なの?」
「一時期だけ、サーバーを有線で繋ぎ地下空間のみの使用とかは出来ませんか?」
「そんな事出来るのか?」
「カンさんのMCNのスキルで何とかならないかな」
「それは試してみます」
「とにかく猶予がない。灰が空を覆い尽くす前に動けるだけ動きましょう」
今回の情報も包み隠さず洞窟内に共有した。
洞窟内の住民の手を使い、まずはネットのあらゆる所に『火山噴火』の件を書き込んだ。
それから出来る限りの避難民を受け入れる事になったので、多少の狭さを我慢してもらう。ゆったりと使用していた部屋も区切りを作り、相部屋とした。親戚や知り合い同士で同室になってもらった。
俺は日本人である事を誇りに思う。
事が起こった時の一体感、騒いだり喚いたりせずにお互いの為にトツトツと動く、日本は良い国だよな。勿論例外は居るだろうが、それでも洞窟の避難民に混乱は見られなかった。
俺たちは隠す事なく能力を使い、避難の手助けをする。運ぶのは俺のテレポートになってしまうので、俺のブックマーク先の避難が優先になってしまうのは仕方がない。
今まで救助や救援をしてきた個人宅に居る人に連絡をとり、避難所に来る事に同意した家族のみ、急ぎ迎えに行った。
攫ってくる訳には行かないし、拒否する者たちを説得する時間が勿体ない。その辺は洞窟の仲間達がネットを使い抜粋してくれて、即避難希望者の計画を組み、相手側にも準備の指示をしてくれた。
そうこうしている間に空は真っ暗になった。今まで繋がっていたネットが繋がらなくなった。
頼みの綱は、LAFのゲームだ。それも海外からのアクセスは切れた。国内も遠方はほぼダメだった。
ゲーム内で一緒に行動していたはずのプレイヤーが固まったと思うと消えるという現象が頻発した。恐らく国内でも遠方のプレイヤーだ。
隕石落下でも繋がっていたLAFだが、流石に今回はダメかと思ったが、それでも何かの弾みで復活しているプレイヤーを見かけると、完全に切れたわけではないようだ。
洞窟の入口まで来て外を見る。
真っ暗な空から白い雪……のような灰が降る。前回の火山灰を避けた洞窟の階段前は再び灰が降り積もっていた。
マルクと翔太はエントの様子を見にカンさんちへは毎日テレポートで移動している。マルクはウィズの魔法のテレポートで、翔太は一日一回、その時だけテレポートリングをカンさんに借りているそうだ。
俺とキヨカも一緒に行く。キヨカはテレポートリングだ。
カンさんちのプレハブ倉庫内で飼っていたエントツーだが、最近は他のエントも倉庫に遊びに来ているのを見かける。
エントは地下の地面内を移動出来るので、地上に火山灰が積もっても問題はない、が、火山灰は好きではないようだ。
現在、エント達は地面内で冬眠しているらしい。たまに目覚めてはカンさんちの倉庫に交代で出てくる。
マルクのライト魔法目当てだそうだ。
「あれ? エントツー、ちょっとデカくなったか?」
「うん!そうなんだ、でもまだ実は作れないんだって。でもね、ふふ、最初の実は僕にくれるんだってー。楽しみー」
マルクが嬉しそうにしている。翔太はちょっと羨ましそうだ。
「実を貰ったらキヨカにアップルパイにしてもらって翔太とふたりで食べなさい」
ああ、俺、今、父親らしい事言った?(どやぁ)
「エントの実でもアップルパイになるの?」
「エントパイじゃないかしら」
「そうだよな? アップルじゃないもんな」
父親の威厳がぁ……。
グスン、いいんだ。俺は俺の出来る事をしよう。カンさんちに来ると必ずやるのが、生活魔法で灰を吹き飛ばす事だ。ウィズの魔法だと家ごと吹き飛んでしまうからな。
灰は想像以上に重い、なのでドンドンと積もっていくと家が潰れるらしい。
屋根に積もった灰を生活魔法で吹き飛ばしているのだ。ついでに杉田のじっちゃん(憲鷹の祖父)の家も吹き飛ばしておく。
村の全部の家を毎日回るのは不可能なので、毎日はこの2軒だけだ。ギルド(洞窟内ハロワ)に依頼があった時はその依頼を受けている。他に手が空いた時に灰掃除に行くようにもしているが中々手があかない。
「あ、カオさん、内田さんちの灰除去の依頼が出てたので受けました」
「おう、そうか。内田さん……うちださん、ブックマークあったかな」
「お父さん、兵藤さんの隣のうちだよ。ブックマークは兵藤さんだよ」
おう、あったあった、兵藤さんな。マルク、キヨカ、翔太を連れて飛び、依頼の『火山灰除去』を行った。
それからタウさんの予想通り、茨城の、関東の、日本の、もしかしたら地球の気温はどんどんと降下していった。関東とか日本とか海外の話はサンちゃん経由で聞いた自衛隊情報だ。
自衛隊も今はまた動けなくなったらしい。火山灰があるうちは空の移動が不可能だからだ。
ただ前回と違うのは、自衛隊員の中にアイテムボックス持ちが発生した事で、航空機や船舶、車輌などを収納出来た事は大きい。
それに数々の物資も収納していたらしい。
ただステータスにスキルが表示されないからか、ゲーム上でのウィザードはいるがリアルで魔法が使える者は居ない。
なので、噴火前に九州方面や西日本方面へ行った隊員は戻るに戻れなくなっているらしい。
サンちゃん曰く、「まぁ、あっちにもあるんだろうよ、シェルターがさ」らしい。
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