143 / 299
143話 北の大地で仲間が集合①
しおりを挟む
思ったよりもスムーズに札幌駅に到着した。
途中、魔物植物やゾンビ犬に襲われる事もなかった。火山灰が少し厄介だったが、それも本州ほどではない。北海道の山は噴火していないのだろうか。
それに気のせいか、茨城よりだいぶ暖かく感じる。
駅前で馬車を降りてサモンを地龍からライカンに交代する。タウさんから常に付けておくように言われていた。
馬車の車内が狭いのでしまっていたイッヌも呼び出してマルクとキヨカに付けた。
タウさんは馬車を収納していた。
駅前の広いロータリーには灰被ったバスが何台が停まっていた。背後には駅の大きな建物や、その横にビルも見える。だが、人は歩いていない。どこかに避難しているのか。
車が何台か歩道に乗り上げていたが、特に地震や津波の影響は見られない。ただ、人が居ない。
「この辺は皆さんどこかに避難済みなのでしょうか」
「そうだなー、人っ子ひとり居ないな」
ライカンが俺を庇うように俺の前に出た、それとほぼ同時に、マルクとキヨカに側に居たペルペルとエンカが唸り始めた。
タウさんらが警戒の体制を取る。俺もフォーススタッフ(杖)とマジックブック(盾)を手に取った。
ロータリーの周りに植わっていた針葉樹と思った樹々は、どうやら魔物植物だったようだ。
ジワリジワリとこちらに近づいてくる。
「父さん!カラ魔ツが居る!」
カラ魔ツ! ボックリを投げてくるやつだな。
「ファイア!」
俺はこちらにじわじわと近づくやつにファイアを放った。
ボボボっ
腕、いや、火のついた木の枝を上下に振りながら、ソイツは倒れた。
「父さん、それじゃない、カラ魔ツはその後ろ」
「カオるん、それは松じゃないです、ヒノキですよ」
え、えっ?でも歩いてたよな?
じゃ、これ、何なの?報連相を使った。
『ヒノキサイプレス:檜木に寄生して魔物化した。火に弱い』
あ、良かった、こいつも魔物だ。それにしてもなんだよ、ヒノキサイプレスって、ただのヒノキじゃないのかよ。
パインツリーと言いサイプレスと言い、ここは日本だ!格好つけんなよ!
俺はその謎の怒りをカラ魔ツに向けて火を放った。
「ふん、ヒノキは早くに倒さないと黄色いアレを出すからな。お前はこれからは『否の木』で十分だ!」
俺の報連相を共有していた皆は複雑な顔をしていた。
「お父さん、これは否の木?」
「そうだ、コイツは否の木だ」
俺はふと思いついてサモンをライカンからゴーレムに変更した。動きの遅い木にはスローなゴレで十分だ。
「ゴレ1号、あそこら辺の魔物をぶっ倒してこい!」
ゴーレムにそう命じた。ゆっくりと動くゴーレムとモッソリと動く魔物植物の戦い。力の強さはゴーレムの勝ちだ。
ただ時間のかかる戦いに、俺たちは他からの攻撃に備える。
ちなみにサモンをゴーレムに変えた理由は、否の木の魔物がもしも『花粉攻撃』を繰り出してきた場合、ライカンやイッヌのように鼻の良い生き物には辛いからだ。
絶対にくしゃみ鼻水が止まらなくなる。アイツは恐ろしい魔物だ。(想像だが)
ロータリー周りに居た魔物をゴーレムが倒し終わるのをみて、駅の建物の方へと移動する。
建物の中の方が安全だ。うん、周りに壁がある方が安心する。広い場所でゾンビ犬に囲まれたくない。
タウさんは中継点の山本経由でゆうごと連絡を取っているようだ。
ゆうごは着々と札幌駅に近づいているらしい。勿論魔物植物の事、火に弱い事も伝えている。
「駅の中央口に居る事は伝えてあります。もう到着するそうです。迎えに出ましょう」
足の遅いゴーレムからライカンに戻した。そして外が見える位置へ移動する。
ロータリーの向こうに煙が上がるのが見えた。煙……砂埃、ではなく火山灰埃が、それを巻き上げてこちらへ向かっている馬が見えた。
馬の上にふたり、ゆうごと、恐らく大地か。
「おおーい! こっちだあ! ゆうごー」
「ゆうごくーん!こっちですー」
皆、大きく手を振ってこちらへと誘導する。
気がついたのかさらにスピードが上がり、真っ直ぐにここへと突っ込んでくる。
馬を停める為に手綱を引いたのか、馬は前足を大きく上へと跳ね上げた。
そこから転げ落ちるように降りたゆうごが駆け寄ってくる。1番手前に居たタウさんへと飛びついた。
そして、ゆうごは子供のように大きな声で泣き始めた。
「うわぁぁぁぁあ、 うわぁん、あん」
ずっと耐えていた色んな物が溢れてきたように滝のように涙を流した。タウさんもゆうごをきつく抱き寄せて泣いていた。
俺も、カンさんも、ミレさんも涙や鼻水を出しながら、ゆうごとタウさんに抱きつく。
遅れて馬から降りた大地も泣きながら寄ってくる。
勿論マルクもキヨカも、そして人前で泣いたのを見た事がないアネさえも顔をぐしゃぐしゃにしていた。
みんなで団子になった。
イッヌも俺らの腰あたりに鼻を突っ込んでウオーンウオーンと鳴いている。ライカンも一緒に……ちょっと待て、お前だけは周りの警戒をしていてくれよ。
貰い泣きなのか、仲間に入れなかった悔し泣きかはわからんが、ライカンが遠吠えをしていた。すまんな。後で高級ベーコンをオヤツでやるからな。
そうして、感動の再会が落ち着き、一旦駅の中へと入った。
途中、魔物植物やゾンビ犬に襲われる事もなかった。火山灰が少し厄介だったが、それも本州ほどではない。北海道の山は噴火していないのだろうか。
それに気のせいか、茨城よりだいぶ暖かく感じる。
駅前で馬車を降りてサモンを地龍からライカンに交代する。タウさんから常に付けておくように言われていた。
馬車の車内が狭いのでしまっていたイッヌも呼び出してマルクとキヨカに付けた。
タウさんは馬車を収納していた。
駅前の広いロータリーには灰被ったバスが何台が停まっていた。背後には駅の大きな建物や、その横にビルも見える。だが、人は歩いていない。どこかに避難しているのか。
車が何台か歩道に乗り上げていたが、特に地震や津波の影響は見られない。ただ、人が居ない。
「この辺は皆さんどこかに避難済みなのでしょうか」
「そうだなー、人っ子ひとり居ないな」
ライカンが俺を庇うように俺の前に出た、それとほぼ同時に、マルクとキヨカに側に居たペルペルとエンカが唸り始めた。
タウさんらが警戒の体制を取る。俺もフォーススタッフ(杖)とマジックブック(盾)を手に取った。
ロータリーの周りに植わっていた針葉樹と思った樹々は、どうやら魔物植物だったようだ。
ジワリジワリとこちらに近づいてくる。
「父さん!カラ魔ツが居る!」
カラ魔ツ! ボックリを投げてくるやつだな。
「ファイア!」
俺はこちらにじわじわと近づくやつにファイアを放った。
ボボボっ
腕、いや、火のついた木の枝を上下に振りながら、ソイツは倒れた。
「父さん、それじゃない、カラ魔ツはその後ろ」
「カオるん、それは松じゃないです、ヒノキですよ」
え、えっ?でも歩いてたよな?
じゃ、これ、何なの?報連相を使った。
『ヒノキサイプレス:檜木に寄生して魔物化した。火に弱い』
あ、良かった、こいつも魔物だ。それにしてもなんだよ、ヒノキサイプレスって、ただのヒノキじゃないのかよ。
パインツリーと言いサイプレスと言い、ここは日本だ!格好つけんなよ!
俺はその謎の怒りをカラ魔ツに向けて火を放った。
「ふん、ヒノキは早くに倒さないと黄色いアレを出すからな。お前はこれからは『否の木』で十分だ!」
俺の報連相を共有していた皆は複雑な顔をしていた。
「お父さん、これは否の木?」
「そうだ、コイツは否の木だ」
俺はふと思いついてサモンをライカンからゴーレムに変更した。動きの遅い木にはスローなゴレで十分だ。
「ゴレ1号、あそこら辺の魔物をぶっ倒してこい!」
ゴーレムにそう命じた。ゆっくりと動くゴーレムとモッソリと動く魔物植物の戦い。力の強さはゴーレムの勝ちだ。
ただ時間のかかる戦いに、俺たちは他からの攻撃に備える。
ちなみにサモンをゴーレムに変えた理由は、否の木の魔物がもしも『花粉攻撃』を繰り出してきた場合、ライカンやイッヌのように鼻の良い生き物には辛いからだ。
絶対にくしゃみ鼻水が止まらなくなる。アイツは恐ろしい魔物だ。(想像だが)
ロータリー周りに居た魔物をゴーレムが倒し終わるのをみて、駅の建物の方へと移動する。
建物の中の方が安全だ。うん、周りに壁がある方が安心する。広い場所でゾンビ犬に囲まれたくない。
タウさんは中継点の山本経由でゆうごと連絡を取っているようだ。
ゆうごは着々と札幌駅に近づいているらしい。勿論魔物植物の事、火に弱い事も伝えている。
「駅の中央口に居る事は伝えてあります。もう到着するそうです。迎えに出ましょう」
足の遅いゴーレムからライカンに戻した。そして外が見える位置へ移動する。
ロータリーの向こうに煙が上がるのが見えた。煙……砂埃、ではなく火山灰埃が、それを巻き上げてこちらへ向かっている馬が見えた。
馬の上にふたり、ゆうごと、恐らく大地か。
「おおーい! こっちだあ! ゆうごー」
「ゆうごくーん!こっちですー」
皆、大きく手を振ってこちらへと誘導する。
気がついたのかさらにスピードが上がり、真っ直ぐにここへと突っ込んでくる。
馬を停める為に手綱を引いたのか、馬は前足を大きく上へと跳ね上げた。
そこから転げ落ちるように降りたゆうごが駆け寄ってくる。1番手前に居たタウさんへと飛びついた。
そして、ゆうごは子供のように大きな声で泣き始めた。
「うわぁぁぁぁあ、 うわぁん、あん」
ずっと耐えていた色んな物が溢れてきたように滝のように涙を流した。タウさんもゆうごをきつく抱き寄せて泣いていた。
俺も、カンさんも、ミレさんも涙や鼻水を出しながら、ゆうごとタウさんに抱きつく。
遅れて馬から降りた大地も泣きながら寄ってくる。
勿論マルクもキヨカも、そして人前で泣いたのを見た事がないアネさえも顔をぐしゃぐしゃにしていた。
みんなで団子になった。
イッヌも俺らの腰あたりに鼻を突っ込んでウオーンウオーンと鳴いている。ライカンも一緒に……ちょっと待て、お前だけは周りの警戒をしていてくれよ。
貰い泣きなのか、仲間に入れなかった悔し泣きかはわからんが、ライカンが遠吠えをしていた。すまんな。後で高級ベーコンをオヤツでやるからな。
そうして、感動の再会が落ち着き、一旦駅の中へと入った。
530
あなたにおすすめの小説
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚…
スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて…
気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。
愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。
生きていればいつかは幼馴染達とまた会える!
愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」
幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。
愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。
はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
ガチャから始まる錬金ライフ
盾乃あに
ファンタジー
河地夜人は日雇い労働者だったが、スキルボールを手に入れた翌日にクビになってしまう。
手に入れたスキルボールは『ガチャ』そこから『鑑定』『錬金術』と手に入れて、今までダンジョンの宝箱しか出なかったポーションなどを冒険者御用達の『プライド』に売り、億万長者になっていく。
他にもS級冒険者と出会い、自らもS級に上り詰める。
どんどん仲間も増え、自らはダンジョンには行かず錬金術で飯を食う。
自身の本当のジョブが召喚士だったので、召喚した相棒のテンとまったり、時には冒険し成長していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる