俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香

文字の大きさ
160 / 299

160話 基本はここから⑥

しおりを挟む
 タウさん、盟主パーティのグループ念話を使ったな、みんなから即反応があった事に驚いた。

 現在避難民が増えている第1拠点、第2拠点。
 初期の頃はステータス表示を気にしてこまめに調べたりしていたが、最近は全く調べていなかった。

 避難民がどんどんと増えていたのもあるが、メインで動いている俺たちが忙しかったのもある。

 しかし、リアルステータスは突然発生する。理由はまだ解明されていない。

『ゲームにログイン』
『異世界戻り組の血盟に加入』
『エリアテレポート経験者』

 など、色々と言われているが、どれも絶対ではない。

 最近は『魔素』説がある。
 今まで地球に無かった『魔素』が、隕石に付いて地球に落下したのでは?と言うものだ。

『魔素』と『隕石』までは同意だが、俺は隕石落下で衝撃を受けた地球の、海や大地や氷の下に元からあったモノが地上へと現れたのではと思っている。

 きっと昔には魔物も魔法使いも居たに違いない。だからその言葉が残っているのだと思う。


 地球が彗星と衝突して砕け散る未来だった時、神様は俺たち人間を異世界へ転移させた。
 俺たち人間と『近い世界』へと。

 その世界は魔物が居て魔法があった。昔の地球もそうだったから、似た世界がそんなだったんじゃないか?

 地球が砕け散らない未来へ進んだ時、俺たちは戻してもらった。
 以前の人間でなく、向こうで使っていた力を持って、だ。
 それは、この先、地球が『魔』を思い出す、地球の『魔』が蘇るからではないか。

 と、俺は考えている。勝手な想像だ。


 だがもしもそれに近い何かが起こっているのなら、人は日々どんどんと『魔素』を取り込み、不思議な力を発症していくだろう。
 昨日まで使えなかった人が、今日は使えるかも知れない。

『力』は地球の『魔素』から来るものとして、『ステータス』は神様からのプレゼントだと思う。
 ゲームに似せたステータス画面。それが見えるとわかりやすい、だが、ステータスが表示されなくても『力』(ブックマーク)は出たのだ。

 リアルステータス画面は神様からのちょっとした手助けにすぎないと思う。
 うれトマの婆さんや養老の爺さん、アレは完全にスキルを使用していると思う。

 いや、そもそもあのジジババ達は『ステータスオープン』を試した事はあるんか?
 やはり、拠点の避難民は、新たに全員試すべきだ。

 そこで、拠点の避難民のステータス調査にゆうごが手を挙げた。北海道の仲間達と手分けをして、アンケートを取るそうだ。
 アンケートは『ステータスオープン』と唱えてもらい、面前にステータス画面が表示されるか否か、だ。

 
『アンケートには、①ステータス詠唱後の画面表示があるか ②最近特殊な力があるか それと、ゲームでの③職業 ④レベル こんな感じでいいですか?』

『はい、それと加入している血盟名も記入してもらいましょう』

『わかりました。では北の砂漠でその作業をお受けします』

『ゆうご君、お願いします』


 俺は気になった事があったので聞いてみた。


『タウさん、ブックマークの確認はどうすんだ? ステータス無くてもブックマーク出来るかの確認』

『それだよなぁ。俺らの時はまだ身内だったし人数も少なかったから検証出来たけどさ』

『そうですね。今、避難民はおおよそ500人以上になりました。ブックマークの確認は難しいんじゃないかな』

『ブックマーク確認のために、テレポートスクロールを500枚消費するのは無駄、ですね』

『そもそもスクロールがそこまで無いよな』

『いえ……。カオるんからお預かりしているのがあるにはありますが、検証に500枚使用はありえません』

『ブックマーク検証は、拠点内の業務上、必要な者だけで良いのではないでしょうか』

『では今回のアンケートにはブックマークについての記載は入れないでおきます』


 そこで念話は終了した。
 ブックマークの検証で、テレポートリングの話を誰もしなかったのは、実はちょっと前に聞いた自衛隊のサンちゃんの話をタウさんにしたからだ。勿論、タウさんに話す事はサンちゃんの了承を得ている。

 ハマヤんとフジがリングを借りパクされた件だ。その話をタウさんの耳に入れた直後に、血盟主へ話が伝わった。

 ゲームではアイテムの借りパクはよく聞く話だ。ゲームを始めた頃、よく知らない相手にモノを貸す時は返って来ない事を頭に入れておけと言われた。

 しかし、現在、もうゲームアイテムが入手出来るかわからない状況で、知らない相手を信用して貸す事は出来ない。
 ひとつしかないテレポートリングを、見ず知らずの避難民へなど、怖くて出来ない。

 その経緯があったので、今回の念話でリングの話は出なかったのだ。




「あ、スマン。盟主念話が長引いた。どこまで話したっけ?」

「ええと、自己紹介が終わったところです。この後どうしますか?


 うむ、悩む。
 実は洞窟内や、外の洞窟周りでもブックマークの旅に連れて行こうかと思っていたのだ。
 物資収集は出来なくても、必要そうな場所のブックマークくらいは、と。

 しかし、テレポートスクロールを渡せない今、ブックマークが必要か。


「マルクとキヨカ以外はリアルステータスは出ていないんだよな?」

「ないです」
「うん、出てないなぁ」


 となると、今、この時点でブックマークは必要ないか。せめてリアルステータスが出たら考えよう。


「うん、一応毎日寝る前にステータスオープンを唱えてみてな。もしかして出てくるかもしれないからな」

「おおう!寝る前と言わず、朝昼晩唱えるぜ!」
「僕もとなえるー」

「お父さんお父さん、あそこに行こうよ。大仏さまのとこ」

「ああ、牛久大仏ですね。いいですね」

「あ、そう言えばカオさん、毎朝大仏ツアーやってるんですよね」

「ああ、ここ2週間は休止中だったがな」

「それ、人気で全然予約取れないらしいですよ」

「じゃあ今から行くか」


 俺は7人を連れて牛久大仏から外が見える胸の位置にとテレポートした。
 そこからしばし、外の景色を堪能する。
しおりを挟む
感想 212

あなたにおすすめの小説

クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?

ばふぉりん
ファンタジー
 中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!  「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」  「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」  これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。  <前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです> 注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。 (読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)

墓守の荷物持ち 遺体を回収したら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアレア・バリスタ ポーターとしてパーティーメンバーと一緒にダンジョンに潜っていた いつも通りの階層まで潜るといつもとは違う魔物とあってしまう その魔物は僕らでは勝てない魔物、逃げるために必死に走った だけど仲間に裏切られてしまった 生き残るのに必死なのはわかるけど、僕をおとりにするなんてひどい そんな僕は何とか生き残ってあることに気づくこととなりました

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

赤ん坊なのに【試練】がいっぱい! 僕は【試練】で大きくなれました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はジーニアス 優しい両親のもとで生まれた僕は小さな村で暮らすこととなりました お父さんは村の村長みたいな立場みたい お母さんは病弱で家から出れないほど 二人を助けるとともに僕は異世界を楽しんでいきます ーーーーー この作品は大変楽しく書けていましたが 49話で終わりとすることにいたしました 完結はさせようと思いましたが次をすぐに書きたい そんな欲求に屈してしまいましたすみません

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp!

ちゃりネコ
ファンタジー
ソロキャン命。そして異世界で手に入れた能力は…Awazonで買い物!? 夢の大学でキャンパスライフを送るはずだった主人公、四万十 葦拿。 しかし、運悪く世界的感染症によって殆ど大学に通えず、彼女にまでフラれて鬱屈とした日々を過ごす毎日。 うまくいかないプライベートによって押し潰されそうになっていた彼を救ったのはキャンプだった。 次第にキャンプ沼へのめり込んでいった彼は、全国のキャンプ場を制覇する程のヘビーユーザーとなり、着実に経験を積み重ねていく。 そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。 遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。 別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。 Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって! すごいよね。 ――――――――― 以前公開していた小説のセルフリメイクです。 アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。 基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。 1話2000~3000文字で毎日更新してます。

処理中です...