俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香

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174話 叔母を訪ねて①

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 俺はここに居る皆を連れてテレポートを始めた。キヨカがブックマーク一覧のノートを慌てて開いていた。
 良かった。俺はキヨカのノートの順番に、皆を連れて北海道のブックマーク箇所を回った。そう、真っ暗闇の中だ。

 北海道の主要都市13ヶ所と自衛隊駐屯地が30ヶ所くらいか?次々と飛んでブックマークを繰り返してあっという間に終了した。

 実は精霊に頼んで、行く先々の火山灰も適当に吹き飛ばしてもらった。
 夜間で周りが見えないし、建物や人(夜間に出歩いているとは思えないが)に被害が出ない程度の風でお願いしたので、範囲的にはかなり狭いらしい。

 それでも少しの間は、ブックマークポイントでの作業はしやすくなるだろう。
 そうして本部に戻った時には0時を回っていた。

 マルクはたまの夜ふかしが楽しいらしく目を輝かせていた。俺の方が眠いのか怠いのかわからない状態だ。横になりたい。
 解散前にタウさんが明日からの行動について再度話した。


「私の私的な都合で申し訳ない。『西南進行班』のメンバーは、私タウロ、カオ、マルク、キヨカ、奈良、加瀬、球磨の7人が先行で出発します。

 ミレイユ、カンタのおふたりは現在手がけている『LAF親サーバーの移動』を。それが終了次第、『西南進行班』への合流を。

 アネッサとゆうごは、『北海道地上開拓班』として、自衛隊駐屯地のヘルプ及び魔植の殲滅をお願いします」


「自衛隊とはどうやって話をつけますか?」


 ゆうごが憂慮気な顔をした。確かにいきなりこんにちは、は無理だろう。


「えー、こんにちは!手伝うね、でいいんじゃないの?」


 いやいや、アネよ、それは無理、怪しすぎるだろう。


「それは現在、稚内駐屯地に居るフジさんに、間に入っていただきます」

「フジさんは何で稚内に居るんだっけ?」

「北海道の地上部隊と連絡を取るために新潟から潜水艦で、と聞いています」

「地下シェルターでも地上のどこかと連携を取ろうとしてるって事か? サンちゃんの話だとシェルターの自衛隊は大混乱って言ってたが……」


 タウさんが下を向いて何かを呟いていた。


「フジさんに連絡をしました。今こちらへ来ていただけるそうです」


 えっ、こんな深夜に呼び出したのか。


「あれっ?フジさんってテレポリング盗られたんだよな?」

「あ、俺、サンちゃん経由でテレポスク渡した」


 皆が納得したように顔を上下に振った、その時ドアがノックされてフジが現れた。


「今晩は。あ、カオさん、スクロールどもです。今一枚使ったぞw」

「こんな時間にお呼び立てして申し訳ありません」

「いやいや、全然構いません。それに伺ったお話では我らの手助けをしていただけるようで」


 タウさん、念話で『北海道地上開拓』の事を既に話したのか。流石だ、タウさん。仕事が早い。


「北海道の地上開拓をするのは、我々だけでは無理です。広すぎる。それで北海道の自衛隊駐屯地と手を組みたいのです。茨城地下シェルターからも北海道へ上陸しているのは、我々と似た理由でしょうか?それとも全く別の?」



 フジが押し黙った。が、直ぐに顔を上げて語り出した。


「…………本来なら、民間の方々にお話しするなど言語道断なのでしょうが、正直、今はそんな事を言っていられない状態です。自分らが北海道へ向かった理由は、道内に大シェルターがある、そうなのです」


 室内がシン…となった。
 地上をブックマークして回っていたが、地下シェルターの事なんて全く気が付かなかった。


「北海道に……シェルターが?……それは、自衛隊のシェルターという事でしょうか? それとも国の?」



「………………ふぅ、国、のです。自衛隊でも上の一部にしか知らされていません。北海道だけではありません。実は国内の彼方此方に大小様々ですがシェルターは造られていたようです。自分も知ったのは新潟から北海道へ向かった時に初めて知らされました」

「国内……のあちこちにも?」

「それ、自衛隊の上部、しかも一部しか知らないって事はもちろん国民が知るよしもないって事か」

「選別された上級国民だけ、かよ」


 ミレさんが唾を吐くように言った。実際には唾は吐いていないが。


「いえ、いや、どうなんだろう。総国民のシェルター避難など無理な話でしょうが、上級国民のためだけではなかったはず、らしいです。だが、建設が間に合わなかった所も多いらしい。それぞれが個別に動いていたらしいです。茨城も実際蓋を開けたら避難が間に合ったのは上級の方ばかりだ」

「それで何故、稚内へ? 稚内にシェルターがあるのですか?」

「いえ、最初に向かったの留萌です。そこで上陸し旭川方面へ向かう予定でした。が、留萌へ到着する直前に何処かからのビーコンをキャッチしたようで、上陸場所が急遽変更になりました。執念く(しつこく)追われて稚内で自分らは降ろされ、艦に残った少数で追手を巻く計画のようでしたが、稚内を出て直ぐに……」


 驚いた。そんな事情だったのか、ってか、どこの国だよ!こんな世の中になってもまだ戦争吹っ掛けてくるのかよ!
 落とすか?メテオ落とすか?


「カオるん、落ち着いてください。メテオは落としませんよ?どこの国か判っていないですから」


 あれ?俺、今の口に出てた?
 と言うかタウさん?どこの国か判ったらメテオ落としていいって事か?


「やっておしまい、カオるん」


 お、おう。アネさんから了承を得た。


「そして俺のテレポリング……海の藻屑にぃ……」


 項垂れるフジ。うんうん、それはやるせないな、怒りをどこにぶつけていいかわからないな。
 俺はフジに向かいトレード画面を開いた。ブランクスクに詰めた『ライトニング』と『ファイア』を10枚ずつフジの画面へとスライドした。


「カオさん……ありがと。俺、こんなんしかないけど、これ」


 そう言って、フジはトレード画面のこちら側に手榴弾を2個、置いてくれた。使い方わからんがな。


「と言う事は、旭川近辺に地下シェルターがある、と言う事ですね?」

「はい、恐らくは。ですが唯一場所を知っていた上官は海の藻屑に、俺のテレポリングと共に海に沈んでしまったので、ハッキリとした場所は不明です。今世話なっている稚内駐屯地でもシェルターの事は知らされていないようです」

「あの、今回一緒に上陸した中にリアルステータスが出ている人は居るんですか? それと稚内駐屯地の中でLAFをやってる人は」

「リアルステータス持ちは俺のみです」

「LAFでゲームをやられていた時はステータスが出た方も何人かいましたよね? その方達は?」

「茨城の地下シェルターで、囲い込みされた状態です。あの、誤解しないでいただければ……。自ら進んで囲まれたやつはいません。仲間が人質に取られています。それで抜け出せなくなっているのが現状みたいです。みたい、と言うあやふやな情報で申し訳ないです」


 そう言う事か。LAFであったあの熱い漢達が偉い奴に従っていたのはそう言う事だったのか。


「ハマヤンもサンバも俺も、あそこを抜けたい。でも仲間を死なせて抜けるのは……」


「やっておしまい、カオるん。私が許す」


 アネが無表情で俺に言った。


「俺も許す」
「僕も許します」
「僕もいいと思う」
「私も賛成ですが、果たしてカオるんに出来るのか」


 ミレさん、カンさん、ゆうご、タウさん?
 俺にどうしろと?

 あっ、良い事考えた。
 俺はまたフジの前に立ってトレード画面を開いた。
 今度はブランクスク詰めた『スリープ』を30枚、フジの画面へと置いた。


「どう使うかは、フジ次第だ」

「何だ?カオるん、何をフジに渡した? 武器か?核爆弾か?」


 ミレさん、俺、核爆弾なんて持ってないからな。


「スリープを渡した」

「なるほど! それは良い」

「カオるんにしては賢い判断だ!」


 だからミレさん、俺の事を何だと思ってんだ。俺は平和主義の優しいおっさんだってぇの。


「偉い人にはゆっくり眠って休んでもらって、仲間と荷物を助け出しな」

「いや、それよりも眠らせた偉い人を外に捨ててくればいいじゃないか?」

「捨てたやつがこっちに来たら嫌ですね。離れ小島に置いてきてください。カオるん、小舟も貸してあげてください」


 フジの顔が、来た時よりもずっと明るくなった。


「すみません、話がずれてしまいましたので戻します。フジさん、そのスクロールを使っての仲間救出は少し待って貰えますか?先に北海道開拓に動いて頂きたい」


 そうだった、その件で深夜にも関わらずフジを呼び出したのだ。


「自衛隊員の地上部隊は地下シェルターの事はご存知無いと思ってよいでしょう。知っていたらさっさとシェルターへ移動しているはずです。そこで各駐屯地周り、その近辺を整えてつつ味方を増やしてください」

「ブックマークの時に『うれトマ』か『養老』のどちらかを置いてきてる。それと水と食料も適当に詳細は一切説明していないので、放っておかれている可能性もあるがな」

「そうですか、では詳細の説明や説得はフジさんに。ゆうごくんとアネさんが護衛に付きます」

「護衛じゃないわ。前衛よ!魔植を殲滅するわ!」

「ありがとうございます!よろしくお願いします」

「ねぇ、カオるん、フジにもブックマーク共有しておいて。駐屯地30個のやつ。それと、船と車も幾つか渡してあげて」

「車は自衛隊のがあるのでは?」

「あら、そうね。じゃあ小型の船でいいかしら。モーターボートとか」


 俺はまたしてもフジとトレード画面を開いてモーターボートを幾つか置いた。


「あの……今からブックマークへ?」

「駐屯地30個だから30分かからないでしょ?」


 えぇ、もう、2時になるぞ?いや、俺はさっきまでの眠気の山は超えて今は目が冴えているが、マルクは瞼が半分落ちている。
 マルクをソファーに寝かせて、地図を持ったキヨカとフジを連れてブクマ地点を回った。
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