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279話 番外編 ナヒョウエ②
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「ゴンザエモンでも店舗からリアルへ持ち出せるのは製造したスクロールのみと言っていましたね」
「ナヒョウエで製造可能なのは、料理と矢ですか」
「うん、まぁ、持ち出せてもあまりリアルでは必要ないかなぁ。わざわざゲーム内で材料集めも今のとこと必要ないな」
「けれど、凄い事がひとつ、わかりました。ナヒョウエは、異世界と繋がっていませんか?」
皆の動きが止まった。ゆっくりとタウさんに視線が集まる。
タウさんはニコリと微笑んだ。
「店舗に並んでいたのは、ダンジョンバナナですよ?」
皆が息を飲む。…………わからんけど、息を飲んでおこう。待て、息ってどうやって飲むんだ?
「ゲーム内のモンスターからドロップしたただのバナナではない。ダンジョンバナナです。異世界の、ムゥナの街の近くにある、死霊の森ダンジョンのバナナです」
「驚いた、どういう事だ?」
「何でダンジョンバナナがゲームに……」
「ゲーム内でバナナを出すダンジョンってあったっけか?」
「今、キングジムさんに問い合わせましたが、無いそうです」
俺はナヒョウエへ入りカウンターへ向かう。
ゲーム内では店舗で購入する時はカウンターへ向かうとトレード画面が開き、商品を選ぶと料金が表示され『OK』ボタンで取引完了だ。
なるほどそこに表示された商品名は『死霊の森ダンジョンバナナ』と表記されていた。
LAFゲームには『死霊の森ダンジョンバナナ』などと言うアイテムは無かったはずだ。
だが、それは確かに陳列されていた。そしてゲーム内でそれを購入するとリアルアイテムボックスへと移動したのだ。
と言うか、俺は元からそれを大量に持っていたのでアイテムボックスに入ったかどうかわからなくなった。数を覚えておくんだった。
まぁいいや。
タウさんは話を続けた。
「ゲーム内に無い、異世界にはあったアイテムがナヒョウエで取引出来る。つまりそれは、ゲームのナヒョウエと彼方の世界が繋がっている、と考えられませんか?」
皆が喉を詰まらせたような顔になった。……息を飲んだりするから詰まらせるんだよ、普通に呼吸しろよ?
「そんなに驚かなくてもさ、俺たち異世界に行って、そんで地球に帰ってきたりしたんだぞ? ナヒョウエがちょっと繋がってるくらい大した事ないんじゃないか?」
「カオるんに言われると、そんな気がしてきましたね」
「そうですね。色々ありすぎて、それに比べたらまぁそうか」
「とりあえずビックリする癖がついてないか?」
皆が笑い出した。
ゴンちゃんの『スクロールが作れる』は大した事だったが、ナヒョウエはね。うん、マルクも大した事にならずにホッとしているようだった。
と、ホッとしたマルクの眉間に皺がよった。
「お父さん、ゲームのマルクのね、アイテムボックスの中に収納鞄がある」
えっ……、収納鞄?
ゲームには無かったよな?普通にアイテムボックスだもんな。
それって、異世界のクエストで貰った制限付きのアイテムボックスの『収納鞄』の事か?
「ゲームで?」
「うん、ゲームの中」
「マルク君、ゲームキャラが収納鞄を持っているのですか? 中身を確認してもらえますか?」
タウさんが慌ててマルクに確認をさせた。
収納鞄の中に入っていたのはリアルで入れておいた物だったそうだ。
「ゲームなのに?」
「ゲームで?」
「どうなってるんだよ。何でリアルの物体がゲーム内に?」
皆がまたマルクの背後へと集まった。
タウさんから言われて、マルクは鞄から恐る恐る出してみたがアイテムが消える事はない。
だが、出し入れ出来るのは店内のみだった。
店の外に出ると収納鞄はアイテムボックスから消えた。リアルアイテムボックスにはちゃんと入っているそうだ。
それを見たみんなも持っている収納鞄で試したが、ゲーム内に出現するのはマルクの鞄のみだった。
勿論店内でも出現する事は無かった。
「その鞄……、マルク君がこちらへ渡った時に投げ込まれた物ですよね。……つまり、鞄も異世界転移した…と?」
えっ。
つまり、ゴンちゃんマルクに次いで、鞄が勇者……、勇鞄?
「ナヒョウエで製造可能なのは、料理と矢ですか」
「うん、まぁ、持ち出せてもあまりリアルでは必要ないかなぁ。わざわざゲーム内で材料集めも今のとこと必要ないな」
「けれど、凄い事がひとつ、わかりました。ナヒョウエは、異世界と繋がっていませんか?」
皆の動きが止まった。ゆっくりとタウさんに視線が集まる。
タウさんはニコリと微笑んだ。
「店舗に並んでいたのは、ダンジョンバナナですよ?」
皆が息を飲む。…………わからんけど、息を飲んでおこう。待て、息ってどうやって飲むんだ?
「ゲーム内のモンスターからドロップしたただのバナナではない。ダンジョンバナナです。異世界の、ムゥナの街の近くにある、死霊の森ダンジョンのバナナです」
「驚いた、どういう事だ?」
「何でダンジョンバナナがゲームに……」
「ゲーム内でバナナを出すダンジョンってあったっけか?」
「今、キングジムさんに問い合わせましたが、無いそうです」
俺はナヒョウエへ入りカウンターへ向かう。
ゲーム内では店舗で購入する時はカウンターへ向かうとトレード画面が開き、商品を選ぶと料金が表示され『OK』ボタンで取引完了だ。
なるほどそこに表示された商品名は『死霊の森ダンジョンバナナ』と表記されていた。
LAFゲームには『死霊の森ダンジョンバナナ』などと言うアイテムは無かったはずだ。
だが、それは確かに陳列されていた。そしてゲーム内でそれを購入するとリアルアイテムボックスへと移動したのだ。
と言うか、俺は元からそれを大量に持っていたのでアイテムボックスに入ったかどうかわからなくなった。数を覚えておくんだった。
まぁいいや。
タウさんは話を続けた。
「ゲーム内に無い、異世界にはあったアイテムがナヒョウエで取引出来る。つまりそれは、ゲームのナヒョウエと彼方の世界が繋がっている、と考えられませんか?」
皆が喉を詰まらせたような顔になった。……息を飲んだりするから詰まらせるんだよ、普通に呼吸しろよ?
「そんなに驚かなくてもさ、俺たち異世界に行って、そんで地球に帰ってきたりしたんだぞ? ナヒョウエがちょっと繋がってるくらい大した事ないんじゃないか?」
「カオるんに言われると、そんな気がしてきましたね」
「そうですね。色々ありすぎて、それに比べたらまぁそうか」
「とりあえずビックリする癖がついてないか?」
皆が笑い出した。
ゴンちゃんの『スクロールが作れる』は大した事だったが、ナヒョウエはね。うん、マルクも大した事にならずにホッとしているようだった。
と、ホッとしたマルクの眉間に皺がよった。
「お父さん、ゲームのマルクのね、アイテムボックスの中に収納鞄がある」
えっ……、収納鞄?
ゲームには無かったよな?普通にアイテムボックスだもんな。
それって、異世界のクエストで貰った制限付きのアイテムボックスの『収納鞄』の事か?
「ゲームで?」
「うん、ゲームの中」
「マルク君、ゲームキャラが収納鞄を持っているのですか? 中身を確認してもらえますか?」
タウさんが慌ててマルクに確認をさせた。
収納鞄の中に入っていたのはリアルで入れておいた物だったそうだ。
「ゲームなのに?」
「ゲームで?」
「どうなってるんだよ。何でリアルの物体がゲーム内に?」
皆がまたマルクの背後へと集まった。
タウさんから言われて、マルクは鞄から恐る恐る出してみたがアイテムが消える事はない。
だが、出し入れ出来るのは店内のみだった。
店の外に出ると収納鞄はアイテムボックスから消えた。リアルアイテムボックスにはちゃんと入っているそうだ。
それを見たみんなも持っている収納鞄で試したが、ゲーム内に出現するのはマルクの鞄のみだった。
勿論店内でも出現する事は無かった。
「その鞄……、マルク君がこちらへ渡った時に投げ込まれた物ですよね。……つまり、鞄も異世界転移した…と?」
えっ。
つまり、ゴンちゃんマルクに次いで、鞄が勇者……、勇鞄?
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