紅碧の日々

春夏

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「…ん?カレー?」「匂うか?すまんな。先月からな、土曜の夜に年寄りの常連さん集めて夕飯食うとんねん」「へぇー。知らなかったぁ。俺、俺も常連じゃない?」「アンタはこれから仕事やろ。それに年寄りと違うやないか」「ちぇっ、バレたか」「バレるに決まっとるがな…。たまにはここやなくてカレー屋行って食うたらええやろ」「ヒドっ!俺ここが好きで来てるのに!」「そらどうも」「あー!信じてないでしょ。ホントにここが好きなんですよ」

碧は仕込みの手をとめて男に向き合った。「そう言ってもらえると嬉しいわ。ホンマにありがとう」真面目にそう答えると男は顔を赤くして慌てた。「…いや、あの、そんな改まって言われると…照れるじゃないですか」「ハハッ、顔が赤いで」「もう、揶揄わないでくださいよ」「…仕事上がったら食いに来るか?」「え!」「冗談や」「ウソでしょ!久々にカレー食べられると思ったのに!」

「ごちそうさまでした」「ん。いつもありがとさん」「…今日は土曜なので朝までなんです。朝ごはん、カレー食べにきてもいいですか」「……日曜は定休や。せやから…腹っぺらしの友達に食わせるカレーしかないけどそれでええなら」男は満面の笑みを浮かべた。
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