13 / 23
4.
4-1
しおりを挟む
「ほなお疲れ。乾杯」日曜の朝6時から飲むやなんて、怠惰なこっちゃ。碧は自分に呆れる。それでも「はぁー、うんまい!」と味のしみたおでんを頬張る茜の顔を見ていると、こんなんも悪ないな、と缶ビールを飲み干した。「碧はふだん飲むの?」「まぁビールくらいやな。夜は仕事せなならんし」「へ?喫茶店は終わってるでしょ?」「言うてなかったかな、俺の本業は物書きやねん」「え?知らない、初めて聞いたよ」「せやった?昨日の人は担当の編集さんや。今度出る本の打ち合わせやったんよ」「…俺、碧の彼女だと思って…」「挙動不審やったで」茜は眉を下げた。
「その本のカバーの色がこれや」碧は見本を手に取る。「綺麗な色だね」「この色の名前がな、」碧は急に恥ずかしくなった。碧空と茜空やなんて言うたら茜はどう思うやろ。黙ってしまった碧に茜が首を傾げる。「名前は?」茜に次のビールを渡し自分も飲む。喉が渇く。顔が熱い。鍋のせいや、碧は言葉を続ける。「…名前は紅碧。赤みがかった空の碧や」
茜の顔を見ることができない。日本酒に変えるのを装って、立ち上がって背を向けた碧に茜が静かに言った。「…じゃあ俺と碧の色だね」碧は背中に茜の体温を感じた。
「その本のカバーの色がこれや」碧は見本を手に取る。「綺麗な色だね」「この色の名前がな、」碧は急に恥ずかしくなった。碧空と茜空やなんて言うたら茜はどう思うやろ。黙ってしまった碧に茜が首を傾げる。「名前は?」茜に次のビールを渡し自分も飲む。喉が渇く。顔が熱い。鍋のせいや、碧は言葉を続ける。「…名前は紅碧。赤みがかった空の碧や」
茜の顔を見ることができない。日本酒に変えるのを装って、立ち上がって背を向けた碧に茜が静かに言った。「…じゃあ俺と碧の色だね」碧は背中に茜の体温を感じた。
3
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】この契約に愛なんてないはずだった
なの
BL
劣勢オメガの翔太は、入院中の母を支えるため、昼夜問わず働き詰めの生活を送っていた。
そんなある日、母親の入院費用が払えず、困っていた翔太を救ったのは、冷静沈着で感情を見せない、大企業副社長・鷹城怜司……優勢アルファだった。
数日後、怜司は翔太に「1年間、仮の番になってほしい」と持ちかける。
身体の関係はなし、報酬あり。感情も、未来もいらない。ただの契約。
生活のために翔太はその条件を受け入れるが、理性的で無表情なはずの怜司が、ふとした瞬間に見せる優しさに、次第に心が揺らいでいく。
これはただの契約のはずだった。
愛なんて、最初からあるわけがなかった。
けれど……二人の距離が近づくたびに、仮であるはずの関係は、静かに熱を帯びていく。
ツンデレなオメガと、理性を装うアルファ。
これは、仮のはずだった番契約から始まる、運命以上の恋の物語。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
禁書庫の管理人は次期宰相様のお気に入り
結衣可
BL
オルフェリス王国の王立図書館で、禁書庫を預かる司書カミル・ローレンは、過去の傷を抱え、静かな孤独の中で生きていた。
そこへ次期宰相と目される若き貴族、セドリック・ヴァレンティスが訪れ、知識を求める名目で彼のもとに通い始める。
冷静で無表情なカミルに興味を惹かれたセドリックは、やがて彼の心の奥にある痛みに気づいていく。
愛されることへの恐れに縛られていたカミルは、彼の真っ直ぐな想いに少しずつ心を開き、初めて“痛みではない愛”を知る。
禁書庫という静寂の中で、カミルの孤独を、過去を癒し、共に歩む未来を誓う。
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる