見えているもの

春夏

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律の真意がわからない湊が不安気に目を瞬かせる。
「律くんは…僕と一緒じゃない方が良かった…?」

「湊は俺達の大事な仲間で…俺達の可愛い弟だ。ずっとそう思ってきたし、ずっとそうやって接してきた。だけど」

湊の震える声が繰り返す。
「…だけど…?」

「湊と離れるなら、もう湊を弟だと思わなくてもいいんじゃないか、って」

湊の顔が青ざめる。
「…律くんは僕が嫌いなの…?」

「そんなわけないだろ。湊が弟じゃなければ…ただ素直に好きでいていいんじゃないか、って、そんなふうに思ったら…あれが見えるようになったんだ」

湊の青い顔にみるみるうちに生気が戻る。
「それから湊が体調を崩して、結局今日までずっと俺は兄でいるしかなくなって。だけどもう兄弟ごっこは終わりにしよう。湊が好きだ。あんなこと、俺以外の誰ともさせたくないんだ」

「…撮影が律くんと一緒じゃない時は…ポーズをとりたくてもとれなかった。妄想と同じポーズを取ることで、驚かせたり後ろめたい気持ちになってほしくてやってたのに…。だけどセックスを思い起こすことを、律くん以外とはどうしてもできなかった」

「湊の相手は俺だけだ。湊が見ているものを見せられるたびに、俺は相手を自分に変えてた」

「僕も…僕も妄想を見せられるたびに、相手を律くんに変えてた。律くんにしてほしい、律くんがいい。僕が好きなのは律くんだけなんだよ」
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