自立したい僕を社長が甘やかしてきます

春夏

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3.もっと知りたい

10.働き者のいちにち

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僕の毎日は変わらない。
朝は6時に起きて、洗濯機を回す。
朝ごはんを作って、同じおかずを弁当箱につめる。
洗濯物を干したら、歩いて5分の横山美化に出勤し、冷蔵庫にお弁当をしまったら09に行く準備。
三輪自転車に道具を積んで、自転車で10分。
2時間ほどで掃除を終えて、横山美化に戻る。
午前中の残りは洗剤の詰め替えや道具の補充、事務書類のファイリングやコピーなんかの簡単な事務仕事。
だけど、お弁当を食べたら、午後は特にやることがないのだ。

横山さんに迷惑をかけている自覚があった。
まずはオメガだということ。
若い男の人が多いところなんて、万が一のことを考えれば担当させることはできない。
そしてまだ車の運転ができないこと。
掃除道具やゴミ袋など、それなりの荷物になる。
09みたいに近ければ自転車でいいけれど…僕の前に09を担当していた広川さんは車だったそうだ。
「何か僕にできることはありませんか?」
「んー、考えてるんだけどなぁ。とりあえず電話番でもしながら勉強でもしてろ」

そんな僕に新しい仕事をくれたのは、横山さんのお父さん、この会社を始めた人だ。
「近所の年寄り仲間がよぉ、庭の草取りとか家具の移動とか、頼まれてくれる人いねえかな、って。葵にちょうどいいかと思ってよ。…もしもがあっても年寄りからなら逃げられるだろ」
そんなわけで、僕は『ちょこっとお手伝い』と名付けられた、2時間3000円、3時間5000円の激安サービスの担当者になった。

いまのところ、サービスは僕が自転車で行ける範囲に限られている。
1日1軒の予約制だけれど、予約が入っていなければ当日でもオッケー。
希望する仕事を聞いて、僕にできそうもないことだったらお断りする。
病院に送迎してほしい、とか、テレビが壊れた、なんて無理だもんね。

一応“美化関係で”、ということになっているけれど、家庭菜園の手伝いだとか、犬の散歩を頼みたい、とか、ネットで旅行の予約をしてほしい、なんていうのはお受けしている。
孫が来てくれたみたいだ、と、近隣のおじいちゃんおばあちゃん達にクチコミで広がって、激安とはいえ僕も少しは会社の役にたててるかも、なんて思うと嬉しい。

5時に退勤して、洗濯物を片付けたら学校の準備。
6時から9時まで授業を受けて、帰宅したらお風呂のお湯をためながら夕御飯。
ちょっとのんびりしてお風呂に入って11時に寝る。

これが僕の1日だったんだけれど。
なぜか毎晩チアキさんと連絡を取り合うことになったのだ。
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