自立したい僕を社長が甘やかしてきます

春夏

文字の大きさ
17 / 72
5.繋がる心

17.なんでも話せる仲なんです

しおりを挟む
「なんでお前らも行くねん」
「なんでじゃないよ!葵クンの貞操を守るためでしょ!」
「お前に淫行の前科がつくのを止めるためにな」

葵とメシを食うことを柴田と太田に告げたら、2人ともついてくると言い張って、断りきれずに3人で車に乗り込む。
「今夜いきなりどうこうしようやなんて思てへんぞ」
「わかってるって。念のためだよ、念のため」
「そうそう。それにボクの話もしないと」

男のオメガの生態について、柴田が葵に教えることを了承してくれた。
「…葵な、襲われかけたことあるらしいねん。それにまだヒートになったこともないらしいし」
「うん、すごく不安だと思うよ。ボクは兄さんもオメガだから、いろいろ聞けたけど…」
「奥山の恋の行方はともかく、そっちの方は早い方がいいからな」
「だよね。ボクも初めてのヒートは高校入ってすぐだったし」

同じ高校の出身だという2人は、その頃から付き合っとるそうや。
柴田がヒートになると、どんなに忙しくても太田も休暇をとって、2人で家に引きこもる。
「ヒートの間は何もできないからな。おかげでオレのメシ作りスキルが上がっちまった」
「ボクは食べたことも覚えてないんだけどね。とにかく他のこと考えらんなくなっちゃうから」

後部座席の2人は、恋人間のヒメゴトを隠そうともせん。
葵のヒート……他の誰にも面倒みさせたないなぁ。
「俺がついとるし」
「…まだ告ってもないくせに。フラれるかもよ?」
「言うてみなわからんやろ。大丈夫やと思うけどなぁ」
「…お前、会社作る時も同じこと言ったっけな。大丈夫やろ、って。今んとこ大丈夫だけどな」
「せやろ。俺の勘はたいてい当たんねん」

「ここが葵クンの高校かぁ。あ、終わったみたいだね」
正門前に車を停めて、メッセージを送る。
ほどなく既読がついて、バックミラーに葵がうつる。
「葵、お疲れさん」
車を降りて呼びかけると、小走りに近づいて頭を下げた。
「すみません。お待たせしちゃって」
「今来たとこや。でな、コイツらも行く言うて」
後部座席から2人が葵に手を振る。

「あ…よかった、2人きりだと緊張します」
緊張なんかせんでや、俺と葵の仲やんか。
「さ、葵はこっち。乗って」
助手席のドアを開けると、後ろの2人に挨拶しながらシートベルトを締めた。

「よし、ほな行こか」
メシ食って2人帰して、葵に告白や!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

流れる星、どうかお願い

ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる) オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年 高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼 そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ ”要が幸せになりますように” オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ 王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに! 一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが お付き合いください!

病弱の花

雨水林檎
BL
痩せた身体の病弱な青年遠野空音は資産家の男、藤篠清月に望まれて単身東京に向かうことになる。清月は彼をぜひ跡継ぎにしたいのだと言う。明らかに怪しい話に乗ったのは空音が引き取られた遠縁の家に住んでいたからだった。できそこないとも言えるほど、寝込んでばかりいる空音を彼らは厄介払いしたのだ。そして空音は清月の家で同居生活を始めることになる。そんな空音の願いは一つ、誰よりも痩せていることだった。誰もが眉をひそめるようなそんな願いを、清月は何故か肯定する……。

【完結】この契約に愛なんてないはずだった

なの
BL
劣勢オメガの翔太は、入院中の母を支えるため、昼夜問わず働き詰めの生活を送っていた。 そんなある日、母親の入院費用が払えず、困っていた翔太を救ったのは、冷静沈着で感情を見せない、大企業副社長・鷹城怜司……優勢アルファだった。 数日後、怜司は翔太に「1年間、仮の番になってほしい」と持ちかける。 身体の関係はなし、報酬あり。感情も、未来もいらない。ただの契約。 生活のために翔太はその条件を受け入れるが、理性的で無表情なはずの怜司が、ふとした瞬間に見せる優しさに、次第に心が揺らいでいく。 これはただの契約のはずだった。 愛なんて、最初からあるわけがなかった。 けれど……二人の距離が近づくたびに、仮であるはずの関係は、静かに熱を帯びていく。 ツンデレなオメガと、理性を装うアルファ。 これは、仮のはずだった番契約から始まる、運命以上の恋の物語。

運命よりも先に、愛してしまった

AzureHaru
BL
幼馴染で番同士の受けと攻め。2人は運命の番ではなかったが、相思相愛だった。そんな時、攻めに運命の番が現れる。それを知った受けは身籠もっていたが、運命の番同士の子供の方が優秀な者が生まれることも知っており、身を引く事を決め姿を消す。 しかし、攻めと運命の番の相手にはそれぞれに別の愛する人がいる事をしり、 2人は運命の番としてではなく、友人として付き合っていけたらと話し合ってわかれた。 その後、攻めは受けが勘違いしていなくなってしまったことを両親達から聞かされるのであった。

劣等生の俺を、未来から来た学院一の優等生が「婚約者だ」と宣言し溺愛してくる

水凪しおん
BL
魔力制御ができず、常に暴発させては「劣等生」と蔑まれるアキト。彼の唯一の取り柄は、自分でも気づいていない規格外の魔力量だけだった。孤独と無力感に苛まれる日々のなか、彼の前に一人の男が現れる。学院一の秀才にして、全生徒の憧れの的であるカイだ。カイは衆目の前でアキトを「婚約者」だと宣言し、強引な同居生活を始める。 「君のすべては、俺が管理する」 戸惑いながらも、カイによる徹底的な管理生活の中で、アキトは自身の力が正しく使われる喜びと、誰かに必要とされる温かさを知っていく。しかし、なぜカイは自分にそこまで尽くすのか。彼の過保護な愛情の裏には、未来の世界の崩壊と、アキトを救えなかったという、痛切な後悔が隠されていた。 これは、絶望の運命に抗うため、未来から来た青年と、彼に愛されることで真の力に目覚める少年の、時を超えた愛と再生の物語。

バツイチ上司が、地味な僕を特別扱いしてくる

衣草 薫
BL
理性的でクールなバツイチ上司・桐原恒一は、過去の失敗から、もう誰も必要としないと決めて生きてきた。 男が好きだという事実を隠し、「期待しなければ傷つかない」と思い込んできた部下・葉山直。 すれ違いと誤解の果てに、直が職場を去ろうとしたとき、恒一は初めて“追いかける”ことを選ぶ。 選ばれないと信じてきた直と、逃げないと決めた恒一。 二人の距離が近づくことで、直は「ここにいていい」と思える場所を見つけていく。 元ノンケ上司×自己肯定感低め部下の社会人BL。※ハッピーエンド保証。

たとえば、俺が幸せになってもいいのなら

夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語――― 父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。 弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。 助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。

ジャスミン茶は、君のかおり

霧瀬 渓
BL
アルファとオメガにランクのあるオメガバース世界。 大学2年の高位アルファ高遠裕二は、新入生の三ツ橋鷹也を助けた。 裕二の部活後輩となった鷹也は、新歓の数日後、放火でアパートを焼け出されてしまう。 困った鷹也に、裕二が条件付きで同居を申し出てくれた。 その条件は、恋人のフリをして虫除けになることだった。

処理中です...