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6.ふたりの金銭感覚
23.周知の事実
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『会社の人には秘密にするのかと思ってました』
恒例の夜の電話で葵が言う。
まあな、それはちょっと俺も迷った。
俺はどう思われようとかまへんけど、葵がどう思われるやろ、て心配やってん。
オメガのフェロモンで誘惑したんちゃうか、とか、金に目が眩んだんやろ、とか言われてまうかもしれん、てな。
けど柴田に言われたんよ。
「奥山、自分じゃ気がついてないみたいだけどさ。葵クンが近くにいる時、フェロモン出ちゃってるよ。社内のオメガは気がついてる」
「アルファもな。葵ちゃんからお前のマーキングが匂うから」
太田にも指摘されて、愕然としたわ。
自覚のないまま、葵の気持ちを確かめもしないうちから葵を囲いこもうとしとったなんてなぁ…。
せやから社内では俺が惚れ込んだっちゅうことがバレバレで、むしろ葵は被害者扱い。
「アルファのフェロモンも認識できない若い子に手を出すなんて」事務の子に怒られて。
「オメガとも付き合ったことがあるんだろうけど、伊原君に無理させんなよ?」営業のヤツにも釘をさされて。
『大事にしとるから見守ってくれ、て皆に言ってん。なんでか皆、葵の味方やったよ?』
『……ありがとうごさいます?』
無自覚に周りを惹きつけとるわ…見張っとかなあかん、葵は俺のモンや。
『今度の土曜日なんですけど、柴田さんと買い物に行くんです。えっと、あの…一緒には行きませんからね?』
『…わかっとる。けど電車やろ?帰りに駅まで迎えに行ってええかな。柴田も太田が行くやろし』
『太田さんが僕も家まで送ってくれるって言ってましたけど…智秋さんが来てくれるなら嬉しいです』
『ほな決まりやな。今度はゆっくりメシにしよな』
『……ラーメン屋さんでいい』
『ん、ラーメンでもええけど、いろんなとこ連れていきたいねん』
『…うん…』
歯切れの悪い返事がかえってくる。
『ま、その日の買い物しだいや。遅なったらその辺の店で食べよ』
『そうですね。わかりました』
葵は、俺が、誰かが自分に金を使うことを避ける。
柴田も自分が払う気満々やったけど、それも断りそうやし…。
まずは“俺の”常識の範囲でやらせてもらえるように、葵に慣れてもらわなあかん。
あのくらいの年の子が、それこそ常識の範囲で親に買ってもらう物さえ、諦めてきた葵に……。
恒例の夜の電話で葵が言う。
まあな、それはちょっと俺も迷った。
俺はどう思われようとかまへんけど、葵がどう思われるやろ、て心配やってん。
オメガのフェロモンで誘惑したんちゃうか、とか、金に目が眩んだんやろ、とか言われてまうかもしれん、てな。
けど柴田に言われたんよ。
「奥山、自分じゃ気がついてないみたいだけどさ。葵クンが近くにいる時、フェロモン出ちゃってるよ。社内のオメガは気がついてる」
「アルファもな。葵ちゃんからお前のマーキングが匂うから」
太田にも指摘されて、愕然としたわ。
自覚のないまま、葵の気持ちを確かめもしないうちから葵を囲いこもうとしとったなんてなぁ…。
せやから社内では俺が惚れ込んだっちゅうことがバレバレで、むしろ葵は被害者扱い。
「アルファのフェロモンも認識できない若い子に手を出すなんて」事務の子に怒られて。
「オメガとも付き合ったことがあるんだろうけど、伊原君に無理させんなよ?」営業のヤツにも釘をさされて。
『大事にしとるから見守ってくれ、て皆に言ってん。なんでか皆、葵の味方やったよ?』
『……ありがとうごさいます?』
無自覚に周りを惹きつけとるわ…見張っとかなあかん、葵は俺のモンや。
『今度の土曜日なんですけど、柴田さんと買い物に行くんです。えっと、あの…一緒には行きませんからね?』
『…わかっとる。けど電車やろ?帰りに駅まで迎えに行ってええかな。柴田も太田が行くやろし』
『太田さんが僕も家まで送ってくれるって言ってましたけど…智秋さんが来てくれるなら嬉しいです』
『ほな決まりやな。今度はゆっくりメシにしよな』
『……ラーメン屋さんでいい』
『ん、ラーメンでもええけど、いろんなとこ連れていきたいねん』
『…うん…』
歯切れの悪い返事がかえってくる。
『ま、その日の買い物しだいや。遅なったらその辺の店で食べよ』
『そうですね。わかりました』
葵は、俺が、誰かが自分に金を使うことを避ける。
柴田も自分が払う気満々やったけど、それも断りそうやし…。
まずは“俺の”常識の範囲でやらせてもらえるように、葵に慣れてもらわなあかん。
あのくらいの年の子が、それこそ常識の範囲で親に買ってもらう物さえ、諦めてきた葵に……。
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