自立したい僕を社長が甘やかしてきます

春夏

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7.両親への挨拶

28.ヤベエのに捕まってんじゃん

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「葵、なんかいいことあった?」
授業を終えた帰り道、斉藤がいつも僕を送ってくれる。
ちょうど途中に僕の家があるからでもあるけれど、暗い夜道をオメガが1人で歩く危険を考えてくれているのだ。
「あのね…僕、恋人ができたんだ」
「マジで!?アルファ?」
「うん。年上の優しい人」
「…騙されてないよな?無理矢理とかだったら…」
「違う違う。僕もちゃんと好きだし…お墓にも一緒に行ってくれたんだ」
「…そっかぁ…それなら本気かも」
「学校の帰り、迎えに行こうか?って言われたけど断った。斉藤がいてくれるから、って。そしたら斉藤にも挨拶したいって言ってたよ」
「マジかぁ…それ、オレ睨まれたりしねえかな?」

後日、智秋さんが迎えにきて、斉藤も一緒に夕飯をご馳走になった。
「奥山さんさぁ…やっぱり怖えよ。葵がトイレ行った時、“葵に惚れたら許さんぞ。葵が誰のモンかわかっとるやろな?”って、そりゃもう怖えのなんのって。ヤのつく職業の人かと思うくらい!なんかあったらすぐ連絡しろ、って。葵、ちょー愛されちゃってんじゃんよ」
顔が熱い、智秋さん、そんなこと言ったの?
「…あー、なんかわかったかも…。葵、いつもそんな顔してんの?そりゃ溺愛しちゃうわけだ」
……僕、どんな顔してんの?!

「葵、相談があるんだけどな。いま、午前中は09行ってるだろ?それをやめにしないか?」
「え…?どういうことですか?」
「“ちょこっと”の依頼が増えててさ。常連さんにも、午前中にお願いしたいんだけど、って人が結構いるんだよ。奥山さんとは09で会わなくてもいいだろ」
「…僕の仕事がダメだったからじゃなく?」
「逆だよ逆。ちょこっとの人気がありすぎなの!もうちょい高値に設定しときゃよかったかなぁ」

「実はな、09には相談済みなんだ。あそこの人達は葵が好きすぎるな?!みんな“癒しの伊原君”って。でもな、雨の日でも自転車に荷物積んで行き来する葵を心配してくれてたぞ。それに柴田さんだったか?あの人が“初めてのヒートが来るまではここの担当でいた方が安心”って。学校でなるならまだしも、ちょこっとの家でなってしまったら大変だから、って」
「…09の人はみんな僕によくしてくれるんです」
「うん。奥山さんが悪者みたいになってたぞ」
僕はちょっと笑ってしまった。

『…ってことなんですけど、智秋さんも知ってたんですね?』
『黙っててすまんかった。でもな、葵がちょこっとを楽しみにしとるの知っとったし、会社では会えんことも多いし…そのぶん週末に会っとるしな』
『ん…僕も“午前中はダメなの?”って聞かれること、結構あるんです。でも09に行くのも好きだし…』
『俺もな、会社でも葵に会えるのは嬉しい。けどな、やっぱり自転車じゃ足りひんこともあるやろ。葵の仕事に文句はないねん。それだけは勘違いせんといて』

というわけで、初めてのヒートを経験したら、僕はちょこっとに専念することになった。
なのにそれからすぐ、斉藤が智秋さんに連絡を入れることになるなんて、僕には予想もできないことだった。
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