れいちゃんの執事

春夏

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1.時島病院

1.プロローグ

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「おっ、すまん」「いや、こちらこそ」

時々あるやろ、反対側から来た知らない人と進路を譲り合ったはずやのに、なんでか同じ方向に避けてまうやつ。気まずく笑い合って先を急ぐ、そうなるはずやったのに、そいつは俺の顔を驚いたように凝視しとった。

「?なんやろ?」「…あ、いや、ごめん。なんでもない」「おい、櫂。遅れるぞ」「おう、…ほなな」

「…カイ…見つけた」
見惚れるような笑みを浮かべてスマホを取り出す。
「…父さん?見つけたよ、カイ君。半年で見つけられるなんてね、やっぱり縁があるんじゃない?…うん、調べてみて」
同じ目にあった者同士、ちゃんと監視つけとくべきだったんだよねぇ。あの顔、間違いない。カイ君だ。大事な大事な弟を守ってくれたカイ君。

静かに動いていたはずの櫂の生活。
それは櫂の預かり知らないところで変わろうとしていた。
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