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1.時島病院
6.俺達の誇りや
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大人達には効果的な治療が2人にとってはそうではなかったことを櫂が知ったのは、全てが終わってからだ。櫂に殴りかかっていた時島院長を理性の残っていた医師達がなんとか引き剥がして、櫂とれいちゃんを助け出した。打撲の影響で熱を出した櫂が目覚めた時には、れいちゃんはもう病院にいなかった。
内部告発だったのだそうだ。この治療は子どもには害悪だ、と。フェロモンを抑えることができるようになったのではなかった。出せなくなったのだ。櫂の体は誘発剤と抑制剤の乱用で壊れてしまった。フェロモンを出さなくなった代わりに感じることもできなくなっていた。周囲のアルファのフェロモンも、発情したオメガのフェロモンさえも感じとることができなくなってしまったのだった。
「…れいちゃんはどないなってもうたん…」
「…わからない。せやけど櫂が守ったおかげで傷ひとつなかったそうや。お前は立派なアルファだ。俺達の誇りや」
涙を流す母の肩を抱き、父も泣きながらそう言った。
「怜理を守ってくれた君に僕ができたのは、それなりのお金を渡すことだけだった」
あぁ、その金で誰一人俺のことを知らんところへ引っ越して、勤めていた旅館を辞めて小さな居酒屋を始めて、俺を守って育ててくれたんや。進藤父の言葉に櫂は小さく頷いた。
内部告発だったのだそうだ。この治療は子どもには害悪だ、と。フェロモンを抑えることができるようになったのではなかった。出せなくなったのだ。櫂の体は誘発剤と抑制剤の乱用で壊れてしまった。フェロモンを出さなくなった代わりに感じることもできなくなっていた。周囲のアルファのフェロモンも、発情したオメガのフェロモンさえも感じとることができなくなってしまったのだった。
「…れいちゃんはどないなってもうたん…」
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