れいちゃんの執事

春夏

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3.やらせてください

11.俺のせいや

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「つっかれたー…」
大学に入って2年、家賃の安さで決めた古くて狭いアパートに帰った櫂は、シャワーも浴びずに敷きっぱなしの布団に倒れ込んだ。

れいちゃん、大きなったなぁ。あれから7年、高校1年やて。まだ俺の方が背が高いけど、れいちゃんはちゃんとアルファや、そのうち抜かれてまうやろ。ちゃんとアルファ…ホンマにそうやったら良かったのに。オメガの発情期、そんな目に合うとるやなんて、なんちゅうこっちゃ。俺が時島病院に行かんかったら、あの頃の俺があの治療を断っとったら、俺が子どもの治療という前例を作らんかったら。れいちゃんはそのうち自分でフェロモンを抑えられるようになっとったはずや。…俺のせいや。あの子が辛い思いをしとるのは俺のせいや。櫂は泣いた。

「マナーや綺麗な所作、金や人の使い方、今までの俺には無縁だったこと。一通りのことができるようになるまでは、怜理君の執事になれへん。せやから俺に耀の執事を紹介してくれ。いろいろ教えてくれるよう、頼んでほしいんよ」
「…櫂はマジメだねぇ…。でもありがとう。ちゃんとやる気になってくれたんだね。うん、今日、俺の部屋に来てよ。紹介する」

俺のせいやからな。俺はれいちゃんに償わなあかんねん。俺の生涯を賭けてでも、あの子を守らなあかんねん。
どこか投げやりに生きてきた櫂の、人生の目標がようやく見つかった。
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