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6.怜理15歳
26.side 怜理の親友
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「怜理、今日なんか機嫌よくない?」
「えー?わかっちゃう?」
「…そりゃまぁ…なんていうか、フワッフワしてるし」
小学校から高校までエスカレーターのこの男子校で、1番ウマが合っているのが怜理だ。アルファそして金持ちの多いこの学園で、数少ないベータかつ中の上の家庭環境のオレがなぜか懐かれてしまった。怜理の体質の秘密さえ打ち明けられるほどに。
「あのね、今日、カイ君が迎えに来てくれるんだ」
そう、好きな人さえ教えてもらえるほどに。
カイ君。怜理が入院先で知り合った男。もちろんオレは会ったこともないけれど、飽きるほどその名前を聞いた。カイ君どこにいるんだろう、元気にしてるかな、僕のこと覚えてるかな。
そのカイ君を耀さんが見つけてきた日、怜理は泣きながら電話をかけてきた。カイ君に会えたよ、カイ君が僕のこと覚えててくれたよ。
この人が松浦櫂。
おう、確かに男前。正門の前、他の生徒が歩いているのに抱きつく怜理を困ったような笑いを浮かべて受けとめて、待たせてすまんかった、なんて言ってるこの人が、怜理の執事。
「友達やろか?れいちゃんが迷惑かけとらんかな」
オレにまで気を遣ってくれるんだ。お人好しか?
「いつも面倒みさせられてます」
「…しゃあないなぁ…あかんやろ、ちゃんとせな」
「ちゃんとしてるもん!僕が甘えたいのはカイ君だけ!」
…よし、もう絶対甘やかさねぇからな。それにしても松浦櫂、こんな好き好きオーラ出されてんのに気がつかねぇの?
「…そんなこと言うたらあかん。誤解されるやろ。れいちゃんが困ることになるんよ」
…そっか。この人はちゃんと怜理の好意に気づいてる。それでいて、自分じゃダメだって線を引いてるのか。
「絶対にカイ君の恋人になってみせる」
あの日の電話でそう宣言した怜理。お兄ちゃんでも執事でもない。僕はカイ君の恋人になりたいの。
松浦さんの手強さに弱気になる怜理を慰める自分を思い浮かべながら、歩き出す2人を見送った。
「えー?わかっちゃう?」
「…そりゃまぁ…なんていうか、フワッフワしてるし」
小学校から高校までエスカレーターのこの男子校で、1番ウマが合っているのが怜理だ。アルファそして金持ちの多いこの学園で、数少ないベータかつ中の上の家庭環境のオレがなぜか懐かれてしまった。怜理の体質の秘密さえ打ち明けられるほどに。
「あのね、今日、カイ君が迎えに来てくれるんだ」
そう、好きな人さえ教えてもらえるほどに。
カイ君。怜理が入院先で知り合った男。もちろんオレは会ったこともないけれど、飽きるほどその名前を聞いた。カイ君どこにいるんだろう、元気にしてるかな、僕のこと覚えてるかな。
そのカイ君を耀さんが見つけてきた日、怜理は泣きながら電話をかけてきた。カイ君に会えたよ、カイ君が僕のこと覚えててくれたよ。
この人が松浦櫂。
おう、確かに男前。正門の前、他の生徒が歩いているのに抱きつく怜理を困ったような笑いを浮かべて受けとめて、待たせてすまんかった、なんて言ってるこの人が、怜理の執事。
「友達やろか?れいちゃんが迷惑かけとらんかな」
オレにまで気を遣ってくれるんだ。お人好しか?
「いつも面倒みさせられてます」
「…しゃあないなぁ…あかんやろ、ちゃんとせな」
「ちゃんとしてるもん!僕が甘えたいのはカイ君だけ!」
…よし、もう絶対甘やかさねぇからな。それにしても松浦櫂、こんな好き好きオーラ出されてんのに気がつかねぇの?
「…そんなこと言うたらあかん。誤解されるやろ。れいちゃんが困ることになるんよ」
…そっか。この人はちゃんと怜理の好意に気づいてる。それでいて、自分じゃダメだって線を引いてるのか。
「絶対にカイ君の恋人になってみせる」
あの日の電話でそう宣言した怜理。お兄ちゃんでも執事でもない。僕はカイ君の恋人になりたいの。
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