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9.兄
1.チェイル
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「…というわけで明日の登校は少し遅れる。ミクールだけだから出迎えを頼むよ…まぁ、今頃ナルジスに連絡しているかもしれないが」そう言うとサートスが笑いを含んだ声で「そのようですね。先ほどナルジスの部屋から声が聞こえましたから」と返された。
ミクールの発案で開発が始まった新しい魔導具。マジックバッグに様々な機能をつける、というものだったが、まず成功したのが相手に声を届ける機能だ。登録された魔力の主同士であれば遠く離れていても連絡を取れるというこの機能は、ロバートの手によって掌サイズの魔導具に改良されて、あっという間に貴族や商人に広まった。こんな時間でもサートスと簡単に連絡を取り合える便利な道具。まったくミクールはよく考えついてくれたもんだ。
学園の卒業を控え、第三王子の自分にも公務が回ってくるようになった。サートスが正式に側近になってくれることが決まったので心強い。私には可愛い恋人がいてくれるが、サートスもようやく決まったようだ。「側近になったらなかなか家に戻れないかもしれないが…」「それを安心して預けられる人ですから」さすがはサートス、ますます心強い。
サートスと仲良くなったのは弟の話がきっかけだった。「うちの弟が生意気で」とクラスメイトと話していたサートスに「弟ならうちにもいるぞ」と声をかけたのだ。あの時、「愛想のかけらもない」と言われていたナルジスが毎朝満面の笑みでミクールを出迎える。「子どもっぽくてなぁ」と伝えたはずのミクールが頬を染めてその迎えを受けているだなんて、あの2人の仲の良さは、まったく何がどうなっているんだか。
その謎がとけたのは神妙な顔つきのナルジスを連れてサートスが城を訪ねて来た時だった。
ミクールの発案で開発が始まった新しい魔導具。マジックバッグに様々な機能をつける、というものだったが、まず成功したのが相手に声を届ける機能だ。登録された魔力の主同士であれば遠く離れていても連絡を取れるというこの機能は、ロバートの手によって掌サイズの魔導具に改良されて、あっという間に貴族や商人に広まった。こんな時間でもサートスと簡単に連絡を取り合える便利な道具。まったくミクールはよく考えついてくれたもんだ。
学園の卒業を控え、第三王子の自分にも公務が回ってくるようになった。サートスが正式に側近になってくれることが決まったので心強い。私には可愛い恋人がいてくれるが、サートスもようやく決まったようだ。「側近になったらなかなか家に戻れないかもしれないが…」「それを安心して預けられる人ですから」さすがはサートス、ますます心強い。
サートスと仲良くなったのは弟の話がきっかけだった。「うちの弟が生意気で」とクラスメイトと話していたサートスに「弟ならうちにもいるぞ」と声をかけたのだ。あの時、「愛想のかけらもない」と言われていたナルジスが毎朝満面の笑みでミクールを出迎える。「子どもっぽくてなぁ」と伝えたはずのミクールが頬を染めてその迎えを受けているだなんて、あの2人の仲の良さは、まったく何がどうなっているんだか。
その謎がとけたのは神妙な顔つきのナルジスを連れてサートスが城を訪ねて来た時だった。
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