61 / 75
11.ダンジョン探索
1.焼き付ける
しおりを挟む
「これが自動ドア。何かが近くに来ると、センサー…動くものやその温度、重さなんかに反応するように作られてるらしいです。ロバート先生、この中にはそういういろんな仕組みのものがあって…俺達にはわからないものも多いんだ。でもきっと先生ならそれをこの世界に活かせるはずなんです」そう、主人公を育てた魔道具師ロバートなら。先生はちょっと不思議そうな顔をしたけれど「期待に応えたいですね」と微笑んだ。
その自動ドアから中に入った俺達が見たのはあの頃のままの光景だった。混雑した受付、呼び出しのアナウンス。「…ナルジス…?」サンディの視線の先にいたのは父さんと母さんに挟まれて座る“成”だった。そうか、これは記憶のスクリーン。てことはミクもどこかに…「ミク様だ!」ローサの声に振り向けば、“未来”がエスカレーターで2階に上がっていくところ。立ち竦む俺とミクの肩をワイルズさんが優しく抱いて、ためらうように尋ねた。「…この先もこんなふうに思い出を突きつけられるかもしれない。耐えられるか?」
父さんと母さんがいた。思わず走り寄りそうになった。あれは本物じゃないとわかっているのに。アルジェンの父母のことも間違いなく愛しているのに、父さんと母さんの間にいる成が羨ましくてたまらない。俺はもう一度3人を見つめ、瞳の奥が痛くなるまでその姿を焼き付けた。
「ミク」「ナル」互いを呼びかけた声が揃う。「…サンダー、撃つね」「あぁ。俺もそれを頼もうとしてた」俺の手を握ったミクが大きく息を吸って叫んだ。「パパ!ママ!僕、ここにいるよ!ナルがいるから心配しないで!僕、生きてるよ!」俺も同じことを父さん母さんに伝えて…エントランスを稲光が貫いた。
その自動ドアから中に入った俺達が見たのはあの頃のままの光景だった。混雑した受付、呼び出しのアナウンス。「…ナルジス…?」サンディの視線の先にいたのは父さんと母さんに挟まれて座る“成”だった。そうか、これは記憶のスクリーン。てことはミクもどこかに…「ミク様だ!」ローサの声に振り向けば、“未来”がエスカレーターで2階に上がっていくところ。立ち竦む俺とミクの肩をワイルズさんが優しく抱いて、ためらうように尋ねた。「…この先もこんなふうに思い出を突きつけられるかもしれない。耐えられるか?」
父さんと母さんがいた。思わず走り寄りそうになった。あれは本物じゃないとわかっているのに。アルジェンの父母のことも間違いなく愛しているのに、父さんと母さんの間にいる成が羨ましくてたまらない。俺はもう一度3人を見つめ、瞳の奥が痛くなるまでその姿を焼き付けた。
「ミク」「ナル」互いを呼びかけた声が揃う。「…サンダー、撃つね」「あぁ。俺もそれを頼もうとしてた」俺の手を握ったミクが大きく息を吸って叫んだ。「パパ!ママ!僕、ここにいるよ!ナルがいるから心配しないで!僕、生きてるよ!」俺も同じことを父さん母さんに伝えて…エントランスを稲光が貫いた。
13
あなたにおすすめの小説
【完結】巷で噂の国宝級イケメンの辺境伯は冷徹なので、まっっったくモテませんが、この度婚約者ができました。
明太子
BL
オーディスは国宝級イケメンであるにも関わらず、冷徹な性格のせいで婚約破棄されてばかり。
新たな婚約者を探していたところ、パーティーで給仕をしていた貧乏貴族の次男セシルと出会い、一目惚れしてしまう。
しかし、恋愛偏差値がほぼ0のオーディスのアプローチは空回りするわ、前婚約者のフランチェスカの邪魔が入るわとセシルとの距離は縮まったり遠ざかったり…?
冷徹だったはずなのに溺愛まっしぐらのオーディスと元気だけどおっちょこちょいなセシルのドタバタラブコメです。
【16話完結】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /チャッピー
AI比較企画作品
嫌いなあいつが気になって
水ノ瀬 あおい
BL
今しかない青春だから思いっきり楽しみたいだろ!?
なのに、あいつはいつも勉強ばかりして教室でもどこでも常に教科書を開いている。
目に入るだけでムカつくあいつ。
そんなあいつが勉強ばかりをする理由は……。
同じクラスの優等生にイラつきを止められない貞操観念緩々に見えるチャラ男×真面目で人とも群れずいつも一人で勉強ばかりする優等生。
正反対な二人の初めての恋愛。
【完結】オーロラ魔法士と第3王子
N2O
BL
全16話
※2022.2.18 完結しました。ありがとうございました。
※2023.11.18 文章を整えました。
辺境伯爵家次男のリーシュ・ギデオン(16)が、突然第3王子のラファド・ミファエル(18)の専属魔法士に任命された。
「なんで、僕?」
一人狼第3王子×黒髪美人魔法士
設定はふんわりです。
小説を書くのは初めてなので、何卒ご容赦ください。
嫌な人が出てこない、ふわふわハッピーエンドを書きたくて始めました。
感想聞かせていただけると大変嬉しいです。
表紙絵
⇨ キラクニ 様 X(@kirakunibl)
嘘つき王と影の騎士
篠雨
BL
「俺の役割は、貴方を守ることだ。……例え、貴方自身からも」
国の平穏を一身に背負い、十二年間「聖王」という偶像を演じ続けてきたセシル。
酷使し続けた心身はすでに限界を迎え、その命の灯火は今にも消えようとしていた。
そんな折、現れたのは異世界からの「転移者」。
代わりを見つけた国は、用済みとなったセシルからすべてを剥奪し、最果ての地へと追放する。
死を待つためだけに辿り着いた冬の山。
絶望に沈むセシルの前に現れたのは、かつて冷徹に王を監視し続けていた近衛騎士団長、アルヴィスだった。
守るべき王も、守るべき国も失ったはずの二人が過ごす、狭い小屋での夜。
無価値になり、壊れかけた自分を、なぜこの男は、そんな瞳で見つめるのか。
なぜ、そんなにも強く、抱きしめるのか。
これは、すべてを失った「聖王」が、一人の男の熱に暴かれ、再生していくまでの物語。
聖者の愛はお前だけのもの
いちみりヒビキ
BL
スパダリ聖者とツンデレ王子の王道イチャラブファンタジー。
<あらすじ>
ツンデレ王子”ユリウス”の元に、希少な男性聖者”レオンハルト”がやってきた。
ユリウスは、魔法が使えないレオンハルトを偽聖者と罵るが、心の中ではレオンハルトのことが気になって仕方ない。
意地悪なのにとても優しいレオンハルト。そして、圧倒的な拳の破壊力で、数々の難題を解決していく姿に、ユリウスは惹かれ、次第に心を許していく……。
全年齢対象。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる