先生と俺

春夏

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side 幸久

…ここ、どこ…。目を開けたら知らない天井。病院の匂い?手を動かそうとして、片手を誰かが握ってることに気がついた。

その人は俺の手を固く握りしめたまま、ベッドの横の椅子で眠っている。カッコいい人だな。でも…。知らない人に手を握られているのが嫌で、俺は手を振りほどいた。

「…ん…?幸久!目ェ覚めたんか!」この人、俺のこと知ってるの?なんで?俺の知ってる人だっけ?「…あの…」声が上手く出せない。なんで?何がどうなってんの?その人が俺の頭を撫でようと手を伸ばしたから、怖くなって避けてしまった。「幸久?」「あの、」よかった、声が出る。掠れてるみたいだ。声変わりの途中だからかな。「あの、どなたですか?なんで俺、ここにいる?」その人は目を見開いて俺を見て…「そのまま寝とれ。先生を呼んでくるわ」と病室を出ていった。

「幸久!」父さんとお医者さんが入ってきた。「父さん?なんで俺、病院にいるの?」「覚えてないのか?事故に巻き込まれたんだよ。4日も目を覚まさなくて…心配したんだぞ」「村上君、ちょっと診察するからね」体は動くか、名前はわかるか、いろいろ聞かれる。「傷を消毒するから。ちょっと痛いかもしれないけど我慢して」そう言われて自分があちこち怪我してることに気がつく。「大丈夫だと思いますが、あとで一応脳の検査もしておきましょう」父さんがお医者さんに頭を下げた。

「大丈夫か?」「うん。さっきの消毒、しみて痛かったけど」「まったく…無事でよかった」「ごめん。心配かけちゃった。ねぇ父さん、さっきの人、誰?」父さんは困ったような顔で俺を見た。
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