先生と俺

春夏

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side 幸久

「幸久、父さんは本当に心配したんだぞ。ふざけるなよ」「ふざけてなんかないよ。あの人、俺の知ってる人だったっけ?俺の手、握ったりして、なんなの?」「幸久!いいかげんにしなさい」「なんなんだよ!だってホントに」「小林君に怒られるぞ」「小林君?あの人、小林っていうんだ。やっぱり知らない人じゃんか」「…幸久」

「ねぇ、俺、どれくらい寝てた?夏休み終わっちゃった?よその高校の陸上部、見学に行かなきゃならなかったのになぁ」「…何を言ってんだ。幸久は高校2年生だろ。行くなら大学のオープンキャンパスじゃないか」「…は?ウソだろ?だって俺、部活やめたから体なまらないように走ってて…それで事故に遭ったんじゃないの?」「…幸久は高校生で…小林君は…担任の先生だよ」父さんは泣きながらそう言った。

病室にひとり残された俺は混乱している。俺が高校生?そんなわけないじゃん。担任の先生って…なんで先生が手なんか握るんだよ。訳が分からない。だいいち俺の担任は伊藤先生だし。俺が高校生で、担任は小林先生で、父さんは先生のことなぜか小林君って呼んでて、先生は俺の手を握ってて。なにからなにまでわかんない。……怖い。無意識に手が胸のあたりを探る。無い…何が?俺、いま何を探してた…?
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