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side 亮太
「先生!」職員室の扉が開いて、そこにいたのは顔を上気させた幸久。ここに居るのは先生ばかりやけれど、呼ばれとるのは俺やろ、と廊下に出る。
「どしたん、そんなに」息をきらして、と続けようとした俺を幸久が遮った。「思い出した、思い出したよ。俺、全部思い出したよ。ごめん、ごめんなさい、ごめんなさい」頭が真っ白になって、ただ立ち竦む。折よく通りがかった校長が、俺達を引きずるように校長室に放り込んだ。
「鍵をかけておくから。2人でゆっくり話しなさい」と校長が出ていく。幸久はずっと泣いている。ごめん、ごめん、と繰り返して、もう俺のこと好きじゃない?もう俺のこと要らない?と泣いている。心が晴れる。思い出した…幸久が俺のことを思い出した…!
緊張に震える指を幸久の頬に伸ばす。「泣かんといて。幸久…俺のとこに帰ってきてくれてありがとう」止まらない涙を吸い取って、夢にまでみた唇を重ねた。
[全部思い出したよ。心配かけてごめん]幸久のメッセージにオヤジさんは[そうか。本当に良かった。今夜は父さんを1人でのんびりさせてくれ]と粋な返事をくれよった。「…俺、ヒートじゃないけど…亮太の家で待ってていい?」幸久が俺の名前を呼ぶ。「あたりまえやろ。もう、もうどこにも行かんといて」今度は幸久が俺の涙を吸い取った。「あのさ、今夜…こっちも噛んで」他人には見えない噛み痕が残る右のうなじ。俺にだけ見える所有の証。幸久が左のうなじを指さして、俺の唇に甘く噛みついた。
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お読みいただきありがとうございました。
アルファとオメガを自分の書きたいように書いてしまいました。
次の話もよろしくお願いします。
明日から投稿します。
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「先生!」職員室の扉が開いて、そこにいたのは顔を上気させた幸久。ここに居るのは先生ばかりやけれど、呼ばれとるのは俺やろ、と廊下に出る。
「どしたん、そんなに」息をきらして、と続けようとした俺を幸久が遮った。「思い出した、思い出したよ。俺、全部思い出したよ。ごめん、ごめんなさい、ごめんなさい」頭が真っ白になって、ただ立ち竦む。折よく通りがかった校長が、俺達を引きずるように校長室に放り込んだ。
「鍵をかけておくから。2人でゆっくり話しなさい」と校長が出ていく。幸久はずっと泣いている。ごめん、ごめん、と繰り返して、もう俺のこと好きじゃない?もう俺のこと要らない?と泣いている。心が晴れる。思い出した…幸久が俺のことを思い出した…!
緊張に震える指を幸久の頬に伸ばす。「泣かんといて。幸久…俺のとこに帰ってきてくれてありがとう」止まらない涙を吸い取って、夢にまでみた唇を重ねた。
[全部思い出したよ。心配かけてごめん]幸久のメッセージにオヤジさんは[そうか。本当に良かった。今夜は父さんを1人でのんびりさせてくれ]と粋な返事をくれよった。「…俺、ヒートじゃないけど…亮太の家で待ってていい?」幸久が俺の名前を呼ぶ。「あたりまえやろ。もう、もうどこにも行かんといて」今度は幸久が俺の涙を吸い取った。「あのさ、今夜…こっちも噛んで」他人には見えない噛み痕が残る右のうなじ。俺にだけ見える所有の証。幸久が左のうなじを指さして、俺の唇に甘く噛みついた。
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アルファとオメガを自分の書きたいように書いてしまいました。
次の話もよろしくお願いします。
明日から投稿します。
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