「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」

(イェイソン・マヌエル・ジーン)

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第33章: さらなるゴブリン

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森の外にある洞窟のゴブリンの巣を殲滅する依頼を終えた後、

まだ日が暮れるまで時間があったので、俺たちは森に残って少し話すことにした。

その後、周囲に残っている別のゴブリン討伐の依頼があったので、さらに向かうことになった。

今度のゴブリンたちは洞窟にいなかったので、魔法を使わずに戦える。

それなら俺の状態を怪しまれないし、さらに魔法なしの訓練にもなる。

魔法を使わずに強くなれれば、魔法が戻った時に今まで以上に強くなれる。

だから今の俺はそこまでイライラしていない。

俺の体はずっと魔法を使う戦い方に慣れていたから、あのオーガと戦った時は正直少し苦戦した。

まぁ、あの時はリリアが遺跡から持ってきてくれた剣を持っていなかったのも理由だが。

でも今は違う。今日は剣を持っている。

だからあの時よりは簡単だと思った……が、ゴブリンは数も多いし、オーガより賢い。

オーガは脳筋で突っ込んでくるだけだが、ゴブリンは罠も使うし、武器も使うし、人間のように狩りまでできる。

力だけならオーガの方が強いが、知恵の分だけゴブリンの方が危険だ。

もし言葉まで話せるようになったら、それは世界にとって異常事態だ。

そんな獣が人間と同じ思考を持ったら手がつけられない。

しかも彼らは剣、弓、槍、盾などの武器の扱いを自然と覚える。

魔法まで使えたら、本当に最悪だ。

師匠から聞いた話では、ゴブリンは人間の死体をわざと放置して助けを呼ばせ、

駆けつけた者たちを伏兵で殺すらしい。

どこまで頭が回るんだあいつらは。

だが、いくら頭が良くても、俺ほど鍛えてはいない。

俺は小さい頃から師匠ゼキン・メルヴィルに鍛えられている。

だから魔法なし、武器だけの戦いなら俺の方が有利だ。

今回は弓兵の矢をどれだけ避けられるか試してみたい。

リリアが魔法で援護してくれる間、俺は剣術だけで挑む。

それも将来のために大きな経験になるだろう。

剣の扱いを誰よりも極めたい。

だからオーガの時と同じく、ゴブリンも俺の訓練用の人形になってもらう。

もっと多くの技を覚え、魔法が戻った時にさらに致命的な戦い方を身につけるために。

俺たちは木の上から様子を伺っていたので、ゴブリンたちは俺たちに気づいていなかった。

今からやることは危険だ。

だが危険な方が俺には都合がいい。

難易度が上がれば上がるほど、得られる成果も大きい。

俺は弓も持ってきていたので、まずは遠距離から倒すことにした。

矢は持っていなかったので、木の枝を折って矢の代わりにした。

「アイト、何してるの?」

「まさか洞窟のゴブリンの時みたいに一瞬で終わらせる気じゃないよね?」

「いや、早く終わるならそれでいいだろ?」

「いやいや、今日は依頼もこれで最後だし、ちょっとは楽しもうよ…というか訓練しようぜ。」

「依頼が最後だからって遊ぶ理由にはならんだろ。早く片付けるべきだ。」

「じゃあお前は早く片付ければいい。俺は久々に訓練がしたい。」

「…わかった。でも油断するなよ。」

「はいはい、どうも。」

「おいガキ…」

「どうした師匠。」

「いや、なんでもない。続けろ。」

俺は一体に狙いをつけ、枝を投げた。

それは頭蓋を貫通した。少し離れていたやつだった。

次の枝は二体まとめて貫いた。

さらに次は一体の首に突き刺さった。

すでに飽きてきたので、木の上から飛び降りた。

地面に着地した時、土埃が舞い上がり、まだ気づかれていなかった。

そこから一気に走り込み、半分ほどの距離でやっと気づかれて警戒された。

弓兵たちが一斉に矢を放つ。

力は弱いはずなのに、当たりそうで厄介だった。

俺は剣で矢を逸らし続けた。

魔力を纏っていない矢なら簡単に弾ける。

そうして接近し、本格的な戦闘が始まった。

剣だけならゴブリンは俺の相手じゃなかったが、弓兵がとにかく鬱陶しい。

避けた矢が近くのゴブリンに当たることもあったので、数は減ったが討伐数は稼げなかった。

戦いながら、俺は新鮮な気分だった。

近接戦しつつ矢も警戒しなきゃいけないなんて初めてだ。

これは思った以上に良い訓練だ。

――そう思っていたところにリリアの火球が飛んできた。

危うく俺まで燃えそうだったので、多分リリアは我慢の限界だったんだろう。

その後、しばらくして全滅させた。

ゴブリンは宝箱や宝石まで持っていた。

ほとんど盗品だろう。

「アイト、なんで今日こんな無茶してるの?」

「ごめん、本当に。」

「よくやったな、お前ら。」

「……おいガキ。ちょっと来い。」

「わかった。リリア、すぐ戻る。」

「うん。」

「お前…魔法が使えないんだな。」

「隠せねぇなやっぱ。」

「一日や二日の付き合いじゃないからな。」

「暗室の話をした時に気づいたのか。」

「多分、長く寝てたせいで頭がぼーっとしてるだけだろ。」

「まぁ、そうかもしれませんね。」

「じゃあこれから一人で出歩くな。」

「はい。」

「よし、リリアのところに戻るぞ。」

師匠が気づくとは思っていたが、本当にそうなった。

その後、報酬を受け取り、また酒場へ戻った。
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