「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」

(イェイソン・マヌエル・ジーン)

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第34章:私を訓練してください

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森の外れで魔物を討伐し終えたあと、師匠が俺を呼んだ。
「おいガキ、魔法使えねぇんだろ?」
「師匠には何も隠せないですね。」
「まるで昨日知り合ったみたいな口きくな。」
「五日間眠ってたあとに目覚めた時に言ってた“暗い部屋”のせいか?」
「分かりません。もしかしたらそれかもしれないし、たくさん寝たせいで体が変な感じになってるだけかもしれません。」
「まぁいい。黙ってたのは正解だ。リリアがめちゃくちゃ心配しただろうからな。」
「ずいぶん成長してきたじゃねぇかガキ。」
「まぁ、二人ともあいつを心配させたくないですし。」
「何言ってやがるガキ。孫の心配は俺だけがするんだよ。誰だと思ってんだ。」
「殴らないでください師匠!何が悪かったんですか!?心配しちゃダメなんですか?」
「別にダメとは言ってねぇ。」
「じゃあなんで殴ったんですか。」
「理由なんかねぇ。殴りてぇから殴っただけだ。とにかく帰るぞ。」
「分かりました。」
「おじいちゃん、アイト、何話してたの?」
「え、師匠、俺ら何話してましたっけ?」
「ガキ、俺をからかうな。」
師匠との会話を終えて、俺たちはリリアのところに戻った。
リリアは俺と師匠が何を話していたのか聞いてきたが、本当のことは言えなかった。
そのあと、さっき森の外れと洞窟で倒したゴブリン討伐の二つの依頼の報酬を受け取りに行った。
報酬を受け取ったあと、特にやることがなかった。
本当はもう一つ依頼をやって、もっと修行したり腕を磨きたかったけど、今日はもうやめておくことにした。
帰り道、通りを歩いていたら、前に俺を倒した子供たちが俺を見つけた。
覚えてないと思ってたのに、普通に覚えてて声をかけてきた。
そして「俺たちに負けたから、こいつら連れて仕返しに来たのか」とか言ってきたが、師匠の剣と俺の剣を見た瞬間に黙った。
木製じゃなくて本物だから驚いていた。
「すげぇ!本物の剣だ!触ってもいい!?」
「お願い!触らせて!」
「(お願いお願いお願い!)」
剣ごときでなんでこんなに興奮できるのか分からない。
しかもファネアの街は大きくて金持ちだ。
旅人なんて毎日来るんだから、もっとたくさんの剣を見てそうなのに、それでもこんなに喜ぶのか。
まるで少し前の俺みたいだ。
まぁ、倒された側としては願いを叶えてやるのが筋だ。
それくらいはしてやらないといけない。
「すげぇ、本物だ!」
「なぁ、俺たちがお前を倒したんだからよ、鍛えてくれよ!」
は?どういう理屈だ?
倒した側がお前らで、倒されたの俺なんだから、鍛えるのはそっちじゃなくて俺じゃねぇのか?
どうなってんだこれ。
まぁ今日やることないし、別にいいか。
もちろん剣は抜かせなかった。怪我されたら面倒だし。
「ハハハ、こいつらに負けたのかガキ。面白ぇな。」
「起きたばっかで腹減ってたんですよ師匠。」
「で、ガキ。鍛えるのか?暇なんだし面白ぇだろ。」
「そうだよアイト。負けたなら受けてあげなよ。」
「おおっ!綺麗なお姉さん!ありがとう!一生忘れねぇ!」
「じゃあ行くか…でもどこで鍛えるんだ?」
「俺ん家!庭あるし、こいつら友達だから入れる!」
「いや、それは無理だな。」
「なんでだよ?」
こいつらの家に行きたくない。
あとでトラブルに巻き込まれたら面倒だし。
「少し離れた場所のほうがいいけど、遠すぎない場所にしよう。」
「分かった!」
そのあと少し離れた場所で、しばらく稽古をつけた。
もちろん木剣でやった。
終わったあと元の場所まで送り届けた。
子供たちはめちゃくちゃ喜んで、明日もやってくれとか言ってきた。
まるで俺が個人専属の教官で報酬もらってるみたいなノリだ。
え、待て報酬?
暇な時なら稼げるかもしれねぇ。
他にも教えてほしい奴いるんじゃねぇか?
でも稼げたとしても、魔物狩りをやめるわけにはいかない。
人を鍛えても俺は強くならねぇ。魔物狩りじゃないとダメだ。
だから絶対専業にはしない。
でも、たまに遊ぶくらいならいいかもな。
「じゃあなガキども、気を付けろよ。」
「バイバーイ!お前も気を付けろ!」
「お姉さんも気を付けて!」
子供たちを置いて、俺たちは宿に戻った。
子供たちと遊んでる間に日が落ちてたことに全然気づかなかった。
宿に着くと、すでに結構賑わっていた。
まだ夜ではないのにそれなりに人がいた。
部屋に上がり、交代で風呂に入って、それからまた降りた。
俺たちは座って話し始めた。
他の客もそれぞれ仲間と楽しそうに話している。
夜ほど混んでないのに結構賑やかだ。
さて、今日何食べようかな。
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