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中編─妹─
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私はタルト。
皆から愛され、笑顔がかわいい淑女ですわ。
わたくしには姉がおりますが、似ても似つかないのです。
本当に姉なのかしら?血がつながっているとはとても…。そう常々思っております。
こんな愛らしいわたくしですが、苦労もしているのです。
少し前のこと。姉から百合の髪飾りを借りました。姉のものは私のものだから、一々了解をとったりなど致しません。
髪につけてそのまま、高位貴族のおば様たちの茶会に出席したのですが、なんと主催者のおば様と百合のモチーフが被ってしまったのです。家紋に百合の花が入っているからってあなただけのものではなくてよ?
わたくしのせいではありませんわ。ですけれど彼女の取り巻きに嫌味を言われてしまいました。
もう少し頭を使えと…。
きっとわたくしの若さに嫉妬しているのですわ。品性が知れるってものね。
姉に謝られてもなんだかすっきりしませんでした。
次の日も私の心を傷つけた詫びをしてもらおうと姉に訴えるつもりでした。
そしてあの日─
お姉様!そう言って近づいたわたくしに姉はちらと視線を寄越しました。
その態度は何なのと詰め寄りますが、姉は気にした風でもありません。気にせず出ていこうとしたので肩を掴みました。
『汚い手で触らないでくださる?』
冷ややかな声が鼓膜を震わせました。まさかわたくしに言っているのでしょうか?
反抗されたことなど無かったので少し怯んでしまいました。
頭に血が上りながらも姉に言います。
わたくしにそんな態度をとっていいと思っているのかと。
『─どうなるの?』
姉は落ち着いて返しました。いつもの弱々しい姉はどこにいったのでしょう。
ますます苛々して、お父様とお母様がお怒りになるわ、謹慎処分になるかもね、婚約も破棄じゃなくて?そう言いました。
『願ったり叶ったりだわ…アラン─あのナルシストにも飽き飽きしていたしね』
加えてわたくしとアラン様が結婚すればいいとまで言います。仄かな憧れを抱いていたので一瞬嬉しくなりましたが、わたくしが望む前に差し出すなど何か思惑があるに決まっています。
わたくし馬鹿ではないので分かるのです。
お姉様に譲られなくても元よりそうなる予定だったのよ、アラン様はわたくしのことを好ましく思われているのと言うと
『いい加減話の通じない馬鹿と話すのは疲れるわ』
そこからは瞬く間もないほど一瞬の出来事でした。わたくしの髪が一房切られ、それを掴んだ姉が嗜虐的に嗤います。
『いい加減口を閉じて?殺したくなってしまうわ』
わたくしは得体の知れない者と対峙しているのだと漸く認識しました。
誰かに言えば間違いなく殺される…。
姉は何であんなに素早く動けるのでしょう?
頭に浮かんだのはこの状況に全くそぐわないことでした…。
皆から愛され、笑顔がかわいい淑女ですわ。
わたくしには姉がおりますが、似ても似つかないのです。
本当に姉なのかしら?血がつながっているとはとても…。そう常々思っております。
こんな愛らしいわたくしですが、苦労もしているのです。
少し前のこと。姉から百合の髪飾りを借りました。姉のものは私のものだから、一々了解をとったりなど致しません。
髪につけてそのまま、高位貴族のおば様たちの茶会に出席したのですが、なんと主催者のおば様と百合のモチーフが被ってしまったのです。家紋に百合の花が入っているからってあなただけのものではなくてよ?
わたくしのせいではありませんわ。ですけれど彼女の取り巻きに嫌味を言われてしまいました。
もう少し頭を使えと…。
きっとわたくしの若さに嫉妬しているのですわ。品性が知れるってものね。
姉に謝られてもなんだかすっきりしませんでした。
次の日も私の心を傷つけた詫びをしてもらおうと姉に訴えるつもりでした。
そしてあの日─
お姉様!そう言って近づいたわたくしに姉はちらと視線を寄越しました。
その態度は何なのと詰め寄りますが、姉は気にした風でもありません。気にせず出ていこうとしたので肩を掴みました。
『汚い手で触らないでくださる?』
冷ややかな声が鼓膜を震わせました。まさかわたくしに言っているのでしょうか?
反抗されたことなど無かったので少し怯んでしまいました。
頭に血が上りながらも姉に言います。
わたくしにそんな態度をとっていいと思っているのかと。
『─どうなるの?』
姉は落ち着いて返しました。いつもの弱々しい姉はどこにいったのでしょう。
ますます苛々して、お父様とお母様がお怒りになるわ、謹慎処分になるかもね、婚約も破棄じゃなくて?そう言いました。
『願ったり叶ったりだわ…アラン─あのナルシストにも飽き飽きしていたしね』
加えてわたくしとアラン様が結婚すればいいとまで言います。仄かな憧れを抱いていたので一瞬嬉しくなりましたが、わたくしが望む前に差し出すなど何か思惑があるに決まっています。
わたくし馬鹿ではないので分かるのです。
お姉様に譲られなくても元よりそうなる予定だったのよ、アラン様はわたくしのことを好ましく思われているのと言うと
『いい加減話の通じない馬鹿と話すのは疲れるわ』
そこからは瞬く間もないほど一瞬の出来事でした。わたくしの髪が一房切られ、それを掴んだ姉が嗜虐的に嗤います。
『いい加減口を閉じて?殺したくなってしまうわ』
わたくしは得体の知れない者と対峙しているのだと漸く認識しました。
誰かに言えば間違いなく殺される…。
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頭に浮かんだのはこの状況に全くそぐわないことでした…。
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