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後編
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あの日から私の人生は一変した。
気づけば一日経っていた…そうあの日から。
皆が私を怯えた目で見て、私の顔色を窺い、気を遣ってくれる。
─ああなんてきもちがいい…。
内なる快感に身を震わせていると、妹の気配が近づいてきた。知らず視線が鋭くなる。
ドアのノックの音と共に入室してもいいかと言う声がする。
許可を出すと妹が所在なさげに立っていた。
何故か分かるようになった人体の急所をじーと見つめると妹が分かりやすく顔を青褪めさせた。
「どうしたの?」
私は優しく聞きました。
「そ、その…今まで借りていた宝石や服を返しに…」
「─借りて?」
「う、その…勝手に奪っていったもの…です」
「そう。随分と今更ね…どういった心境の変化?」
「…」
妹は答えません。
勝手に置いて出ていってと私が言うと、妹付きの侍女たちが数えきれないほどの服や宝石、小物までをも運んできました。
こんなに持っていたのねと黙って見つめていると、妹が慌て出しました。
「許して…くれる?」
「?どうして」
態度を変えた妹に対しての疑問でしたが、それを誤解したのか
「た、足りないわよね…今度何か送るわ」
そう言って出ていきました。正直要りません。
婚約もなぜか破談になったし、私は自由です。
商会を父から譲り受けたし、それを大きくするのも楽しそう。恋をしてみるのもいいわね…。
私はこれからの人生を思い描き、愉しげに笑うのでした。
足音はせず、気づかぬ内に隙のない身のこなしで歩いておりましたが、それを指摘する者は誰もおりませんでした。
気づけば一日経っていた…そうあの日から。
皆が私を怯えた目で見て、私の顔色を窺い、気を遣ってくれる。
─ああなんてきもちがいい…。
内なる快感に身を震わせていると、妹の気配が近づいてきた。知らず視線が鋭くなる。
ドアのノックの音と共に入室してもいいかと言う声がする。
許可を出すと妹が所在なさげに立っていた。
何故か分かるようになった人体の急所をじーと見つめると妹が分かりやすく顔を青褪めさせた。
「どうしたの?」
私は優しく聞きました。
「そ、その…今まで借りていた宝石や服を返しに…」
「─借りて?」
「う、その…勝手に奪っていったもの…です」
「そう。随分と今更ね…どういった心境の変化?」
「…」
妹は答えません。
勝手に置いて出ていってと私が言うと、妹付きの侍女たちが数えきれないほどの服や宝石、小物までをも運んできました。
こんなに持っていたのねと黙って見つめていると、妹が慌て出しました。
「許して…くれる?」
「?どうして」
態度を変えた妹に対しての疑問でしたが、それを誤解したのか
「た、足りないわよね…今度何か送るわ」
そう言って出ていきました。正直要りません。
婚約もなぜか破談になったし、私は自由です。
商会を父から譲り受けたし、それを大きくするのも楽しそう。恋をしてみるのもいいわね…。
私はこれからの人生を思い描き、愉しげに笑うのでした。
足音はせず、気づかぬ内に隙のない身のこなしで歩いておりましたが、それを指摘する者は誰もおりませんでした。
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何度読み返しても面白いね🤣
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