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9.そんなことよりテスト勉強
①
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ステラはその後も実際に何かしてくるわけでもないので、警戒することくらいしか出来ないまま時が過ぎた。
ステラのことは気になるものの、一旦頭から追い出して、私は再び勉強に取り組んでいる。
前回のテストでは、経営学の順位以外は全く10位以内に届かない数字だったので、次のテストこそ頑張りたい。
私は教科書とアベル様にもらった本を駆使しながら、ひたすらテスト勉強に励んだ。
どうしてもわからない問題があったので先生に質問しに行ったら、驚愕した表情で見られたりもした。まったく失礼な先生だ。私が授業のことで質問に来るのはそんなにおかしいだろうか。
そんなある日、アベル様がまたシャリエ公爵邸にやってきた。
侍従のレノーが呼びに来たので応接間に行くと、前回と同じようにアベル様はメイドたちに歓迎されながら寛いでいた。
「リリアーヌ、お邪魔してるよ」
アベル様は私が部屋に入ると、紅茶を飲みながらにこやかに言う。
アベル様がどこにでも現れるのにもすっかり慣れてしまった私は、表情を変えないまま向かいのソファに腰掛けた。
「何の用ですの。また初等部向けの本でも持ってきてくださったんですか?」
「いや、残念ながら今回は持ってないんだ。今本は持ってないけど、リリアーヌ、これから王立図書館で一緒に勉強しない?」
「王立図書館?」
私が首を傾げると、アベル様はにこやかにうなずいた。
私はリリアーヌの記憶を探って、王立図書館の記憶を引っ張りだす。ソヴェレーヌ王立学園の近くにある、お城みたいな形の大きな建物だっただろうか。
前世の記憶を思い出してから学園の図書館には何度か行ってみたけれど、王立図書館の存在はすっかり忘れていた。
なんせリリアーヌは本に興味がなかったし。
「あそこの自習室なら広いし、資料もたくさんあるから、勉強するのにはちょうどいいんじゃないかな」
「そうですわね……。お屋敷で勉強するよりも気分転換になりそうですわ」
「だよね! 行こうよ、リリアーヌ!」
アベル様はそう言ってにこやかに手を差し出してくる。
私は仕方ないなと思いつつその手を取った。
それから私たちは、アベル様の乗ってきた王宮の馬車に乗って、王立図書館まで向かった。
実際訪れてみると、記憶通り大きくて大変豪奢な造りをしている。前世にテレビで観た世界遺産に登録されている図書館みたいだ。
「リリアーヌ、こっちこっち」
アベル様に手招きされ、私はそちらへ向かった。
アベル様に連れてこられたのは自習室だった。壁がガラス張りになっており、明るい光がさんさんと差し込んでいる。
私たちは部屋の端にあるテーブルについた。
「ちらほら学園の生徒がいますわね」
私は周りを見渡しながら言った。
図書館を歩く間、ソヴェレーヌ王立学園の制服を着た生徒と頻繁にすれ違った。
現在いる自習室にも、学園の制服を着た人の姿があちこちに見える。
「学園の近くにあるからね。自習に都合がいいんだよ」
「みんな勉強熱心ですのね」
前世の記憶を取り戻すまで王立図書館の存在すら忘れていた私は、感心して言った。
ステラのことは気になるものの、一旦頭から追い出して、私は再び勉強に取り組んでいる。
前回のテストでは、経営学の順位以外は全く10位以内に届かない数字だったので、次のテストこそ頑張りたい。
私は教科書とアベル様にもらった本を駆使しながら、ひたすらテスト勉強に励んだ。
どうしてもわからない問題があったので先生に質問しに行ったら、驚愕した表情で見られたりもした。まったく失礼な先生だ。私が授業のことで質問に来るのはそんなにおかしいだろうか。
そんなある日、アベル様がまたシャリエ公爵邸にやってきた。
侍従のレノーが呼びに来たので応接間に行くと、前回と同じようにアベル様はメイドたちに歓迎されながら寛いでいた。
「リリアーヌ、お邪魔してるよ」
アベル様は私が部屋に入ると、紅茶を飲みながらにこやかに言う。
アベル様がどこにでも現れるのにもすっかり慣れてしまった私は、表情を変えないまま向かいのソファに腰掛けた。
「何の用ですの。また初等部向けの本でも持ってきてくださったんですか?」
「いや、残念ながら今回は持ってないんだ。今本は持ってないけど、リリアーヌ、これから王立図書館で一緒に勉強しない?」
「王立図書館?」
私が首を傾げると、アベル様はにこやかにうなずいた。
私はリリアーヌの記憶を探って、王立図書館の記憶を引っ張りだす。ソヴェレーヌ王立学園の近くにある、お城みたいな形の大きな建物だっただろうか。
前世の記憶を思い出してから学園の図書館には何度か行ってみたけれど、王立図書館の存在はすっかり忘れていた。
なんせリリアーヌは本に興味がなかったし。
「あそこの自習室なら広いし、資料もたくさんあるから、勉強するのにはちょうどいいんじゃないかな」
「そうですわね……。お屋敷で勉強するよりも気分転換になりそうですわ」
「だよね! 行こうよ、リリアーヌ!」
アベル様はそう言ってにこやかに手を差し出してくる。
私は仕方ないなと思いつつその手を取った。
それから私たちは、アベル様の乗ってきた王宮の馬車に乗って、王立図書館まで向かった。
実際訪れてみると、記憶通り大きくて大変豪奢な造りをしている。前世にテレビで観た世界遺産に登録されている図書館みたいだ。
「リリアーヌ、こっちこっち」
アベル様に手招きされ、私はそちらへ向かった。
アベル様に連れてこられたのは自習室だった。壁がガラス張りになっており、明るい光がさんさんと差し込んでいる。
私たちは部屋の端にあるテーブルについた。
「ちらほら学園の生徒がいますわね」
私は周りを見渡しながら言った。
図書館を歩く間、ソヴェレーヌ王立学園の制服を着た生徒と頻繁にすれ違った。
現在いる自習室にも、学園の制服を着た人の姿があちこちに見える。
「学園の近くにあるからね。自習に都合がいいんだよ」
「みんな勉強熱心ですのね」
前世の記憶を取り戻すまで王立図書館の存在すら忘れていた私は、感心して言った。
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