40 / 67
7.ステラ登場
④
しおりを挟む
そう考えていたある日のこと。少々気になる出来事が起こった。
それは学園で全校集会が開かれた日のこと。
私たち生徒は学園のホールに向かい、席に座って学園長先生の話を聞いていた。
この学園には集会を行うホールにも席があるので座って聞けてありがたい。ホールはコンサートホールのような造りになっているのだ。
前世で体育館の床に体育座りさせられていた集会とは大違いだ。
私がふかふかの座椅子に改めて感動していると、壇上にジェラール様の姿が見えた。
第一王子であるジェラール様は、集会等で挨拶する機会も多い。
彼の姿が見えた途端、女子生徒たちが途端に色めき立つ。
私は特に興味もなく、壇上で話すジェラール様を眺めていた。
集会が終わり、ニノンとオデットに挟まれて廊下を歩いていると、横から賑やかな声が聞こえてきた。
視線を向けると、ステラと、ステラが特に仲良くなったらしい子爵家と男爵家のご令嬢たちが話している。
「あれがジェラール王子殿下なのですね! この学園にいらっしゃるとは聞いておりましたが、実際にお姿を見ると衝撃でした!」
「ステラさんはまだジェラール殿下にお会いしたことがなかったのですね」
「ステラさんも、そのうち合同授業か何かで間近に見られることがあると思いますわよ」
興奮気味に話すステラに、周りの子たちが微笑ましげにジェラール様のことを話している。
「会えるでしょうか。ぜひ近くで拝見してみたいです」
「きっと会えますわ。ステラさんは可愛らしいから、ジェラール様も気に入ってしまわれるのではないかしら」
「ジェラール様とステラさんが並んだら、美男美女でよく似合いそうね」
「そ、そんなこと! 恐れ多いです!」
ステラは両手を振って恐縮している。
私の横にいたニノンとオデットが、不機嫌そうに「何馬鹿なことを言ってるのかしら」とぶつぶつ文句を言うのが聞こえた。
すると、廊下の向こうが突然何やら騒がしくなった。
視線を向けると、そこには周囲のざわめきを気にも留めない様子でつかつか歩くジェラール様がいた。
「ステラさん、ジェラール殿下よ!」
「話していたそばからご本人を間近で見られるなんてラッキーね!」
ステラの横にいた子たちが興奮気味に言う。ステラはこくこくうなずいて、うっとりした眼差しでジェラール様を見た。
私はそんな光景を特に興味もなく眺める。
すると、周りに一切関心を払う様子なく歩いていたジェラール様が、突然私の前で足を止めた。
何事かと私は固まる。
「リリアーヌ。以前言っていた勉強のほうはうまく進んでいるのか?」
ジェラール様は表情を変えないままそう尋ねてきた。
周囲のざわめきが大きくなる。
私は困惑しつつ口を開いた。
「ええ……。順調に進んでおりますわ」
「そうか。それはよかった」
ジェラール様はそう言って微笑む。その笑顔に周りが騒ぎ出す声が聞こえてきた。
それは学園で全校集会が開かれた日のこと。
私たち生徒は学園のホールに向かい、席に座って学園長先生の話を聞いていた。
この学園には集会を行うホールにも席があるので座って聞けてありがたい。ホールはコンサートホールのような造りになっているのだ。
前世で体育館の床に体育座りさせられていた集会とは大違いだ。
私がふかふかの座椅子に改めて感動していると、壇上にジェラール様の姿が見えた。
第一王子であるジェラール様は、集会等で挨拶する機会も多い。
彼の姿が見えた途端、女子生徒たちが途端に色めき立つ。
私は特に興味もなく、壇上で話すジェラール様を眺めていた。
集会が終わり、ニノンとオデットに挟まれて廊下を歩いていると、横から賑やかな声が聞こえてきた。
視線を向けると、ステラと、ステラが特に仲良くなったらしい子爵家と男爵家のご令嬢たちが話している。
「あれがジェラール王子殿下なのですね! この学園にいらっしゃるとは聞いておりましたが、実際にお姿を見ると衝撃でした!」
「ステラさんはまだジェラール殿下にお会いしたことがなかったのですね」
「ステラさんも、そのうち合同授業か何かで間近に見られることがあると思いますわよ」
興奮気味に話すステラに、周りの子たちが微笑ましげにジェラール様のことを話している。
「会えるでしょうか。ぜひ近くで拝見してみたいです」
「きっと会えますわ。ステラさんは可愛らしいから、ジェラール様も気に入ってしまわれるのではないかしら」
「ジェラール様とステラさんが並んだら、美男美女でよく似合いそうね」
「そ、そんなこと! 恐れ多いです!」
ステラは両手を振って恐縮している。
私の横にいたニノンとオデットが、不機嫌そうに「何馬鹿なことを言ってるのかしら」とぶつぶつ文句を言うのが聞こえた。
すると、廊下の向こうが突然何やら騒がしくなった。
視線を向けると、そこには周囲のざわめきを気にも留めない様子でつかつか歩くジェラール様がいた。
「ステラさん、ジェラール殿下よ!」
「話していたそばからご本人を間近で見られるなんてラッキーね!」
ステラの横にいた子たちが興奮気味に言う。ステラはこくこくうなずいて、うっとりした眼差しでジェラール様を見た。
私はそんな光景を特に興味もなく眺める。
すると、周りに一切関心を払う様子なく歩いていたジェラール様が、突然私の前で足を止めた。
何事かと私は固まる。
「リリアーヌ。以前言っていた勉強のほうはうまく進んでいるのか?」
ジェラール様は表情を変えないままそう尋ねてきた。
周囲のざわめきが大きくなる。
私は困惑しつつ口を開いた。
「ええ……。順調に進んでおりますわ」
「そうか。それはよかった」
ジェラール様はそう言って微笑む。その笑顔に周りが騒ぎ出す声が聞こえてきた。
1,055
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
他小説サイトにも投稿しています。
婚約者が実は私を嫌っていたので、全て忘れる事にしました
Kouei
恋愛
私セイシェル・メルハーフェンは、
あこがれていたルパート・プレトリア伯爵令息と婚約できて幸せだった。
ルパート様も私に歩み寄ろうとして下さっている。
けれど私は聞いてしまった。ルパート様の本音を。
『我慢するしかない』
『彼女といると疲れる』
私はルパート様に嫌われていたの?
本当は厭わしく思っていたの?
だから私は決めました。
あなたを忘れようと…
※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【完結】貴方をお慕いしておりました。婚約を解消してください。
暮田呉子
恋愛
公爵家の次男であるエルドは、伯爵家の次女リアーナと婚約していた。
リアーナは何かとエルドを苛立たせ、ある日「二度と顔を見せるな」と言ってしまった。
その翌日、二人の婚約は解消されることになった。
急な展開に困惑したエルドはリアーナに会おうとするが……。
婚約破棄に、承知いたしました。と返したら爆笑されました。
パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢カルルは、ある夜会で王太子ジェラールから婚約破棄を言い渡される。しかし、カルルは泣くどころか、これまで立て替えていた経費や労働対価の「莫大な請求書」をその場で叩きつけた。
「殿下、人違いです」どうぞヒロインのところへ行って下さい
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームを元にした人気のライトノベルの世界でした。
しかも、定番の悪役令嬢。
いえ、別にざまあされるヒロインにはなりたくないですし、婚約者のいる相手にすり寄るビッチなヒロインにもなりたくないです。
ですから婚約者の王子様。
私はいつでも婚約破棄を受け入れますので、どうぞヒロインのところに行って下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる