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あなたはいったい……
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「いや、断る。アデルと一緒じゃないと意味がない。アデルが王宮に戻るなら俺も戻る」
ユーリがきっぱり言うと、ランディ王子が目に見えて落ち込んだ。
が、すぐに、「俺にはこれがある!」と、変色してしまった胸のマカロンを愛おしそうに撫で始めたランディ王子。
なんというか、怖いわね……。
ジリムさんは、一瞬眉間のしわを深くしたものの、ランディ王子からさっと目をそらして、私のほうをむいた。
「それでは、アデル王女様。馬車で王宮へとお戻りいただきます。ここからだと20分ほどです」
「わかりました。王太子様をお待たせしないよう、すぐに戻りましょう」
「ありがとうございます。では、私はデザートの手配をしてきます」
ジリムさんはそういうと、ケーキが並んだケースを見ながら、イリスさんにてきぱきと頼んでくれている。
と、そこへ、ひとりの若い男性が飛び込んできた。
慌てた様子で店内を見回すと、紳士に視線をぴたりとあわせた。
「あっ、先生! やっぱり、ここにいらしたんですか! 早く戻らないと、出版社の方がおみえになる時間です」
「おお!? もう、そんな時間だったか? あまりにおもしろいことが起こりすぎて、すっかり忘れてたよ」
書きかけのノートと筆記具をカバンに入れた紳士。
ん? 今、出版社って言わなかった……?
何かとても大事なことを、私、見落としてない……?
首をひねる私に紳士が、笑みを浮かべて近づいてきた。
「では、またお会いできるのを楽しみにしてますよ、アデル王女様」
「あの、あなたは一体……」
「あれ? アディー、もしかして、まだ知らなかったの? この方がリッカさんだよ。僕が来た時、ドラゴンを見ながら話していたから、てっきり、挨拶は終わってるんだと思ってたよ」
と、デュラン王子がさらっと言った。
「えええええ!? もしかして、あなたが、……というか、あなた様が、リッカ先生なんですか!?」
「はい、私がリッカです」
と、にこやかに言ったリッカ先生。
そう思って見ると、にこやかなそのお顔に光がさして見えるわ……。
「リッカ先生の大ファンを名乗っているのに、こんな近くにいて、気づかないなんて、なんて、不甲斐ないのかしら、私……。あ、私、何か失礼なこととか、おかしなこととか、しませんでしたか……!?」
動揺しすぎて、汗がふきだしてくる。
「いえ、全く。アデル王女様のおかげでドラゴンまで見られて、沢山、メモをとってしまいました」
と、優しく微笑んだリッカ先生。
リッカ先生があまりにお優しくて、神々しくて泣けてくる……。
「アデルがおかしいのはいつもだろ」
マカロンをなでながら、ランディ王子が笑っているけれど、そんなことはどうでもいい。
「リッカ先生に、初めてお会いするときは、リッカ先生の小説の好きな登場人物に似せた姿でお会いすると決めていたのに、こんな普通の恰好でお目にかかるなんて……」
がっくりする私に、リッカ先生が、またもや優しく微笑まれた。
「お気持ちは嬉しいですが、アデル王女様が私の小説の登場人物に似せる必要などないですよ。というか、アデル王女様はアデル王女様だ。だれにも似せることはできません。ドラゴンと話をしているアデル王女様は、まさに、ヒロインのようでした」
「えええ!? ヒロイン……!?」
どうしよう、顔がにやけてくるんだけど。
舞い上がった私は憧れのリッカ先生を目にやきつけようと、まじまじと凝視していると、ユーリの冷たい声が……。
「ほかの男をそんなに見るなんて、ひどいね、アデル」
「ちょっと、ユーリ! リッカ先生は男とかそういう存在じゃないの! 私にとったら、神様みたいな方なんだよ!」
私の言葉に、リッカ先生がふきだした。
「私は、書くことが好きなだけで、欠点だらけの人間ですよ。神様だなんてとんでもない。私の付き人のボリスなんて、私のダメなところを山ほど見てますから、今、猛烈に抗議の声をあげてるんじゃないかな。そうだろ、ボリス?」
茶目っ気たっぷりの口調で、若い男性のほうを見たリッカ先生。
ボリスさんと呼ばれた若い男性は、大きくうなずいた。
「今、まさに、そう思ってます! 自由すぎる先生にいつも振り回されてますからね」
よく見ると、ボリスさんは疲労感いっぱいの顔をしている。
あら、この顔、誰かに似てるわね……?
あ、そうか、ジリムさんだ!
と、思ったところで、ボリスさんが叫んだ。
「とにかく、先生! 本当にもう時間がありません! 帰りますよ!」
「わかった、わかった。じゃあ、アデル王女様、次、お会いした時は、是非、ドラゴンとのことをお聞かせください。あ、それと、あなた」
と、ユーリに視線をあわせたリッカ先生。
「アデル王女様の大切な方なのでしょう? それなら、また、お会いできますね。あなたを見ていると、創作意欲がものすごく、わいてくるんです。是非、取材させてください。ゆっくりお話ができるのを楽しみにしてますから」
そう言い終わるとすぐに、ボリスさんにひきずられるように、リッカ先生はカフェから連れ出されていった。
「アデルの好きなリッカ先生にはもう会ったから、帰国してもいいんじゃない? っていうか、アデル。なんで、僕をにらんでるの?」
と、不思議そうに言うユーリ。
「だって、だって、リッカ先生に取材を頼まれてたんだよ、ユーリ! うらやましい、ねたましい、ずるい!」
わめく私を見て、「やっぱり、アデルはばかかわいいね」と、頭をなでだしたユーリ。
もやもやしている私とは違って、なんだか、とっても楽しそうね。
※ ものすごく間があいてしまいましたが、読んでくださった方、本当にありがとうございます。
長く滞っている間にも、いいねやエールもいただき、本当に励みになりました。
このお話を別のサイトで修正しながら更新を始めたのですが、やっと追いついてきたので、こちらも再開しました。
アルファポリスさんのほうが先行しています。
ユーリがきっぱり言うと、ランディ王子が目に見えて落ち込んだ。
が、すぐに、「俺にはこれがある!」と、変色してしまった胸のマカロンを愛おしそうに撫で始めたランディ王子。
なんというか、怖いわね……。
ジリムさんは、一瞬眉間のしわを深くしたものの、ランディ王子からさっと目をそらして、私のほうをむいた。
「それでは、アデル王女様。馬車で王宮へとお戻りいただきます。ここからだと20分ほどです」
「わかりました。王太子様をお待たせしないよう、すぐに戻りましょう」
「ありがとうございます。では、私はデザートの手配をしてきます」
ジリムさんはそういうと、ケーキが並んだケースを見ながら、イリスさんにてきぱきと頼んでくれている。
と、そこへ、ひとりの若い男性が飛び込んできた。
慌てた様子で店内を見回すと、紳士に視線をぴたりとあわせた。
「あっ、先生! やっぱり、ここにいらしたんですか! 早く戻らないと、出版社の方がおみえになる時間です」
「おお!? もう、そんな時間だったか? あまりにおもしろいことが起こりすぎて、すっかり忘れてたよ」
書きかけのノートと筆記具をカバンに入れた紳士。
ん? 今、出版社って言わなかった……?
何かとても大事なことを、私、見落としてない……?
首をひねる私に紳士が、笑みを浮かべて近づいてきた。
「では、またお会いできるのを楽しみにしてますよ、アデル王女様」
「あの、あなたは一体……」
「あれ? アディー、もしかして、まだ知らなかったの? この方がリッカさんだよ。僕が来た時、ドラゴンを見ながら話していたから、てっきり、挨拶は終わってるんだと思ってたよ」
と、デュラン王子がさらっと言った。
「えええええ!? もしかして、あなたが、……というか、あなた様が、リッカ先生なんですか!?」
「はい、私がリッカです」
と、にこやかに言ったリッカ先生。
そう思って見ると、にこやかなそのお顔に光がさして見えるわ……。
「リッカ先生の大ファンを名乗っているのに、こんな近くにいて、気づかないなんて、なんて、不甲斐ないのかしら、私……。あ、私、何か失礼なこととか、おかしなこととか、しませんでしたか……!?」
動揺しすぎて、汗がふきだしてくる。
「いえ、全く。アデル王女様のおかげでドラゴンまで見られて、沢山、メモをとってしまいました」
と、優しく微笑んだリッカ先生。
リッカ先生があまりにお優しくて、神々しくて泣けてくる……。
「アデルがおかしいのはいつもだろ」
マカロンをなでながら、ランディ王子が笑っているけれど、そんなことはどうでもいい。
「リッカ先生に、初めてお会いするときは、リッカ先生の小説の好きな登場人物に似せた姿でお会いすると決めていたのに、こんな普通の恰好でお目にかかるなんて……」
がっくりする私に、リッカ先生が、またもや優しく微笑まれた。
「お気持ちは嬉しいですが、アデル王女様が私の小説の登場人物に似せる必要などないですよ。というか、アデル王女様はアデル王女様だ。だれにも似せることはできません。ドラゴンと話をしているアデル王女様は、まさに、ヒロインのようでした」
「えええ!? ヒロイン……!?」
どうしよう、顔がにやけてくるんだけど。
舞い上がった私は憧れのリッカ先生を目にやきつけようと、まじまじと凝視していると、ユーリの冷たい声が……。
「ほかの男をそんなに見るなんて、ひどいね、アデル」
「ちょっと、ユーリ! リッカ先生は男とかそういう存在じゃないの! 私にとったら、神様みたいな方なんだよ!」
私の言葉に、リッカ先生がふきだした。
「私は、書くことが好きなだけで、欠点だらけの人間ですよ。神様だなんてとんでもない。私の付き人のボリスなんて、私のダメなところを山ほど見てますから、今、猛烈に抗議の声をあげてるんじゃないかな。そうだろ、ボリス?」
茶目っ気たっぷりの口調で、若い男性のほうを見たリッカ先生。
ボリスさんと呼ばれた若い男性は、大きくうなずいた。
「今、まさに、そう思ってます! 自由すぎる先生にいつも振り回されてますからね」
よく見ると、ボリスさんは疲労感いっぱいの顔をしている。
あら、この顔、誰かに似てるわね……?
あ、そうか、ジリムさんだ!
と、思ったところで、ボリスさんが叫んだ。
「とにかく、先生! 本当にもう時間がありません! 帰りますよ!」
「わかった、わかった。じゃあ、アデル王女様、次、お会いした時は、是非、ドラゴンとのことをお聞かせください。あ、それと、あなた」
と、ユーリに視線をあわせたリッカ先生。
「アデル王女様の大切な方なのでしょう? それなら、また、お会いできますね。あなたを見ていると、創作意欲がものすごく、わいてくるんです。是非、取材させてください。ゆっくりお話ができるのを楽しみにしてますから」
そう言い終わるとすぐに、ボリスさんにひきずられるように、リッカ先生はカフェから連れ出されていった。
「アデルの好きなリッカ先生にはもう会ったから、帰国してもいいんじゃない? っていうか、アデル。なんで、僕をにらんでるの?」
と、不思議そうに言うユーリ。
「だって、だって、リッカ先生に取材を頼まれてたんだよ、ユーリ! うらやましい、ねたましい、ずるい!」
わめく私を見て、「やっぱり、アデルはばかかわいいね」と、頭をなでだしたユーリ。
もやもやしている私とは違って、なんだか、とっても楽しそうね。
※ ものすごく間があいてしまいましたが、読んでくださった方、本当にありがとうございます。
長く滞っている間にも、いいねやエールもいただき、本当に励みになりました。
このお話を別のサイトで修正しながら更新を始めたのですが、やっと追いついてきたので、こちらも再開しました。
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