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第四章 冬
第三話 ヴィンセント*
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「ノエル、ノエル」
首筋を舐め、その感触を確かめる。
滑らかな肌はほんのりと甘く、舌触りがいい。本能のままその柔肌に歯を立てたい。自らの痕を残したい。――と強く思う。けれど、同時にヴィンセントの頭を占めるのは、ノエルが嫌がることはしなくない、ということだ。そんなアルファとしての欲望に必死で耐えていると、眉根を寄せるヴィンセントを見て、ノエルがふふ、と無邪気に笑った。
「ヴィンスさん、こっち」
ヴィンセントの欲を分かっているのか。そうでないのか。
ノエルは散らばった衣服の中でころん、と転がって、無防備にうつ伏せになった。髪をかき分けて軽く俯けば、ヴィンセントの目の前に項が晒されることになる。
――噛んで。
全身でそう言われているような気がした。
「……挿れていいか」
「うん」
堪らず許しを乞えば、それはこちらが心配になるほどあっさりと得られた。
本当はもっとゆっくりノエルの身体を開きたかった。
丁寧に愛撫して全身を蕩かせた後に、慎重に挿入したかったし、たくさん気持ちよくしてやりたかった。しかし、とてもそんな余裕はない。本能が理性を焼き尽くそうとしていた。
辛うじて残っていた理性を総動員して、ヴィンセントはノエルの後孔を指で解した。
向けられた双丘の奥に閉じた慎ましい蕾。そこはヒート中らしく、しとどに愛液を溢れさせている。
最初は一本、と中を確かめるように入れたヴィンセントだったが、中の熱さと柔らかさに誘われて、二本、三本とすぐさま指を増やした。
「んっ、あ、ぁ」
気持ちい、とノエルが小さく呟いた。
何をされても気持ちがいいのだろう。ヴィンセントが触れるたびに、ノエルは嬌声をあげる。
もっとして。もっと触って。
うわ言のように繰り返されるノエルの言葉は、ヴィンセントの中に麻薬のように強烈に染み渡った。
「痛くない?」
「へいき」
稚い口調でノエルは答える。
両手で肉付きの薄い臀部を掴み、それまで散々解してきた後孔にひたりと自らの欲望を当てる。がちがちに反り返ったヴィンセントの屹立は、興奮ではちきれんばかりの大きさに育っていた。
「あッ」
先端がぐっとノエルの蕾を割る。慎ましく、けれどもひどく柔軟なそこは、襞をめいっぱい伸ばしてヴィンセントを受け入れてくれる。
粘膜を擦り上げるように中を進めば、ノエルの細い身体がしなやかに敷布の上を泳いだ。
「んぁ、あ、んん――ッ」
「は、ぁ、熱いな」
温かくてぬかるんだ隘路を進む。そのまま斜め上から穿つように腹側の陰茎の裏あたりを刺激すると、ノエルの身体がびくびくと大きく震えた。
オメガでも男の身体である以上、前立腺があり、そこを刺激すると大きな快感を得られる。特にヒート中の今は恐ろしいほどの快楽だろう。
ノエルが縋るように目の前のシャツを握りしめ、頬を擦り付けて必死で匂いを嗅ごうとする。その様子にヴィンセントはちりり、と胸の中に嫉妬の炎が宿った。
「ノエル」
「ひゃっ」
ぐっと腰を掴み、さらに深くまで陰茎を進ませる。
自らの下生えがノエルの臀部に触れるほど奥まで挿入し、ほっと息を吐いた。
「全部入った……」
興奮したアルファの長大な陰茎を、ノエルは優しく呑み込んでくれた。
小さく震える肩は細く、ヴィンセントを受け入れている腹は驚くほど薄い。
懸命なノエルが愛おしくて、ヴィンセントはその背中を撫でた。はっきりと浮かぶ肩甲骨と、皮膚のすぐ下にある背骨。
その先に、ノエルの項があった。
吸い寄せられるようにそこに顔を近づけた。部屋中に満ちるフェロモンの香りが、いっそう強く感じられる。
「ノエル……」
数度項に口づけて、ヴィンセントはその滑らかな皮膚に歯を立てた。
その瞬間、ノエルが悲鳴のような嬌声を上げた。同時に、後孔がぎゅうっと強く締まって激しく蠕動する。
ノエルは全身を震わせて達していた。うつ伏せているので、射精したのかは分からないが、それでもヴィンセントはノエルが深い快楽の渦中にいるのだと分かった。
ノエルと番になったのだ。
くっきりと付いた自らの歯形はうっすらと血が滲んでおり、見るからに痛々しい。おまけにこの歯形はノエルに一生消えない傷痕として残るものだ。
――一生、死がふたりを分かつまで。決して消えることのない絆。
それがアルファとオメガの番契約だ。
ノエルに付けた歯形を見た途端、ヴィンセントは目頭が熱くなった。唇を噛んで、叫び出したいほどの衝動に耐えた。
全身を満たす多幸感と止めどなく溢れてくるノエルを愛おしいと思う気持ち。彼の全てを欲する独占欲とそれを上回るほどの庇護欲。そういう一言では表せない複雑で執着とも言える重苦しい感情たちが、ヴィンセントの中でぐちゃぐちゃに混ざり合って、ひとつになっていく。
純真無垢なノエルとは違って、ヴィンセントがノエルに対して抱くものは綺麗なものだけではない。しかし、それでも、彼には自分の綺麗な部分だけを見せたいと思うのだ。
「ノエル、大丈夫か?」
番になったぞ、と声をかけると、果てたばかりでぐったりとしたノエルがのろのろと振り返った。そして、自らの項を手で触りながらへにゃりと相好を崩した。
「やっと、つがいになれた……」
真っ白で綺麗なノエル。どうしてこんなにも愛しいのだろうか、とヴィンセントは思う。
始まりは確かに自分の一目惚れだった。彼の姿を、その笑顔を一目見て、恋に落ちた。雷に打たれるような衝撃と激しい恋情がそこにはあって、どうしてもノエルにもう一度会いたかった。
だからこそ、オルグレン准将からの叱責覚悟で彼のことを聞きに行ったのだ。
だが、あのときよりも今のほうがずっとノエルのことが好きだ。
たぶん、結婚して一緒に暮らし、少しずつノエルの為人を知るたびに、気持ちは大きくなっていっている。毎日、毎時間、毎分、ヴィンセントはノエルに恋に落ちている。
好きで好きで堪らなくて、その気持ちのまま強く抱きしめると、腕の中でノエルがくすくすと笑う。下半身は繋がったままで濃厚なフェロモンを漂わせているというのに、ノエルの笑顔はどこまでもあどけなく美しかった。
「ヴィンスさん、苦しい」
「ああ、すまない、どうしてもノエルを抱きしめたくて」
「ん、だいじょうぶ。ぎゅってされるのきもちいし、それに……」
――ふたりを隔てる身体という境界がなくなってしまえばいいのに。
ノエルはふわふわとヒートで蕩けた状態のままでそんなことを言う。肌と肌がぴたりと触れ合い、お互いの体温が混ざり合う。ノエルが甘えるようにヴィンセントの胸へ頬ずりをした。
「そしたら、寂しくないのに」
「でも、ノエルと私がひとつになったら、こうして抱き合えない」
「あ、そうか。お話もできないか」
それは寂しいなぁ、と呟いたノエルは息が止まるほど可愛らしかった。
どろどろに溶け合ってひとつになりたい。
アルファとオメガはお互いが不完全で、ふたつでひとつになるために番になるのかもしれない。そうであるならば、自分たちが相手とひとつになりたいと望むのは自然なことなのだ。
「ノエル」
柔らかい赤毛をヴィンセントは指で梳く。丸くて形のいい後頭部と、赤の隙間から覗く形のいい耳が可愛らしい。
愛しい愛しい私の番。
「ん、んぁッ」
背中を撫で、手のひらで腰を擦る。その柔らかい刺激で、繋がったままの後孔がきゅう、とヴィンセントのものを締め付けた。中がその先を乞うようにうねって、ヴィンセントを誘う。入れているだけで果ててしまいそうなほどに心地がいい。
「ヴィンス、さん」
それまでの優しい空気が一気に淫靡なものへと変わる。ノエルが潤んだ瞳でヴィンセントを見つめた。
「身体はきつくないか?」
ヒート中のオメガには愚問だと分かっていても聞いてしまう。当然、ノエルはふるふると首を横に振った。
「へいき……、も、うごいてほしい」
甘えるように言われて、ヴィンセントはノエルの額に口づけた。
まだ先ほど飲んだ抑制剤が効いている。しかし、その効果もどれほど持つだろうか。
寝台で抱き合ったまま、ゆるく腰を動かした。このままヒートが収まるまで何度もともに果てるのだろうと思う。ノエルのフェロモンはもうこの世界でヴィンセントただひとりのためのものだし、逆もまたそうなのだ。
腕の中でノエルが震える。甘い声がひっきりなしに零れて、フェロモンがいっそう濃くなったような気がした。
首筋を舐め、その感触を確かめる。
滑らかな肌はほんのりと甘く、舌触りがいい。本能のままその柔肌に歯を立てたい。自らの痕を残したい。――と強く思う。けれど、同時にヴィンセントの頭を占めるのは、ノエルが嫌がることはしなくない、ということだ。そんなアルファとしての欲望に必死で耐えていると、眉根を寄せるヴィンセントを見て、ノエルがふふ、と無邪気に笑った。
「ヴィンスさん、こっち」
ヴィンセントの欲を分かっているのか。そうでないのか。
ノエルは散らばった衣服の中でころん、と転がって、無防備にうつ伏せになった。髪をかき分けて軽く俯けば、ヴィンセントの目の前に項が晒されることになる。
――噛んで。
全身でそう言われているような気がした。
「……挿れていいか」
「うん」
堪らず許しを乞えば、それはこちらが心配になるほどあっさりと得られた。
本当はもっとゆっくりノエルの身体を開きたかった。
丁寧に愛撫して全身を蕩かせた後に、慎重に挿入したかったし、たくさん気持ちよくしてやりたかった。しかし、とてもそんな余裕はない。本能が理性を焼き尽くそうとしていた。
辛うじて残っていた理性を総動員して、ヴィンセントはノエルの後孔を指で解した。
向けられた双丘の奥に閉じた慎ましい蕾。そこはヒート中らしく、しとどに愛液を溢れさせている。
最初は一本、と中を確かめるように入れたヴィンセントだったが、中の熱さと柔らかさに誘われて、二本、三本とすぐさま指を増やした。
「んっ、あ、ぁ」
気持ちい、とノエルが小さく呟いた。
何をされても気持ちがいいのだろう。ヴィンセントが触れるたびに、ノエルは嬌声をあげる。
もっとして。もっと触って。
うわ言のように繰り返されるノエルの言葉は、ヴィンセントの中に麻薬のように強烈に染み渡った。
「痛くない?」
「へいき」
稚い口調でノエルは答える。
両手で肉付きの薄い臀部を掴み、それまで散々解してきた後孔にひたりと自らの欲望を当てる。がちがちに反り返ったヴィンセントの屹立は、興奮ではちきれんばかりの大きさに育っていた。
「あッ」
先端がぐっとノエルの蕾を割る。慎ましく、けれどもひどく柔軟なそこは、襞をめいっぱい伸ばしてヴィンセントを受け入れてくれる。
粘膜を擦り上げるように中を進めば、ノエルの細い身体がしなやかに敷布の上を泳いだ。
「んぁ、あ、んん――ッ」
「は、ぁ、熱いな」
温かくてぬかるんだ隘路を進む。そのまま斜め上から穿つように腹側の陰茎の裏あたりを刺激すると、ノエルの身体がびくびくと大きく震えた。
オメガでも男の身体である以上、前立腺があり、そこを刺激すると大きな快感を得られる。特にヒート中の今は恐ろしいほどの快楽だろう。
ノエルが縋るように目の前のシャツを握りしめ、頬を擦り付けて必死で匂いを嗅ごうとする。その様子にヴィンセントはちりり、と胸の中に嫉妬の炎が宿った。
「ノエル」
「ひゃっ」
ぐっと腰を掴み、さらに深くまで陰茎を進ませる。
自らの下生えがノエルの臀部に触れるほど奥まで挿入し、ほっと息を吐いた。
「全部入った……」
興奮したアルファの長大な陰茎を、ノエルは優しく呑み込んでくれた。
小さく震える肩は細く、ヴィンセントを受け入れている腹は驚くほど薄い。
懸命なノエルが愛おしくて、ヴィンセントはその背中を撫でた。はっきりと浮かぶ肩甲骨と、皮膚のすぐ下にある背骨。
その先に、ノエルの項があった。
吸い寄せられるようにそこに顔を近づけた。部屋中に満ちるフェロモンの香りが、いっそう強く感じられる。
「ノエル……」
数度項に口づけて、ヴィンセントはその滑らかな皮膚に歯を立てた。
その瞬間、ノエルが悲鳴のような嬌声を上げた。同時に、後孔がぎゅうっと強く締まって激しく蠕動する。
ノエルは全身を震わせて達していた。うつ伏せているので、射精したのかは分からないが、それでもヴィンセントはノエルが深い快楽の渦中にいるのだと分かった。
ノエルと番になったのだ。
くっきりと付いた自らの歯形はうっすらと血が滲んでおり、見るからに痛々しい。おまけにこの歯形はノエルに一生消えない傷痕として残るものだ。
――一生、死がふたりを分かつまで。決して消えることのない絆。
それがアルファとオメガの番契約だ。
ノエルに付けた歯形を見た途端、ヴィンセントは目頭が熱くなった。唇を噛んで、叫び出したいほどの衝動に耐えた。
全身を満たす多幸感と止めどなく溢れてくるノエルを愛おしいと思う気持ち。彼の全てを欲する独占欲とそれを上回るほどの庇護欲。そういう一言では表せない複雑で執着とも言える重苦しい感情たちが、ヴィンセントの中でぐちゃぐちゃに混ざり合って、ひとつになっていく。
純真無垢なノエルとは違って、ヴィンセントがノエルに対して抱くものは綺麗なものだけではない。しかし、それでも、彼には自分の綺麗な部分だけを見せたいと思うのだ。
「ノエル、大丈夫か?」
番になったぞ、と声をかけると、果てたばかりでぐったりとしたノエルがのろのろと振り返った。そして、自らの項を手で触りながらへにゃりと相好を崩した。
「やっと、つがいになれた……」
真っ白で綺麗なノエル。どうしてこんなにも愛しいのだろうか、とヴィンセントは思う。
始まりは確かに自分の一目惚れだった。彼の姿を、その笑顔を一目見て、恋に落ちた。雷に打たれるような衝撃と激しい恋情がそこにはあって、どうしてもノエルにもう一度会いたかった。
だからこそ、オルグレン准将からの叱責覚悟で彼のことを聞きに行ったのだ。
だが、あのときよりも今のほうがずっとノエルのことが好きだ。
たぶん、結婚して一緒に暮らし、少しずつノエルの為人を知るたびに、気持ちは大きくなっていっている。毎日、毎時間、毎分、ヴィンセントはノエルに恋に落ちている。
好きで好きで堪らなくて、その気持ちのまま強く抱きしめると、腕の中でノエルがくすくすと笑う。下半身は繋がったままで濃厚なフェロモンを漂わせているというのに、ノエルの笑顔はどこまでもあどけなく美しかった。
「ヴィンスさん、苦しい」
「ああ、すまない、どうしてもノエルを抱きしめたくて」
「ん、だいじょうぶ。ぎゅってされるのきもちいし、それに……」
――ふたりを隔てる身体という境界がなくなってしまえばいいのに。
ノエルはふわふわとヒートで蕩けた状態のままでそんなことを言う。肌と肌がぴたりと触れ合い、お互いの体温が混ざり合う。ノエルが甘えるようにヴィンセントの胸へ頬ずりをした。
「そしたら、寂しくないのに」
「でも、ノエルと私がひとつになったら、こうして抱き合えない」
「あ、そうか。お話もできないか」
それは寂しいなぁ、と呟いたノエルは息が止まるほど可愛らしかった。
どろどろに溶け合ってひとつになりたい。
アルファとオメガはお互いが不完全で、ふたつでひとつになるために番になるのかもしれない。そうであるならば、自分たちが相手とひとつになりたいと望むのは自然なことなのだ。
「ノエル」
柔らかい赤毛をヴィンセントは指で梳く。丸くて形のいい後頭部と、赤の隙間から覗く形のいい耳が可愛らしい。
愛しい愛しい私の番。
「ん、んぁッ」
背中を撫で、手のひらで腰を擦る。その柔らかい刺激で、繋がったままの後孔がきゅう、とヴィンセントのものを締め付けた。中がその先を乞うようにうねって、ヴィンセントを誘う。入れているだけで果ててしまいそうなほどに心地がいい。
「ヴィンス、さん」
それまでの優しい空気が一気に淫靡なものへと変わる。ノエルが潤んだ瞳でヴィンセントを見つめた。
「身体はきつくないか?」
ヒート中のオメガには愚問だと分かっていても聞いてしまう。当然、ノエルはふるふると首を横に振った。
「へいき……、も、うごいてほしい」
甘えるように言われて、ヴィンセントはノエルの額に口づけた。
まだ先ほど飲んだ抑制剤が効いている。しかし、その効果もどれほど持つだろうか。
寝台で抱き合ったまま、ゆるく腰を動かした。このままヒートが収まるまで何度もともに果てるのだろうと思う。ノエルのフェロモンはもうこの世界でヴィンセントただひとりのためのものだし、逆もまたそうなのだ。
腕の中でノエルが震える。甘い声がひっきりなしに零れて、フェロモンがいっそう濃くなったような気がした。
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