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38:セレスティアの相談事
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無事に就任式も終わったセレスティア達は、訓練は毎日のことながら、先輩たちと一緒に仕事をすることも増えていった。護衛であったり、魔物退治であったり、警備であったりと、覚えることは山ほどあった。
竜騎士団の本部は王宮の隣になるのだが、こちらは本部とは名ばかりで、事務所と数匹の飛竜が待機できる程度の厩舎しかない程度であった。ユージィンも幹部もそこには常時在席していることはあまりなく、王宮に用事がある時だけ使う事務所のようになっていた。主には、王宮より少し離れた、竜騎士団の支部にいることがほとんどであった。ここは竜騎士達の寄宿舎や竜の厩舎、訓練所など、設備が充実しているのだ。理由としてはもっともで、飛竜がいることから、人気の少ない所で広い設備が必須だったからである。
竜騎士団支部の団長室____
「話?」
「はい、仕事とは違うことなので、できれば仕事が終わってから、ご都合のつく時にお時間をいただけないかと。」
セレスティアの神妙な顔に唯事ではないと察したユージィンは、
「ん~・・・まぁいいよ。人払いはしてあるから、今話せるかな?叔父として話を聞くよ?」
「・・・叔父様いいの?仕事中なのに。」
セレスティアとしては大変ありがたいが、さすがに業務時間だった為に憚られた。
「構わないよ。イールからも少し聞いてるからね。」
「わかりました。」
セレスティアは祝賀会で王子の言葉をユージィンに伝えた。
「ふ~ん。あの王子がねぇ。まぁ目の付け所は間違ってはいないけどね。」
ユージィンはセレスティアが王族に望まれたことを暗に流石だと言っているのだ。
「叔父様、茶化さないで。私にしたら深刻なのよ。」
セレスティアは少しむくれていた。
「ごめんごめん。なら聞くけどセレス的には断りたいんだよね?」
「勿論よ!5年後だろうが、ごめん被るわ!」
セレスティアは、ついこの間は義母からの侯爵の縁談を断ることができてホッとしたのも束の間、またもや縁談問題ですっかり辟易していた。
「ふふ、わかったよ。まあ心配することにはならないから、安心していいよ。」
「え?そうなの?」
「竜騎士の法令があるからね。多分王子は知らないんだと思うし、まぁ知ってる人の方が珍しいんだけどね」
竜騎士の法令?セレスティアは何のことかと、一瞬思ったが思い出した。
「あ!あれね!」
「ふふ、思い出したようだね。」
実は竜騎士の法令には、有名な『5年の間は男女の付合いの類(婚約・結婚含む)は一切禁止』であるが、それに纏わる法令がまだあるのだ。
「あの王子様はその条件をクリアすることはできないからね。というか、誰も無理だと思うけどね。」
「・・・そうですね。」
ユージィンのいう通り、カイエル以外誰もクリアすることはできないだろうなとセレスティアも思った。
「まぁこれで、その件で憂いはなくなっただろ。ついでに僕からも話があるんだけど?」
「なんでしょうか?」
「セレス、早々にカイエルは竜の厩舎からは出した方がいいと思うよ。またいつ抜け出すかわからないからね。だから、寮から出て独立することをお勧めするよ。まぁ実家でもいいんだけど・・・嫌だろ?」
「そうですね、実家はちょっと・・・」
実家には、義母とソフィアがいることから、たまに実家に帰る分には構わないが、生活基盤をそこに移すのは、セレスティアにはもはや考えられなかった。
「そうだな・・・良ければ僕の方でも物件は探しておくよ。うちと同じくらいの条件なら郊外であると思うしね。」
セレスティアが飛竜であったカイエルにいつかは一緒に暮らそう、と言っていた話がそう遠い未来の話ではなくなっていた。
「私カイエルと二人で暮らすんですよね・・・」
セレスティアの様子に、乗り気ではないことがユージィンに伝わった。
「何か、問題でも?」
「だ、だってカイエルが飛竜だったらいいんですけど、人化だとちょっと・・・」
セレスティアがカイエルと暮らしたかったのは、飛竜であるカイエルだ。人化するとなると、嫌でも男性であることを意識してしまい、一緒に住むということには抵抗があった。
「ふーん、人化したカイエルにはまだ慣れていないみたいだね?」
ユージィンも無理もないかと思った。セレスティアは飛竜であったカイエルに対しての好意はあったのだろうが、それが本当に人化するとなっては、話が変わってくるであろうと。今はまだ受け入れるのには時間もかかるだろうし、女性ならば男と一緒に住むなど抵抗があるのは当然と言えば当然なのである。
「はい・・・」
「まぁ無理もないか・・・。人化はまだ2回だけだものね。勿論今すぐにとは言わないよ。ただ、カイエルにはもう勝手に脱走しないよう言い聞かせておかないとダメだよ。いつバレるかわからないからね。」
「はい、わかりました。」
セレスティアは団長室を後にし、自身の持ち場へ戻ろうと考え事をしながら歩いていた。
確かに、カイエルはいつ人化するかわからない。主にセレスティアに男性が絡むと人化しているようだ。竜の厩舎は共同であることから、何時バレるかわからない。ユージィンに言われたとおり、早々に寄宿舎を出ることも視野にいれなければいけないなとセレスティアも思っていた。などと考えて歩いてたら、フードを被った男性らしき人物が門付近で中を除こうととキョロキョロしていた。基本的に軍内部だから、一般人は立ち入り禁止なのだが、たまに飛竜見たさに来る輩もいるので、そういった類かとセレスティアは思った。竜騎士の身内でないのなら、追い返さなければいけないので、セレスティアは声を掛けることにした。
「あの・・・何か御用ですか?」
「あぁ、ここの人?」
そのフードを被った人物は、就任式の時に王宮の近くにいた男であった。
竜騎士団の本部は王宮の隣になるのだが、こちらは本部とは名ばかりで、事務所と数匹の飛竜が待機できる程度の厩舎しかない程度であった。ユージィンも幹部もそこには常時在席していることはあまりなく、王宮に用事がある時だけ使う事務所のようになっていた。主には、王宮より少し離れた、竜騎士団の支部にいることがほとんどであった。ここは竜騎士達の寄宿舎や竜の厩舎、訓練所など、設備が充実しているのだ。理由としてはもっともで、飛竜がいることから、人気の少ない所で広い設備が必須だったからである。
竜騎士団支部の団長室____
「話?」
「はい、仕事とは違うことなので、できれば仕事が終わってから、ご都合のつく時にお時間をいただけないかと。」
セレスティアの神妙な顔に唯事ではないと察したユージィンは、
「ん~・・・まぁいいよ。人払いはしてあるから、今話せるかな?叔父として話を聞くよ?」
「・・・叔父様いいの?仕事中なのに。」
セレスティアとしては大変ありがたいが、さすがに業務時間だった為に憚られた。
「構わないよ。イールからも少し聞いてるからね。」
「わかりました。」
セレスティアは祝賀会で王子の言葉をユージィンに伝えた。
「ふ~ん。あの王子がねぇ。まぁ目の付け所は間違ってはいないけどね。」
ユージィンはセレスティアが王族に望まれたことを暗に流石だと言っているのだ。
「叔父様、茶化さないで。私にしたら深刻なのよ。」
セレスティアは少しむくれていた。
「ごめんごめん。なら聞くけどセレス的には断りたいんだよね?」
「勿論よ!5年後だろうが、ごめん被るわ!」
セレスティアは、ついこの間は義母からの侯爵の縁談を断ることができてホッとしたのも束の間、またもや縁談問題ですっかり辟易していた。
「ふふ、わかったよ。まあ心配することにはならないから、安心していいよ。」
「え?そうなの?」
「竜騎士の法令があるからね。多分王子は知らないんだと思うし、まぁ知ってる人の方が珍しいんだけどね」
竜騎士の法令?セレスティアは何のことかと、一瞬思ったが思い出した。
「あ!あれね!」
「ふふ、思い出したようだね。」
実は竜騎士の法令には、有名な『5年の間は男女の付合いの類(婚約・結婚含む)は一切禁止』であるが、それに纏わる法令がまだあるのだ。
「あの王子様はその条件をクリアすることはできないからね。というか、誰も無理だと思うけどね。」
「・・・そうですね。」
ユージィンのいう通り、カイエル以外誰もクリアすることはできないだろうなとセレスティアも思った。
「まぁこれで、その件で憂いはなくなっただろ。ついでに僕からも話があるんだけど?」
「なんでしょうか?」
「セレス、早々にカイエルは竜の厩舎からは出した方がいいと思うよ。またいつ抜け出すかわからないからね。だから、寮から出て独立することをお勧めするよ。まぁ実家でもいいんだけど・・・嫌だろ?」
「そうですね、実家はちょっと・・・」
実家には、義母とソフィアがいることから、たまに実家に帰る分には構わないが、生活基盤をそこに移すのは、セレスティアにはもはや考えられなかった。
「そうだな・・・良ければ僕の方でも物件は探しておくよ。うちと同じくらいの条件なら郊外であると思うしね。」
セレスティアが飛竜であったカイエルにいつかは一緒に暮らそう、と言っていた話がそう遠い未来の話ではなくなっていた。
「私カイエルと二人で暮らすんですよね・・・」
セレスティアの様子に、乗り気ではないことがユージィンに伝わった。
「何か、問題でも?」
「だ、だってカイエルが飛竜だったらいいんですけど、人化だとちょっと・・・」
セレスティアがカイエルと暮らしたかったのは、飛竜であるカイエルだ。人化するとなると、嫌でも男性であることを意識してしまい、一緒に住むということには抵抗があった。
「ふーん、人化したカイエルにはまだ慣れていないみたいだね?」
ユージィンも無理もないかと思った。セレスティアは飛竜であったカイエルに対しての好意はあったのだろうが、それが本当に人化するとなっては、話が変わってくるであろうと。今はまだ受け入れるのには時間もかかるだろうし、女性ならば男と一緒に住むなど抵抗があるのは当然と言えば当然なのである。
「はい・・・」
「まぁ無理もないか・・・。人化はまだ2回だけだものね。勿論今すぐにとは言わないよ。ただ、カイエルにはもう勝手に脱走しないよう言い聞かせておかないとダメだよ。いつバレるかわからないからね。」
「はい、わかりました。」
セレスティアは団長室を後にし、自身の持ち場へ戻ろうと考え事をしながら歩いていた。
確かに、カイエルはいつ人化するかわからない。主にセレスティアに男性が絡むと人化しているようだ。竜の厩舎は共同であることから、何時バレるかわからない。ユージィンに言われたとおり、早々に寄宿舎を出ることも視野にいれなければいけないなとセレスティアも思っていた。などと考えて歩いてたら、フードを被った男性らしき人物が門付近で中を除こうととキョロキョロしていた。基本的に軍内部だから、一般人は立ち入り禁止なのだが、たまに飛竜見たさに来る輩もいるので、そういった類かとセレスティアは思った。竜騎士の身内でないのなら、追い返さなければいけないので、セレスティアは声を掛けることにした。
「あの・・・何か御用ですか?」
「あぁ、ここの人?」
そのフードを被った人物は、就任式の時に王宮の近くにいた男であった。
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※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)
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