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175:ヴェリエルの後悔
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『ユージィンもうやめてーー!!』
イシュタルが駆けつけた時、ヴェリエルは息も絶え絶えであった。『竜の祖』である竜の身体はユージィンに至る所を切り付けられており、腹部には特に致命傷になったであろう大きな穴があったのだ。そこからおびただしい量の血液が流れていた。
「ごめんね。イシュタル。できればもう少し加減はしたかったけど、さすがに竜の祖相手では僕でも手加減することは難しかったんだ。」
ユージィンはイシュタルに、申し訳なさそうな顔で謝ったが、無論ユージィンも無傷ではなかった。ユージィンもヴェリエルの氷のブレスの攻撃で、至る所が凍っており、左の二の腕はもろに凍っていた。二人の戦いが凄まじかったのは、瓦礫の山と化した建造物の破片を見れば一目瞭然であった。
「いいえいいえ。わかっているわ、ユージィン。だから謝らないで。」
イシュタルにはわかっていた。ユージィンがここまでやったのは、きっとヴェリエルに自分への追跡をさせない為にやったのだと。
『あ・・姉君・・・姉君の番は恐ろしく強い・・・のだな・・・』
『・・・そうね。私が相手なら貴方にも勝機はあったかもしれないけれど、ユージィン相手では悪かったわね。』
『・・・すまなかった。』
まさかこのタイミングでヴェリエルがイシュタルに詫びるとは思ってもみなかったので、イシュタルは驚いたが、どうしても聞きたかったのでイシュタルは質問をした。
『どうして、番の魔王化を止めなかったの?それを阻止するのが私達の役目なのに。』
『・・・そうだな。・・・これではカイエルのことを俺に言う資格はなかったな。』
ヴェリエルは自重気味に一瞬笑ったが、怪我の酷さから立っていられなくなり、竜の体はそのまま海の中に沈んでしまった。
『ヴェリエル!』
イシュタルは慌てて、沈んでしまったヴェリエルを助けに行こうとしたが、それを遮る声がした。
『待つのじゃ!』
『?!』
ヴェリエルの大きな竜の身体はどんどん深海に落ちて行った。
(あぁ・・・すまないヒルダ。俺はいまだに迷っていた。君が望む魔王になることと、本来の役目である番の魔王化を食い止めなければいけないことと・・・だけどきっと俺は君に魔王にはなって欲しくはないんだろう・・・やっぱり俺は君を止めなければいけなかった・・・すまないヒルダ、俺は選択を誤った・・・)
本来であれば、海はヴェリエルに癒しを与えるものだが、ドラゴンスレイヤーで傷を付けられたものには効果が薄いのだ。ましてや致命傷だっただけに回復は追いつかなかった。
(・・・ヒルダ・・・できれば最後にもう一度君に会いたかった・・・・)
ヴェリエルが死を覚悟し、瞼を閉じたその時であった。
『何を感傷に浸っておる?』
『?!』
ヴェリエルは声に驚いて、目を見開いた。目の前には、白く輝く竜がいたのだ。
『久方に振りに会えたかと思えば、世話の焼ける弟じゃのう。』
『竜の祖』の姿に顕現したアンティエルが、沈みゆくヴェリエルを追ってきたのだ。先程、イシュタルが追いかけようとしたところを止めたのはアンティエルだったのだ。
『お・・大姉君』
まさかアンティエルが来るとは思っていなかったので、ヴェリエルは驚いていた。
『このまま上昇させる、海に上がったら直ぐに治療じゃ!』
そういうと、アンティエルは自身の身体をヴェリエルに巻きつけた。
『し・・しかし!』
『長女たる妾に逆らうなど許さん!ケガ人は黙っておけ。』
ヴェリエルに反論はさせず、アンティエルは巻きつけた身体を海上に向かって上昇していった。
ザバァアアアアア!!
そして、海上に白と青の二匹の竜が現れた。
※次回は3/14の更新になります!
イシュタルが駆けつけた時、ヴェリエルは息も絶え絶えであった。『竜の祖』である竜の身体はユージィンに至る所を切り付けられており、腹部には特に致命傷になったであろう大きな穴があったのだ。そこからおびただしい量の血液が流れていた。
「ごめんね。イシュタル。できればもう少し加減はしたかったけど、さすがに竜の祖相手では僕でも手加減することは難しかったんだ。」
ユージィンはイシュタルに、申し訳なさそうな顔で謝ったが、無論ユージィンも無傷ではなかった。ユージィンもヴェリエルの氷のブレスの攻撃で、至る所が凍っており、左の二の腕はもろに凍っていた。二人の戦いが凄まじかったのは、瓦礫の山と化した建造物の破片を見れば一目瞭然であった。
「いいえいいえ。わかっているわ、ユージィン。だから謝らないで。」
イシュタルにはわかっていた。ユージィンがここまでやったのは、きっとヴェリエルに自分への追跡をさせない為にやったのだと。
『あ・・姉君・・・姉君の番は恐ろしく強い・・・のだな・・・』
『・・・そうね。私が相手なら貴方にも勝機はあったかもしれないけれど、ユージィン相手では悪かったわね。』
『・・・すまなかった。』
まさかこのタイミングでヴェリエルがイシュタルに詫びるとは思ってもみなかったので、イシュタルは驚いたが、どうしても聞きたかったのでイシュタルは質問をした。
『どうして、番の魔王化を止めなかったの?それを阻止するのが私達の役目なのに。』
『・・・そうだな。・・・これではカイエルのことを俺に言う資格はなかったな。』
ヴェリエルは自重気味に一瞬笑ったが、怪我の酷さから立っていられなくなり、竜の体はそのまま海の中に沈んでしまった。
『ヴェリエル!』
イシュタルは慌てて、沈んでしまったヴェリエルを助けに行こうとしたが、それを遮る声がした。
『待つのじゃ!』
『?!』
ヴェリエルの大きな竜の身体はどんどん深海に落ちて行った。
(あぁ・・・すまないヒルダ。俺はいまだに迷っていた。君が望む魔王になることと、本来の役目である番の魔王化を食い止めなければいけないことと・・・だけどきっと俺は君に魔王にはなって欲しくはないんだろう・・・やっぱり俺は君を止めなければいけなかった・・・すまないヒルダ、俺は選択を誤った・・・)
本来であれば、海はヴェリエルに癒しを与えるものだが、ドラゴンスレイヤーで傷を付けられたものには効果が薄いのだ。ましてや致命傷だっただけに回復は追いつかなかった。
(・・・ヒルダ・・・できれば最後にもう一度君に会いたかった・・・・)
ヴェリエルが死を覚悟し、瞼を閉じたその時であった。
『何を感傷に浸っておる?』
『?!』
ヴェリエルは声に驚いて、目を見開いた。目の前には、白く輝く竜がいたのだ。
『久方に振りに会えたかと思えば、世話の焼ける弟じゃのう。』
『竜の祖』の姿に顕現したアンティエルが、沈みゆくヴェリエルを追ってきたのだ。先程、イシュタルが追いかけようとしたところを止めたのはアンティエルだったのだ。
『お・・大姉君』
まさかアンティエルが来るとは思っていなかったので、ヴェリエルは驚いていた。
『このまま上昇させる、海に上がったら直ぐに治療じゃ!』
そういうと、アンティエルは自身の身体をヴェリエルに巻きつけた。
『し・・しかし!』
『長女たる妾に逆らうなど許さん!ケガ人は黙っておけ。』
ヴェリエルに反論はさせず、アンティエルは巻きつけた身体を海上に向かって上昇していった。
ザバァアアアアア!!
そして、海上に白と青の二匹の竜が現れた。
※次回は3/14の更新になります!
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※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。
※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)
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