【完結】竜騎士の私は竜の番になりました!

胡蝶花れん

文字の大きさ
233 / 233

終:エピローグ

しおりを挟む
_
__
___
____




 部屋の一室に老齢の女性がベッドに横たわっていた。

 「あぁ、カイエル・・・近くにいるの・・・かしら?」

 「もちろんお前の傍にいるよ。俺は約束しただろう?」
 
 カイエルは、年老いて目がもうよく見えてない女性のしわくちゃの手をそっと握った。
 
 「そうね。もう・・・お祖母ちゃんになっちゃっ・・・たけど。」

 「当たり前だ。人間は歳食えば、老人になるもんだ。それに外見なんざ俺にはどうでもいい。」

 カイエルはぶっきらぼうに言った。

 「ふふ、いつも・・・そう・・・言ってたわね。」

 老齢の女性はクスリと笑った。
 カイエルはいつも「外見なぞ気にしない」と、言っていた。人間は歳を重ねれば、外見も当然そのように変化していく。だけどカイエルの姿は年を取ることはなく変わることはなかった。

 「あの子たちは・・・元気にやってるの・・・かしら・・・」

 「あぁ、気配は感じるから、元気にやってると思うぞ。」

 「そう・・・ならよかった・・わ」

 老齢の女性は安心したように、一息ついた。

 「あのね・・カイエルすごく・・・眠いの。」

 「そうか・・・・」

 カイエルは、その意味がわかっていた。

 「次に目が覚めた時・・・私は、どんな・・・姿になっているの・・かしら・・・」

 「お前の魂の輝きは変わらない。どんな名前になっていても、どんな姿になっても俺は探し出すさ。」

 「ふふ、その時を・・・待ってるわね。」

 「あぁ、だからセレスティア。しばしのお別れだ。」

 「うん・・・」
 
 セレスティアはカイエルに握られている手を強く少し強めに握り返した。

 「カイエル・・・愛してるわ」

 「セレスティア俺も愛してる」

 カイエルは横たわるセレスティアに口づけをした。
 そしてセレスティアは満足そうに瞼を閉じ、それから目を開けることはなかった。

 「・・・セレスティアっっ!!」

 カイエルはセレスティアを抱きしめ、金色の瞳からは涙が零れていた。








 
 カイエルは、フェリス王国を見渡せる、とある山の山頂にいた。
 
 「セレスティア、次に出会えるお前はどんな姿だろうな・・・」

 そして踵を返した。

 「カイエルもういいのかえ?」

 「あぁ。」

 それを合図に『竜の祖』達は山頂から次々と竜の姿に変化して、飛び立っていった。

 最後に残ったカイエルはもう一度フェリス王国を振り返り、

 「セレスティア、俺は必ずお前に会いに行く。」

 そして、竜の姿になって飛び立った。





 

 ___ 私達は『番』の生体に合わせて化身する。それは時に陸を駆ける馬であったり、海で泳ぐ魚であったりと、都度生体は変わるけれど、中にある魂の輝きは何ら変わることはないから・・・私達はその色を間違えることはない____



 ー完ー



 ※最後までお読みくださり、ありがとうございました!
しおりを挟む
感想 6

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(6件)

へびきち
2024.05.13 へびきち

番の話が好きなのですが、とても面白くて楽しみながら読みました!

2024.05.13 胡蝶花れん

へびきちさん、感想ありがとうございます!
私も番の話は好きですので、また違う形でお話を考えたいと思います^^

読んでくださってありがとうございました(*´▽`*)






解除
Hinomoto
2022.07.22 Hinomoto

「竜」というキーワードで偶々見かけたので読んでみました。
とても面白いです。

「番と同じ生体になる」ということで、とある漫画(BLですが)を思い出しました。

2022.07.22 胡蝶花れん

面白いと言ってもらえて光栄です(*´ω`*)

番というワードは他にも結構ありますからね(笑) 今は違うお話を投稿中ですが、また「竜」に連なるお話を書いてみたいと思います。
お読みくださりありがとうございます(^人^) 

解除
もっりち52
2022.05.24 もっりち52

このお話はご都合主義がなくて無理なくとっても自然に読む事ができます。
読んでて『あれ?』って思う事がない。好きな物語です。更新楽しみにしています。
書籍化求むー(そうするとイラスト誰になるのかも楽しみに…)

2022.05.24 胡蝶花れん

もっりち52さん、感想ありがとうございます( ;∀;) 
好きな物語と仰ってくださり、本当に嬉しく思います!
更新引き続き頑張りますね(^O^)

書籍化したいですね(笑)
 

解除

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

王宮侍女は穴に落ちる

斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された アニエスは王宮で運良く職を得る。 呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き の侍女として。 忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。 ところが、ある日ちょっとした諍いから 突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。 ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな 俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され るお話です。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。

木山楽斗
ファンタジー
宿屋で働くフェリナは、ある日森で卵を見つけた。 その卵からかえったのは、彼女が見たことがない生物だった。その生物は、生まれて初めて見たフェリナのことを母親だと思ったらしく、彼女にとても懐いていた。 本物の母親も見当たらず、見捨てることも忍びないことから、フェリナは謎の生物を育てることにした。 リルフと名付けられた生物と、フェリナはしばらく平和な日常を過ごしていた。 しかし、ある日彼女達の元に国王から通達があった。 なんでも、リルフは竜という生物であり、国を繁栄にも破滅にも導く特別な存在であるようだ。 竜がどちらの道を辿るかは、その母親にかかっているらしい。知らない内に、フェリナは国の運命を握っていたのだ。 ※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。 ※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。