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母と子
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次の日
あれだけ降っていた雨も止んで太陽が雲の隙間から顔を出していた
「いい天気・・・」
クルス「そうだな!よし!メシ食ったら行くぞ!」
「うん!」
僕たちは朝食を食べるとバイクに乗って東に向かった
「風が涼しい・・・」
昨日の雨のおかげなのか風がとても涼しかった
クルス「・・・」
僕は返事をしないクルスさんを見た
クルスさんは険しい顔をしていた
「ク、クルス・・・さん?」
クルス「・・・もう少しで・・・俺の実家に着く・・・」
そういうクルスさんの表情は険しさを通り越して恐怖を感じているような顔をしていた
そして、しばらくすると一軒の大きな家の前でバイクを止めた
クルス「ここが俺の実家だ」
「ここが・・・」
凄く立派な建物だったんだろうな・・・
ボロボロではあるが三階建ての大きな家・・・いや、お屋敷と言ってもいいかもしれない
クルス「・・・なにも変わってないな・・・いや、ボロボロだけど・・・」
そういい家に入って行くクルスさん
僕も後を追って中に入った
クルス「・・・」
「・・・」
僕もクルスさんも武器を手に持つ
クルス「慎重にな」
「うん」
一階、二階と散策をしたが異常はなかった
クルス「よし。次は三階だ」
「うん・・・」
そして三階への階段を上がっている時
女性「う、動かないで!!」
クルス「!?」
「!?」
狸獣人の女性が僕たちにピストルを向けてきた
女性「ゆ、指一本でも動かしたら、う、撃つわよ!!」
女性は怯えているようだ
見た感じ『デビルアルタイル』の人たちでもないみたい
クルス「落ち着いてくれ。俺たちは敵じゃない」
女性「し、信じられないわ!誰も信じちゃいけないのよ!!」
ピストルを持つ手が震えている
きっと酷い状況を生き抜いて来たんだろう
クルス「俺たちに敵意は・・・っ!」
バンッ!
女性「う、動いたら撃つって言ったはずよ!」
女性の撃った弾は壁に当たった
女性「う、動くんじゃないわよ!!」
「落ち着いてください」
僕はクルスさんの前に出た
クルスさんは手で僕の腕を掴むが、僕はそれでもゆっくり進んだ
「大丈夫です。僕達は敵ではありません」
女性「し、信じられないわ!」
「見てください。僕は子供ですよ?子連れの人が他人を襲ったりしますか?」
女性「・・・」
女性は少し迷っているみたいだ
「僕はハルトって言います。あなたは?」
キャリー「・・・キャリー・・・」
「キャリーさん・・・いい名前ですね!」
???「オギャーー!!オギャーー!!」
キャリー「!?」
クルス「子供?」
キャリー「動かないで!!」
「クルスさん。言う通りにして」
クルスさんは頷いた
きっとキャリーさんは子供を守ろうとしていたのだろう
「大丈夫です。危害は加えません」
キャリー「ど、どう信じろと言うの!?そう言って私たちを油断させるつもりでしょう!?その手には引っかからないからね!!」
キャリーさんは少しパニックになっているように見える
「・・・」
僕はクロスボウを床に置きキャリーさんに近づいた
キャリー「く、来るな!!」
それでも僕は歩みを止めなかった
クルス「ハルト!!」
「信じられないのでしたら、どうぞ、撃ってください」
キャリー「っ!?」
「僕はあなた方を傷つけない。それが信じられないのでしたら、撃って構いません」
そして銃口が僕の額に当たった
その銃口から震えが伝わってくる
キャリー「・・・」
「・・・」
キャリー「・・・っ」
キャリーさんはピストルを降ろした
「ありがとうございます」
キャリー「言っておくけど、信じたわけじゃないからね。少しでも変な真似をしたら撃ち殺すからね」
「構いません」
そしてキャリーさんは奥の部屋に向かい扉を閉めた
扉の向こうからは
キャリー「よしよし・・・いい子ね~。もう泣かないでね~。もう大丈夫よ~」
と、言う声が聞こえてきた
クルス「はぁ・・・お前は・・・こんな危険なことを・・・」
「す、すみません・・・でも、クルスさんが相手だと警戒が解けないと思ったから・・・」
クルス「まぁ・・・そうだろうけど・・・」
少しするとキャリーさんが部屋から出てきた
キャリー「で?なんで来たのよ。私に用・・・ってことでもなさそうだし・・・」
クルス「それは・・・」
キャリー「先に言っておくけど食料はないわよ。もう・・・ないのよ」
よくよく見るとキャリーさんはかなり痩せている
クルス「どのくらい食ってない?」
キャリー「あんたたちに関係あるの?」
クルス「どのくらい食ってないんだ?」
キャリー「・・・もう三日くらいよ」
「お子さんは?」
キャリー「・・・もう乳も出ないわよ・・・何とか粉ミルクを見つけたけど・・・もう・・・」
「・・・クルスさん」
クルス「ああ。わかってる」
そういいクルスさんは下に向かった
キャリー「!?なにをするつもり!?」
「僕たちの食料をお分けします」
キャリー「え・・・は・・・?」
「粉ミルクは・・・ないんですが・・・」
少しするとクルスさんが食料をもってきた
キャリー「・・・何が目的?」
「・・・」
キャリー「こんな事して・・・なにが目的よ」
クルス「目的なんてない。助けたいから助けるだけだ」
キャリー「・・・」
クルス「どうするかは任せる。だが、俺たちはお前たちに敵意はない。それは約束する」
キャリー「・・・っ!!」
キャリーさんは食べ物を奪い取るようにクルスさんから取り食べ始めた
キャリー「モグモグモグ!!」
「クルスさん。あのマーケットに粉ミルクってありませんか?」
クルス「見てないからわからないが、行ってくる」
キャリー「!?マーケット!?そこはデビルアルタイルの奴らがいるのよ!?」
クルス「ああ。そいつらは片付けてある」
キャリー「か、片付けた!?」
クルス「ああ。じゃ、行ってくる」
そういうとクルスさんはマーケットに向かった
キャリー「あなたたち・・・何者?」
「・・・普通の生存者ですよ!」
キャリー「・・・それに・・・あなたは・・・なに?」
「なにって?」
キャリー「獣人じゃないわよね?放射能で毛が抜けたの?」
「え、あぁ~・・・僕は人間です」
キャリー「人間!?もう絶滅したんじゃ・・・」
「説明するとちょっとややこしいんですが・・・今のところ僕は生きてます」
キャリー「・・・そう・・・」
そういい食料をまた食べ始めた
「あなたのことを教えてくれませんか?」
キャリー「・・・」
「嫌なのでしたいいんです!」
キャリー「・・・私は逃げてるのよ」
「逃げてる?」
キャリー「ええ。デビルアルタイルの奴らから」
「なんでですか?」
キャリー「私は一年ぐらい前に掴まって・・・奴らに・・・」
そういい涙を流す
「・・・」
キャリー「そしてあの子が産まれたの」
「あの子・・・赤ちゃん・・・ですね?」
キャリー「ええ。でも・・・あいつらはあの子を私から取り上げようとしたのよ・・・それが嫌で・・・逃げたの・・・」
「・・・」
キャリー「でも、家族はみんな死んじゃってるし、周りはモンスターだらけ・・・で、一週間前にここに逃げ込んだの。化け物もいないし、ちょうどよかったのよ」
「そうだったんですね・・・」
キャリー「でも、食料も尽きて・・・探しに行きたくても赤子が一緒じゃ・・・泣き声で・・・」
「・・・」
お腹を空かせた赤ちゃんを置いて行くこともできない
だからといって、連れて行くのもリスクが高い・・・
だから、どうすることもできなかったんだ・・・
キャリー「あなたたちはどこから来たの?ここら辺の人じゃないわよね?」
「僕達は西の方から来ました。クリスタルシティの方角です」
キャリー「クリスタルシティ・・・輝かしい街・・・何もかもが揃っている街から・・・」
「ハハハ。何もかも揃っているわけではありませんが・・・」
キャリー「そうなの・・・?」
「はい。足りない物もありますよ?」
キャリー「聞いてたのと違うのね・・・」
「でも、物はある方だと思いますよ?学校もありますし」
キャリー「そうなの?」
「はい。そこの先生はとてもいい人ですよ!色々知ってますし!」
キャリー「フフフ。いいわね~。いいところみたいで」
そんな話をしていたらクルスさんが戻ってきた
クルス「戻ったぞ。ほら、粉ミルクだ」
そういいたくさんの粉ミルクを渡してきた
キャリー「こんなに・・・」
クルス「早く飲ませてやれ」
キャリー「ええ・・・ええ!」
キャリーさんは急いでお湯を沸かしに行った
クルス「・・・これからどうする?」
「ん?」
クルス「キャリーだよ。このままにしないだろう?」
「できれば保護したいね」
クルス「どこでだ?」
「環境を考えるとクリスタルシティがいいと思うんだけど・・・」
クルス「じゃあ、一度引き返すか?」
「・・・いえ、大丈夫。ジェットに連絡してみる」
クルス「連絡?どうやって?」
「これで!」
そういい端末を見せた
クルス「???」
「まぁ見ててよ!」
そして端末でジェットに連絡した
ジェット『はい!坊ちゃん?なにかありましたか?』
「あ!ジェット?ちょっとお願いがあるんだけど・・・いいかな?」
ジェット『ええ!構いませんよ?どうされましたか?』
「今からクリスタルシティに向かって欲しいんだ!」
ジェット『クリスタルシティでございますか?でも、どうしてでしょうか?』
僕はキャリーさんの話をした
「で、クリスタルシティで保護してもらえないか、ネピーさんに聞いて欲しいんだ」
ジェット『かしこまりました!では、早速クリスタルシティに向かいますね!お返事を聞き次第、ご連絡差し上げます!』
「うん!よろしくね!」
そう言い電話を切った
クルス「もしかして・・・お前が地下に閉じこもった時も・・・?」
「うん!この端末はジェットと通信できるようになってるんだよ!」
クルス「へ~・・・凄いな!」
そしてキャリーさんのことをクルスさんに説明した
しばらくするとキャリーさんが部屋から出てきた
キャリー「本当にありがとう・・・助かったわ・・・それと・・・ごめんなさい・・・」
そういい頭を下げた
クルス「気にするな。事情はハルトから聞いた。大変だったな・・・」
キャリー「ええ・・・」
「そのまだ確定ではないんですが、もしよかったらクリスタルシティで暮らしませんか?」
キャリー「え?」
「今確認してもらってますので、断られる可能性もあります。でも、その場合は僕たちの住んでいる場所で暮らしませんか?」
キャリー「でも・・・」
クルス「少なくともここよりは安全だ。それは保証する」
キャリー「・・・」
キャリーさんは考えていた
そして・・・
キャリー「よろしくお願いします!」
と、頭を下げた
クルス「でも、もう少しここで我慢しててくれるか?俺たちにはやらなくちゃいけないことがあるんだ」
キャリー「わかった。でも、やらなくちゃいけないことって?」
クルス「・・・実は・・・」
クルスさんは僕たちのことを話した
キャリー「そうなの・・・300年間も・・・」
クルス「ああ」
キャリー「で、ここはあなたのご実家だったのね」
クルス「ああ」
キャリー「じゃあ、あなたが『クルス・ベアー』さん?」
「え、なんで名前を?ハルトから聞いたのか?」
キャリー「確かにハルト君が呼んでいたけど、違うわ。そこのお部屋に手紙があったのよ。それを読んでね」
クルス「・・・その手紙はまだあるのか?」
キャリー「ええ。引き出しの中にあるわ」
クルスさんはそのお部屋に向かった
「手紙には・・・なんて?」
キャリー「・・・そうね・・・親から子に向けた・・・愛の手紙・・・かしらね」
「・・・そうですか」
僕はキャリーさんに案内され赤ちゃんを見せてもらった・・・
あれだけ降っていた雨も止んで太陽が雲の隙間から顔を出していた
「いい天気・・・」
クルス「そうだな!よし!メシ食ったら行くぞ!」
「うん!」
僕たちは朝食を食べるとバイクに乗って東に向かった
「風が涼しい・・・」
昨日の雨のおかげなのか風がとても涼しかった
クルス「・・・」
僕は返事をしないクルスさんを見た
クルスさんは険しい顔をしていた
「ク、クルス・・・さん?」
クルス「・・・もう少しで・・・俺の実家に着く・・・」
そういうクルスさんの表情は険しさを通り越して恐怖を感じているような顔をしていた
そして、しばらくすると一軒の大きな家の前でバイクを止めた
クルス「ここが俺の実家だ」
「ここが・・・」
凄く立派な建物だったんだろうな・・・
ボロボロではあるが三階建ての大きな家・・・いや、お屋敷と言ってもいいかもしれない
クルス「・・・なにも変わってないな・・・いや、ボロボロだけど・・・」
そういい家に入って行くクルスさん
僕も後を追って中に入った
クルス「・・・」
「・・・」
僕もクルスさんも武器を手に持つ
クルス「慎重にな」
「うん」
一階、二階と散策をしたが異常はなかった
クルス「よし。次は三階だ」
「うん・・・」
そして三階への階段を上がっている時
女性「う、動かないで!!」
クルス「!?」
「!?」
狸獣人の女性が僕たちにピストルを向けてきた
女性「ゆ、指一本でも動かしたら、う、撃つわよ!!」
女性は怯えているようだ
見た感じ『デビルアルタイル』の人たちでもないみたい
クルス「落ち着いてくれ。俺たちは敵じゃない」
女性「し、信じられないわ!誰も信じちゃいけないのよ!!」
ピストルを持つ手が震えている
きっと酷い状況を生き抜いて来たんだろう
クルス「俺たちに敵意は・・・っ!」
バンッ!
女性「う、動いたら撃つって言ったはずよ!」
女性の撃った弾は壁に当たった
女性「う、動くんじゃないわよ!!」
「落ち着いてください」
僕はクルスさんの前に出た
クルスさんは手で僕の腕を掴むが、僕はそれでもゆっくり進んだ
「大丈夫です。僕達は敵ではありません」
女性「し、信じられないわ!」
「見てください。僕は子供ですよ?子連れの人が他人を襲ったりしますか?」
女性「・・・」
女性は少し迷っているみたいだ
「僕はハルトって言います。あなたは?」
キャリー「・・・キャリー・・・」
「キャリーさん・・・いい名前ですね!」
???「オギャーー!!オギャーー!!」
キャリー「!?」
クルス「子供?」
キャリー「動かないで!!」
「クルスさん。言う通りにして」
クルスさんは頷いた
きっとキャリーさんは子供を守ろうとしていたのだろう
「大丈夫です。危害は加えません」
キャリー「ど、どう信じろと言うの!?そう言って私たちを油断させるつもりでしょう!?その手には引っかからないからね!!」
キャリーさんは少しパニックになっているように見える
「・・・」
僕はクロスボウを床に置きキャリーさんに近づいた
キャリー「く、来るな!!」
それでも僕は歩みを止めなかった
クルス「ハルト!!」
「信じられないのでしたら、どうぞ、撃ってください」
キャリー「っ!?」
「僕はあなた方を傷つけない。それが信じられないのでしたら、撃って構いません」
そして銃口が僕の額に当たった
その銃口から震えが伝わってくる
キャリー「・・・」
「・・・」
キャリー「・・・っ」
キャリーさんはピストルを降ろした
「ありがとうございます」
キャリー「言っておくけど、信じたわけじゃないからね。少しでも変な真似をしたら撃ち殺すからね」
「構いません」
そしてキャリーさんは奥の部屋に向かい扉を閉めた
扉の向こうからは
キャリー「よしよし・・・いい子ね~。もう泣かないでね~。もう大丈夫よ~」
と、言う声が聞こえてきた
クルス「はぁ・・・お前は・・・こんな危険なことを・・・」
「す、すみません・・・でも、クルスさんが相手だと警戒が解けないと思ったから・・・」
クルス「まぁ・・・そうだろうけど・・・」
少しするとキャリーさんが部屋から出てきた
キャリー「で?なんで来たのよ。私に用・・・ってことでもなさそうだし・・・」
クルス「それは・・・」
キャリー「先に言っておくけど食料はないわよ。もう・・・ないのよ」
よくよく見るとキャリーさんはかなり痩せている
クルス「どのくらい食ってない?」
キャリー「あんたたちに関係あるの?」
クルス「どのくらい食ってないんだ?」
キャリー「・・・もう三日くらいよ」
「お子さんは?」
キャリー「・・・もう乳も出ないわよ・・・何とか粉ミルクを見つけたけど・・・もう・・・」
「・・・クルスさん」
クルス「ああ。わかってる」
そういいクルスさんは下に向かった
キャリー「!?なにをするつもり!?」
「僕たちの食料をお分けします」
キャリー「え・・・は・・・?」
「粉ミルクは・・・ないんですが・・・」
少しするとクルスさんが食料をもってきた
キャリー「・・・何が目的?」
「・・・」
キャリー「こんな事して・・・なにが目的よ」
クルス「目的なんてない。助けたいから助けるだけだ」
キャリー「・・・」
クルス「どうするかは任せる。だが、俺たちはお前たちに敵意はない。それは約束する」
キャリー「・・・っ!!」
キャリーさんは食べ物を奪い取るようにクルスさんから取り食べ始めた
キャリー「モグモグモグ!!」
「クルスさん。あのマーケットに粉ミルクってありませんか?」
クルス「見てないからわからないが、行ってくる」
キャリー「!?マーケット!?そこはデビルアルタイルの奴らがいるのよ!?」
クルス「ああ。そいつらは片付けてある」
キャリー「か、片付けた!?」
クルス「ああ。じゃ、行ってくる」
そういうとクルスさんはマーケットに向かった
キャリー「あなたたち・・・何者?」
「・・・普通の生存者ですよ!」
キャリー「・・・それに・・・あなたは・・・なに?」
「なにって?」
キャリー「獣人じゃないわよね?放射能で毛が抜けたの?」
「え、あぁ~・・・僕は人間です」
キャリー「人間!?もう絶滅したんじゃ・・・」
「説明するとちょっとややこしいんですが・・・今のところ僕は生きてます」
キャリー「・・・そう・・・」
そういい食料をまた食べ始めた
「あなたのことを教えてくれませんか?」
キャリー「・・・」
「嫌なのでしたいいんです!」
キャリー「・・・私は逃げてるのよ」
「逃げてる?」
キャリー「ええ。デビルアルタイルの奴らから」
「なんでですか?」
キャリー「私は一年ぐらい前に掴まって・・・奴らに・・・」
そういい涙を流す
「・・・」
キャリー「そしてあの子が産まれたの」
「あの子・・・赤ちゃん・・・ですね?」
キャリー「ええ。でも・・・あいつらはあの子を私から取り上げようとしたのよ・・・それが嫌で・・・逃げたの・・・」
「・・・」
キャリー「でも、家族はみんな死んじゃってるし、周りはモンスターだらけ・・・で、一週間前にここに逃げ込んだの。化け物もいないし、ちょうどよかったのよ」
「そうだったんですね・・・」
キャリー「でも、食料も尽きて・・・探しに行きたくても赤子が一緒じゃ・・・泣き声で・・・」
「・・・」
お腹を空かせた赤ちゃんを置いて行くこともできない
だからといって、連れて行くのもリスクが高い・・・
だから、どうすることもできなかったんだ・・・
キャリー「あなたたちはどこから来たの?ここら辺の人じゃないわよね?」
「僕達は西の方から来ました。クリスタルシティの方角です」
キャリー「クリスタルシティ・・・輝かしい街・・・何もかもが揃っている街から・・・」
「ハハハ。何もかも揃っているわけではありませんが・・・」
キャリー「そうなの・・・?」
「はい。足りない物もありますよ?」
キャリー「聞いてたのと違うのね・・・」
「でも、物はある方だと思いますよ?学校もありますし」
キャリー「そうなの?」
「はい。そこの先生はとてもいい人ですよ!色々知ってますし!」
キャリー「フフフ。いいわね~。いいところみたいで」
そんな話をしていたらクルスさんが戻ってきた
クルス「戻ったぞ。ほら、粉ミルクだ」
そういいたくさんの粉ミルクを渡してきた
キャリー「こんなに・・・」
クルス「早く飲ませてやれ」
キャリー「ええ・・・ええ!」
キャリーさんは急いでお湯を沸かしに行った
クルス「・・・これからどうする?」
「ん?」
クルス「キャリーだよ。このままにしないだろう?」
「できれば保護したいね」
クルス「どこでだ?」
「環境を考えるとクリスタルシティがいいと思うんだけど・・・」
クルス「じゃあ、一度引き返すか?」
「・・・いえ、大丈夫。ジェットに連絡してみる」
クルス「連絡?どうやって?」
「これで!」
そういい端末を見せた
クルス「???」
「まぁ見ててよ!」
そして端末でジェットに連絡した
ジェット『はい!坊ちゃん?なにかありましたか?』
「あ!ジェット?ちょっとお願いがあるんだけど・・・いいかな?」
ジェット『ええ!構いませんよ?どうされましたか?』
「今からクリスタルシティに向かって欲しいんだ!」
ジェット『クリスタルシティでございますか?でも、どうしてでしょうか?』
僕はキャリーさんの話をした
「で、クリスタルシティで保護してもらえないか、ネピーさんに聞いて欲しいんだ」
ジェット『かしこまりました!では、早速クリスタルシティに向かいますね!お返事を聞き次第、ご連絡差し上げます!』
「うん!よろしくね!」
そう言い電話を切った
クルス「もしかして・・・お前が地下に閉じこもった時も・・・?」
「うん!この端末はジェットと通信できるようになってるんだよ!」
クルス「へ~・・・凄いな!」
そしてキャリーさんのことをクルスさんに説明した
しばらくするとキャリーさんが部屋から出てきた
キャリー「本当にありがとう・・・助かったわ・・・それと・・・ごめんなさい・・・」
そういい頭を下げた
クルス「気にするな。事情はハルトから聞いた。大変だったな・・・」
キャリー「ええ・・・」
「そのまだ確定ではないんですが、もしよかったらクリスタルシティで暮らしませんか?」
キャリー「え?」
「今確認してもらってますので、断られる可能性もあります。でも、その場合は僕たちの住んでいる場所で暮らしませんか?」
キャリー「でも・・・」
クルス「少なくともここよりは安全だ。それは保証する」
キャリー「・・・」
キャリーさんは考えていた
そして・・・
キャリー「よろしくお願いします!」
と、頭を下げた
クルス「でも、もう少しここで我慢しててくれるか?俺たちにはやらなくちゃいけないことがあるんだ」
キャリー「わかった。でも、やらなくちゃいけないことって?」
クルス「・・・実は・・・」
クルスさんは僕たちのことを話した
キャリー「そうなの・・・300年間も・・・」
クルス「ああ」
キャリー「で、ここはあなたのご実家だったのね」
クルス「ああ」
キャリー「じゃあ、あなたが『クルス・ベアー』さん?」
「え、なんで名前を?ハルトから聞いたのか?」
キャリー「確かにハルト君が呼んでいたけど、違うわ。そこのお部屋に手紙があったのよ。それを読んでね」
クルス「・・・その手紙はまだあるのか?」
キャリー「ええ。引き出しの中にあるわ」
クルスさんはそのお部屋に向かった
「手紙には・・・なんて?」
キャリー「・・・そうね・・・親から子に向けた・・・愛の手紙・・・かしらね」
「・・・そうですか」
僕はキャリーさんに案内され赤ちゃんを見せてもらった・・・
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