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大喧嘩
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次の日・・・
「はぁ・・・」
僕は会社のビルの前にいた
鞄の中には退職届を入れていた
僕は部長を忘れるため退職を決意したのだ
「これで・・・いいんだよね・・・」
そして僕は自分のフロアに向かった
そして部屋に入ったらすでに何人もいた
豹原が真っ先に声をかけてきた
豹原「大丈夫か?」
「大丈夫・・・前もって言っておく。ごめん・・・」
豹原は???って感じの顔をしていた
部長はまだ来ていないみたいだ
僕は鞄から退職届を取り出し部長のデスクに置いた
(これでいい・・・これで・・・)
自分のデスクに座ると豹原が
豹原「あれって・・・もしかして・・・」
「たぶんお前の考えてるもので間違いないと思うよ」
豹原「!?もう少し冷静に考えろよ!!」
その声にみんながこっちを見てくる
「昨日一日考えた。その結果がこれだよ」
そういうと豹原はなにも言わなくなった
ごめん・・・
でも、もうここに居られないんだ・・・
居たくないんだ・・・
少しして部長が出勤してきた
「・・・」
城熊「・・・」
そして部長はデスクに向かい一瞬固まった
城熊「これ・・・!」
その瞬間僕に駆け寄ってきて僕の胸倉を掴み壁に押し当ててきた
「いっ!」
城熊「お前。これはどういうことだ?」
そういうと僕の目の前に僕の書いた退職届を突き付けてきた
「読んで字の如くですよ。会社を退職させていただきます」
バチンっ!
頬に激痛、部屋に響く音
また左頬を叩かれたのか・・・
城熊「認めん!」
「部長が認めるとか認めないとかじゃないんですよ」
城熊「じゃあ、理由は?」
「一身上の都合です・・・」
城熊「・・・認められんな」
「いえ、受理されるはずです。」
城熊「俺は認めない・・・これは俺が預かる」
「僕が提出したらそれを受け取る義務が部長としてあります。それを部長個人で預かることなんてできないはずです!」
バチンッ
また頬に痛みがはしる
城熊「なぜわからないんだ!!」
部長は眼鏡を外し僕に言った
「それはこっちのセリフです!なぜわかってくれないんですか!」
城熊「お前は俺をわかってくれてると思ってた・・・それは違ったのか?」
「僕は部長をわかってました。いえ、わかったつもりでいたんです。でも、いまは僕よりあの女がいいんでしょう!!僕はただのお遊びだったんでしょう!!」
城熊「!!」
バチンッ!
「また・・・そんなに人間の身体は気持ちよかったですか!!」
バチンッ
僕も部長に平手打ちをした
怒号がお互いを行きかう
誰も止めることができないほどに
城熊「このわからず屋が!」
バチンッ!
「わからず屋はどっちですか!!」
バチンッ!
慌てて豹原が止めに入るが
城熊「お前は黙ってろ!」
と豹原を突き飛ばす
それでも、喧嘩は止まらない
城熊「なぜこんなに愛しているのに理解しないんだ!!」
「その愛は本物じゃないからですよ!!恋人がいながらほかの女とキスするなんて!!部長がこんなに最低な人だとは思いませんでした!!」
城熊「この!!」
バチンッ!
「事実でしょう!!」
バチンッ!
しばらく言い合いが続き
城熊「ここまで言ってもお前は理解する気がないのか!!」
「理解できませんよ!!恋人がいながらほかの人とキスするひとのことなんて!!」
城熊「っ!」
その時部長の手が緩んだ
僕はその手を払った
「・・・っ・・・」
僕は泣いてしまった
叩かれた痛みではなく心の痛みで
「僕は・・・部長が大好きです!だから余計に許せない!!あの女に負けたなんて・・・」
僕は泣き崩れる・・・
それを見て背中をさすってくれる豹原
部長は少し冷静になったのかいつもと同じ優しい口調で話しかけてきた
城熊「すまない・・・あの女性のことを今日ちゃんと説明しようと思ってたんだ・・・でも、デスクにあった退職届を見てついカッとなってしまった・・・手放したくなくて・・・失いたくなくて・・・」
「う・・・」
城熊「あの女性とはなにもないんだ・・・確かにキスされたのは事実だ・・・でも、その時はどう対応していいのかわからなかった・・・」
「じゃあ!なんで・・・なんで・・・あの時追いかけて・・・来てくれなかったんですか!!」
城熊「それはあの時あの女性と俺の間に子供がいるって聞いて・・・」
「うぅ・・・やっぱり・・・負けたんだ・・・」
城熊「だが・・・」
「もういいです!!どうせ退職するんだ!もう部長とも関わりはなくなる・・・」
その時豹原が
豹原「遥斗・・・最後まで話を聞こう?それからでもいいだろう?」
僕はそれを聞き頷いた
城熊「すまない・・・子供のことはあり得ないんだ・・・俺はあの女とはやっていない・・・」
「え・・・」
城熊「あの女は金が目当てなんだ・・・昔付き合ったのもあいつは俺の親が金持ちって理由だった。俺はそれを知ってからすぐに別れた・・・それ以来会うことはなかったんだが、あいつは俺を探していたらしい。親の遺産を相続した話を聞きつけて・・・で、あの最悪なタイミングで見つかってしまったんだ・・・」
「う・・・ぅ・・・」
城熊「今もしつこく付きまとってくる・・・でも、俺はお前以外といるつもりはない・・・それどころかお前が初めてなんだ・・・」
「なにが・・・初めて・・・なんですか?」
城熊「本気で愛したのも・・・守りたいと思ったのも・・・」
それを聞いて僕はさらに泣いた
こんなこと今まで言われたことなんてなかった・・・
そして部長は僕の頭に手を置き
城熊「すまなかった・・・俺が悪いのにお前を傷つけてしまった・・・」
「うぅ・・・」
城熊「叩いたりしてすまなかった・・・」
僕は部長に抱き着いた
そして声をだして泣いた
「僕こそすみませんでした・・・叩いたり酷いことを言って・・・」
部長は僕を抱き締め
城熊「いいんだ・・・お前がこうして俺の腕の中に帰ってきてくれただけで・・・俺はそれだけで・・・」
というと部長も泣いた
周りからも鼻をすする音が聞こえる
城熊「許してくれとは言えない・・・でも、チャンスをくれないか?」
「・・・」
城熊「遥斗を守れる男になってみせる。だから、そのチャンスを」
「はい」
城熊「ありがとう!」
そういうとキスをしてきた
僕もそれを受け入れる
その時豹原が少し泣きながら咳払いをした
豹原「あの、一応ここ職場だから・・・」
それを聞いて慌てて二人一斉に離れた
なんか急に恥ずかしくなって顔を上げられなくなった
「あの・・・みなさん・・・ご迷惑を・・・おかけしました・・・」
城熊「迷惑を・・・かけた・・・」
社員「いいんですよ!ちょっと怖かったですが、感動しました!」
社員「私・・・感動しました!」
何人かは泣いていた
それを見て今までのやり取りを思い出し顔から火が出る思いをした
キスもしたわけだし・・・恥ずかしい!!!!
城熊「ぎょ、業務に戻るぞ!かなり遅れた」
そういうといつもの仕事モードに戻った部長
やっぱり仕事モードの部長は怖い
でも、顔は赤い気がする
城熊「たてるか?」
「はい、立てます」
そういうとお互いデスクに戻り仕事を始めた
一時間以上遅れての業務・・・早く終わらせないと・・・
お昼になり
「間に合った・・・」
というと
社員「部長ってプライベートではどんな感じなの?」
と聞いて来たので
「内緒です!」
と笑顔で返した
そしてスマホが鳴った
部長『駅前 洋食店 行こう』
ん?『待つ』じゃないんだ?
と思っていたら
肩を軽くたたかれた
そこには眼鏡を外した部長がいた
城熊「お昼に行こう!」
「え、あ、ちょっ」
そういうと部長は僕の手を引いて部屋を出た
エレベーターに乗っている間も手を握っていた
ほかの部署の人もこちらを見ていたし・・・
「あの、見られますよ?」
城熊「いいんだよ!もう隠す必要なさそうだし。」
「え?」
城熊「もう噂が広がってるだろうし、だから、もう堂々としてようと思って!」
「だから眼鏡も外したんですか?」
城熊「仕事中は着けるよ?でも、それ以外は外そうと思って!」
「なんか・・・嬉しいような悲しいような・・・」
城熊「なんでだい?」
「えっと・・・僕だけの・・・部長の姿が・・・ほかの人に見られると思うと・・・残念というかなんというか・・・」
部長は手をさらに強く握ってきて
城熊「でも、君にしか見せないことの方が多いよ!」
それを聞いて嬉しく思う
そして
城熊「ちゃんと決着を付けないとね」
と真面目に言った
「決着ですか?」
城熊「あの女をなんとかしないとね」
部長の顔は眼鏡をかけてないのにすごく怖かった
そして手をさらに強く握ってきた
僕も・・・立ち向かわないと・・・いけないよね・・・
そして一階に着きエレベーターの扉が開くと入り口にはあの女がいた
こちらに気づくと満面な笑みでこちらに駆け寄ってくる
虎「猛さん!待ってたのよ!ちっ!おまけ付きかよ・・・」
あからさまな態度・・・
ムカつく
この女は僕と部長が手を繋いでるのをみてその手を離そうとしてきた
虎「ちょっと!あんた!私の猛さんから離れなさいよ!!」
爪が僕の腕に食い込み血が出てきた
「いっ!」
部長は僕のケガを見て虎獣人を押しのけた
城熊「大丈夫か!?」
爪は思った以上に鋭く出血が止まらない・・・
それを見て部長の顔がさらに怖くなる
豹原も近くにいたらしく、駆け寄ってきた
豹原「大丈夫か!」
「大丈夫・・・でも、止血しないと・・・」
虎「なによ!人間なんて脆い生き物が獣人の相手が務まるはずがないわ!私があなたにふさわしい!」
その言葉が部長の逆鱗に触れたらしい
僕でも見たことのない顔で
城熊「消えろ・・・」
虎「え?」
城熊「消えろと言ったんだ・・・二度と俺の前に現れるな!」
虎「そ、そんなこと言わないでよ!私の方が魅力的よ!」
城熊「お前にこいつのなにがわかるんだ!いいから消えろ!次、目の前に現れたりこいつに何かしたら・・・俺は自分を抑えることはできない・・・今は、見逃してやる!」
虎「そ、そんな・・・」
城熊「俺に借金を肩代わりさせようとするな!」
「え!?」
虎「な、なんで知ってるのよ・・・」
城熊「俺を甘くみたのが間違いだったな」
虎「じゃ、じゃあ、助けてよ!私もう誰も頼れないのよ!」
城熊「ふざけるな!誰がお前みたいなやつを助けるか!さっさと消えろ!」
ギャーギャー騒ぐ虎獣人・・・
それを見て僕は
「いくらなんですか?」
虎「は?」
「いくら借金があるんですか?」
虎「500万よ・・・」
「・・・今日、20時洋食店に来てください」
城熊「!?」
虎「なんでよ!」
「きてくださいね」
そういうと僕は手当てのために自分のフロアに向かった
手当てをしている間、部長は虎獣人と話していたみたいだ
戻ってきて
城熊「遥斗、なにを考えてるの?」
「ちょっとね・・・」
豹原「・・・」
お昼ご飯は食べそびれてしまった
午後の仕事中お腹が鳴っていた
そのたびほかの社員がおかしをくれた
そして退社の時
城熊「帰ろうか」
「さきに洋食店に行っててください」
城熊「え・・・なにするんだ?」
「一度家に帰って着替えてから向かいます」
城熊「わかった。じゃあ、お店で・・・」
そういうと部長は先に帰って行った
豹原「お前・・・」
早速勘のいい豹原が話しかけてきた
「ああ、お前の考えてる通りだよ」
豹原「そんなことする義理はないだろう!」
「そうだとは思う・・・でも、今後を考えれば・・・」
豹原「でも・・・」
「いいんだよ。僕は別に・・・今後あの人に付きまとわれて怖い顔をする部長を見なくて済むなら」
豹原はため息をつき
豹原「ほんとお前はお人よしで頑固だなw」
「これが僕だから!じゃ!」
というと僕は急いで家に向かった・・・
「はぁ・・・」
僕は会社のビルの前にいた
鞄の中には退職届を入れていた
僕は部長を忘れるため退職を決意したのだ
「これで・・・いいんだよね・・・」
そして僕は自分のフロアに向かった
そして部屋に入ったらすでに何人もいた
豹原が真っ先に声をかけてきた
豹原「大丈夫か?」
「大丈夫・・・前もって言っておく。ごめん・・・」
豹原は???って感じの顔をしていた
部長はまだ来ていないみたいだ
僕は鞄から退職届を取り出し部長のデスクに置いた
(これでいい・・・これで・・・)
自分のデスクに座ると豹原が
豹原「あれって・・・もしかして・・・」
「たぶんお前の考えてるもので間違いないと思うよ」
豹原「!?もう少し冷静に考えろよ!!」
その声にみんながこっちを見てくる
「昨日一日考えた。その結果がこれだよ」
そういうと豹原はなにも言わなくなった
ごめん・・・
でも、もうここに居られないんだ・・・
居たくないんだ・・・
少しして部長が出勤してきた
「・・・」
城熊「・・・」
そして部長はデスクに向かい一瞬固まった
城熊「これ・・・!」
その瞬間僕に駆け寄ってきて僕の胸倉を掴み壁に押し当ててきた
「いっ!」
城熊「お前。これはどういうことだ?」
そういうと僕の目の前に僕の書いた退職届を突き付けてきた
「読んで字の如くですよ。会社を退職させていただきます」
バチンっ!
頬に激痛、部屋に響く音
また左頬を叩かれたのか・・・
城熊「認めん!」
「部長が認めるとか認めないとかじゃないんですよ」
城熊「じゃあ、理由は?」
「一身上の都合です・・・」
城熊「・・・認められんな」
「いえ、受理されるはずです。」
城熊「俺は認めない・・・これは俺が預かる」
「僕が提出したらそれを受け取る義務が部長としてあります。それを部長個人で預かることなんてできないはずです!」
バチンッ
また頬に痛みがはしる
城熊「なぜわからないんだ!!」
部長は眼鏡を外し僕に言った
「それはこっちのセリフです!なぜわかってくれないんですか!」
城熊「お前は俺をわかってくれてると思ってた・・・それは違ったのか?」
「僕は部長をわかってました。いえ、わかったつもりでいたんです。でも、いまは僕よりあの女がいいんでしょう!!僕はただのお遊びだったんでしょう!!」
城熊「!!」
バチンッ!
「また・・・そんなに人間の身体は気持ちよかったですか!!」
バチンッ
僕も部長に平手打ちをした
怒号がお互いを行きかう
誰も止めることができないほどに
城熊「このわからず屋が!」
バチンッ!
「わからず屋はどっちですか!!」
バチンッ!
慌てて豹原が止めに入るが
城熊「お前は黙ってろ!」
と豹原を突き飛ばす
それでも、喧嘩は止まらない
城熊「なぜこんなに愛しているのに理解しないんだ!!」
「その愛は本物じゃないからですよ!!恋人がいながらほかの女とキスするなんて!!部長がこんなに最低な人だとは思いませんでした!!」
城熊「この!!」
バチンッ!
「事実でしょう!!」
バチンッ!
しばらく言い合いが続き
城熊「ここまで言ってもお前は理解する気がないのか!!」
「理解できませんよ!!恋人がいながらほかの人とキスするひとのことなんて!!」
城熊「っ!」
その時部長の手が緩んだ
僕はその手を払った
「・・・っ・・・」
僕は泣いてしまった
叩かれた痛みではなく心の痛みで
「僕は・・・部長が大好きです!だから余計に許せない!!あの女に負けたなんて・・・」
僕は泣き崩れる・・・
それを見て背中をさすってくれる豹原
部長は少し冷静になったのかいつもと同じ優しい口調で話しかけてきた
城熊「すまない・・・あの女性のことを今日ちゃんと説明しようと思ってたんだ・・・でも、デスクにあった退職届を見てついカッとなってしまった・・・手放したくなくて・・・失いたくなくて・・・」
「う・・・」
城熊「あの女性とはなにもないんだ・・・確かにキスされたのは事実だ・・・でも、その時はどう対応していいのかわからなかった・・・」
「じゃあ!なんで・・・なんで・・・あの時追いかけて・・・来てくれなかったんですか!!」
城熊「それはあの時あの女性と俺の間に子供がいるって聞いて・・・」
「うぅ・・・やっぱり・・・負けたんだ・・・」
城熊「だが・・・」
「もういいです!!どうせ退職するんだ!もう部長とも関わりはなくなる・・・」
その時豹原が
豹原「遥斗・・・最後まで話を聞こう?それからでもいいだろう?」
僕はそれを聞き頷いた
城熊「すまない・・・子供のことはあり得ないんだ・・・俺はあの女とはやっていない・・・」
「え・・・」
城熊「あの女は金が目当てなんだ・・・昔付き合ったのもあいつは俺の親が金持ちって理由だった。俺はそれを知ってからすぐに別れた・・・それ以来会うことはなかったんだが、あいつは俺を探していたらしい。親の遺産を相続した話を聞きつけて・・・で、あの最悪なタイミングで見つかってしまったんだ・・・」
「う・・・ぅ・・・」
城熊「今もしつこく付きまとってくる・・・でも、俺はお前以外といるつもりはない・・・それどころかお前が初めてなんだ・・・」
「なにが・・・初めて・・・なんですか?」
城熊「本気で愛したのも・・・守りたいと思ったのも・・・」
それを聞いて僕はさらに泣いた
こんなこと今まで言われたことなんてなかった・・・
そして部長は僕の頭に手を置き
城熊「すまなかった・・・俺が悪いのにお前を傷つけてしまった・・・」
「うぅ・・・」
城熊「叩いたりしてすまなかった・・・」
僕は部長に抱き着いた
そして声をだして泣いた
「僕こそすみませんでした・・・叩いたり酷いことを言って・・・」
部長は僕を抱き締め
城熊「いいんだ・・・お前がこうして俺の腕の中に帰ってきてくれただけで・・・俺はそれだけで・・・」
というと部長も泣いた
周りからも鼻をすする音が聞こえる
城熊「許してくれとは言えない・・・でも、チャンスをくれないか?」
「・・・」
城熊「遥斗を守れる男になってみせる。だから、そのチャンスを」
「はい」
城熊「ありがとう!」
そういうとキスをしてきた
僕もそれを受け入れる
その時豹原が少し泣きながら咳払いをした
豹原「あの、一応ここ職場だから・・・」
それを聞いて慌てて二人一斉に離れた
なんか急に恥ずかしくなって顔を上げられなくなった
「あの・・・みなさん・・・ご迷惑を・・・おかけしました・・・」
城熊「迷惑を・・・かけた・・・」
社員「いいんですよ!ちょっと怖かったですが、感動しました!」
社員「私・・・感動しました!」
何人かは泣いていた
それを見て今までのやり取りを思い出し顔から火が出る思いをした
キスもしたわけだし・・・恥ずかしい!!!!
城熊「ぎょ、業務に戻るぞ!かなり遅れた」
そういうといつもの仕事モードに戻った部長
やっぱり仕事モードの部長は怖い
でも、顔は赤い気がする
城熊「たてるか?」
「はい、立てます」
そういうとお互いデスクに戻り仕事を始めた
一時間以上遅れての業務・・・早く終わらせないと・・・
お昼になり
「間に合った・・・」
というと
社員「部長ってプライベートではどんな感じなの?」
と聞いて来たので
「内緒です!」
と笑顔で返した
そしてスマホが鳴った
部長『駅前 洋食店 行こう』
ん?『待つ』じゃないんだ?
と思っていたら
肩を軽くたたかれた
そこには眼鏡を外した部長がいた
城熊「お昼に行こう!」
「え、あ、ちょっ」
そういうと部長は僕の手を引いて部屋を出た
エレベーターに乗っている間も手を握っていた
ほかの部署の人もこちらを見ていたし・・・
「あの、見られますよ?」
城熊「いいんだよ!もう隠す必要なさそうだし。」
「え?」
城熊「もう噂が広がってるだろうし、だから、もう堂々としてようと思って!」
「だから眼鏡も外したんですか?」
城熊「仕事中は着けるよ?でも、それ以外は外そうと思って!」
「なんか・・・嬉しいような悲しいような・・・」
城熊「なんでだい?」
「えっと・・・僕だけの・・・部長の姿が・・・ほかの人に見られると思うと・・・残念というかなんというか・・・」
部長は手をさらに強く握ってきて
城熊「でも、君にしか見せないことの方が多いよ!」
それを聞いて嬉しく思う
そして
城熊「ちゃんと決着を付けないとね」
と真面目に言った
「決着ですか?」
城熊「あの女をなんとかしないとね」
部長の顔は眼鏡をかけてないのにすごく怖かった
そして手をさらに強く握ってきた
僕も・・・立ち向かわないと・・・いけないよね・・・
そして一階に着きエレベーターの扉が開くと入り口にはあの女がいた
こちらに気づくと満面な笑みでこちらに駆け寄ってくる
虎「猛さん!待ってたのよ!ちっ!おまけ付きかよ・・・」
あからさまな態度・・・
ムカつく
この女は僕と部長が手を繋いでるのをみてその手を離そうとしてきた
虎「ちょっと!あんた!私の猛さんから離れなさいよ!!」
爪が僕の腕に食い込み血が出てきた
「いっ!」
部長は僕のケガを見て虎獣人を押しのけた
城熊「大丈夫か!?」
爪は思った以上に鋭く出血が止まらない・・・
それを見て部長の顔がさらに怖くなる
豹原も近くにいたらしく、駆け寄ってきた
豹原「大丈夫か!」
「大丈夫・・・でも、止血しないと・・・」
虎「なによ!人間なんて脆い生き物が獣人の相手が務まるはずがないわ!私があなたにふさわしい!」
その言葉が部長の逆鱗に触れたらしい
僕でも見たことのない顔で
城熊「消えろ・・・」
虎「え?」
城熊「消えろと言ったんだ・・・二度と俺の前に現れるな!」
虎「そ、そんなこと言わないでよ!私の方が魅力的よ!」
城熊「お前にこいつのなにがわかるんだ!いいから消えろ!次、目の前に現れたりこいつに何かしたら・・・俺は自分を抑えることはできない・・・今は、見逃してやる!」
虎「そ、そんな・・・」
城熊「俺に借金を肩代わりさせようとするな!」
「え!?」
虎「な、なんで知ってるのよ・・・」
城熊「俺を甘くみたのが間違いだったな」
虎「じゃ、じゃあ、助けてよ!私もう誰も頼れないのよ!」
城熊「ふざけるな!誰がお前みたいなやつを助けるか!さっさと消えろ!」
ギャーギャー騒ぐ虎獣人・・・
それを見て僕は
「いくらなんですか?」
虎「は?」
「いくら借金があるんですか?」
虎「500万よ・・・」
「・・・今日、20時洋食店に来てください」
城熊「!?」
虎「なんでよ!」
「きてくださいね」
そういうと僕は手当てのために自分のフロアに向かった
手当てをしている間、部長は虎獣人と話していたみたいだ
戻ってきて
城熊「遥斗、なにを考えてるの?」
「ちょっとね・・・」
豹原「・・・」
お昼ご飯は食べそびれてしまった
午後の仕事中お腹が鳴っていた
そのたびほかの社員がおかしをくれた
そして退社の時
城熊「帰ろうか」
「さきに洋食店に行っててください」
城熊「え・・・なにするんだ?」
「一度家に帰って着替えてから向かいます」
城熊「わかった。じゃあ、お店で・・・」
そういうと部長は先に帰って行った
豹原「お前・・・」
早速勘のいい豹原が話しかけてきた
「ああ、お前の考えてる通りだよ」
豹原「そんなことする義理はないだろう!」
「そうだとは思う・・・でも、今後を考えれば・・・」
豹原「でも・・・」
「いいんだよ。僕は別に・・・今後あの人に付きまとわれて怖い顔をする部長を見なくて済むなら」
豹原はため息をつき
豹原「ほんとお前はお人よしで頑固だなw」
「これが僕だから!じゃ!」
というと僕は急いで家に向かった・・・
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