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4 2人の出会い 過去編
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夫ランドルフとは2年前、パーティーで知り合った。
私は、牧場主であった父が誘われたパーティーに付き添いで参加した。会場には牧場主たちとその出資者が集まっており、ランドルフは出資者としてパーティーに参加していたのだった。
ランドルフ・プロミネンス伯爵は私みたいなただの牧場娘でもよく知る有名人だった。
馬が好きで、いい馬を持つ牧場には特に出資する金が増えると聞いていた。けれどもそれよりも、伯爵には派手な噂がついて回っていた。
高い背に、見事に鍛え上げられた体躯がくつ美丈夫で、女遊びの方も激しいと評判だった。泣かせた女は星の数ほどいるのに、それでも抱かれたいという女性が絶えない。
「プロミネンス伯爵だけはやめておけよ」
パーティーの会場を目の前に父は私にこぼした。
「いきなりなあに?」
「女性はみんな、あの伯爵の餌食になっているって評判だ。今日連れてきたのは、お前の夫候補を探すためで、遊び相手を探しにきたわけじゃないからな」
「そんなことはわかっているわ。ここへ来る最中、馬車の中でも散々聞いたわよ。父さんはうちの牧場を継いでくれる人がいいのよね?」
はぁ、と父は額に手をやってため息を吐く。
「そうじゃない。いや、そうなったらそりゃ助かることに間違いはないが、一番大事なのはお前の幸せだよ。身の丈にあった男性を見つけてこい」
「だからそういってるじゃない。私に合っているのは牧場を継いでくれる男性でしょ」
「ジュリア」
父はわたしを非難するような目で見たが、わたしは知らんぷりをした。
母が亡くなってから、父と2人で小さな牧場をなんとかやりくりしてきた。私は通っていた学校を途中退学してまで父の仕事を手伝ったが、それももう限界がきていた。
父はもう牧場を手放す気でいるが、私はそんな簡単に諦めるのはいやだ。まだなんとかなる。してみせる。そんな前向きな気持ちをずっと持ち続けていた。
父は幸せな結婚をしろ、というけれど、恋愛なんてわからないし、幸せってよくわからない。好きな人もいないし。
それなら、うちの牧場を助けてくれそうな相手を選ぶのが合理的で、理想的ではないのか。
まだ顔も見たことはないが、ランドルフ・プロミネンス伯爵は、出資者としては魅力的だけれど、配偶者としては考えられない。向こうもこんな芋っぽい牧場の娘なんて相手にしないはずだ。
だから、他の牧場を経営してる息子だとか、ちょっとお金を持っている出資者の次男坊だとかが相手にちょうどよさそうだなんて勝手にも思っている。
今まで、惚れたはれたの色ごとの経験がないので、どうやって相手にしてもらうかが問題だ。
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